first love

ミヒロ

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「で?どっちが加藤くんで、どっちが鈴木くん?」

「こっちが加藤くん。こっちが鈴木くん」

茶トラの加藤くんと、キジ猫の鈴木くんを惇生が紹介した。

「ふわふわ...」

二匹とも大悟におとなしく撫でられた。

「猫、触んの初めて?」

「初めて」

食堂の二階。ギシギシ、木造の階段を上がると二匹が待ち構えるように座っていた。

「餌は?」

「いつも下で母さんか父さんがあげてるから、唐揚げ」

「唐揚げ?」

「嘘。鰹節だったり、チクワだったり」

「へえ...」

そうして、惇生の実家の部屋に入った。

学習机が目に飛び込む、物が多い、手狭な一室に大悟が立ち尽くす。

「...狭いな。そして古い」

「うるせー」

大悟の腕を掴み、ベッドの端に座る。

「やらせて」

「は?下にお前の両親いるだろ」

「大丈夫。客が多いし。それにうち、放任だから、わざわざ部屋上がっては来ない」

そのまま、押し倒され、抗った。

「ま、待て」

「なに?」

「また俺がウケ?」

「仕方ないじゃん。気持ちいいって知っちゃった。それに、俺、痛いの嫌い」

「そりゃ、俺だって....ッ」

唇を塞がれる。下手くそで傍若無人なキス。

シャツの裾から素肌が撫でられ、ゾワッとした。

「せ、せめて、掛け布団」

「了解」

掛け布団を被り、惇生に翻弄される。

声を出さないよう、はっはっ、と荒い息遣い。

掛け布団が動き、中では腰を打ち付けられながら、何度もキスをした。

終わると、

「もう1回しよっ」

屈託のない、真っ直ぐな瞳の惇生に唆される。

そして、互いに2回放出すると、確かめ合うように、キスを交わす。

「あー、喉乾いたし、腹減った」

「下行こっ」

「お前んちの唐揚げ知ったせいで、学食の唐揚げのランクが落ちた」

「食べたくなったらいつでもおいでよ」

「お前は作れないの?」

「親父の跡、継ぐには早い、てレシピ教えてくんないもん。はい」

惇生が差し出した手に大悟は手を重ねた。

一階の食堂に向かうまで、手を繋いだ。

大悟も惇生も、まるで、その暖かい手のひらが知っていた手のひらかのように感じた。
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感想 2

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みんなの感想(2件)

キノウ
2022.06.06 キノウ
ネタバレ含む
2022.06.06 ミヒロ

こちらこそ、読んでいただき、感想まで...ありがとうございます、本当に嬉しいです😊
良い1日をお過ごしくださいね。
🍀✨🌷🌸🌺🌻

解除
キノウ
2022.06.06 キノウ
ネタバレ含む
2022.06.06 ミヒロ

誤字だったみたいです、ありがとうございます🙇‍♀️

解除

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