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しおりを挟む惇生に道案内された先。
大きくはあるが、良くある大衆食堂。
「向日葵食堂...?」
店の隣にある砂利道の駐車場に車を止め、惇生の後に付いて歩く。
引き戸の扉を惇生は勢い良く開けた。
「いらっしゃ...!て、なんだ、あんたかい」
太めな中年な女将が惇生を見て、輝いた笑顔を一変させた。
「なんだよ、腹減ったから、飯食わせて。ほら、大悟も座って」
2人の作業服を着た男性客が黙々と食事している中、1つのテーブルに向かい合い、座る。
「...お前の家?」
「家っつーか、うちが代々、やってる食堂」
「惇生の友達かい?モデルさんみたいにカッコいいねえ」
2人に水を出しながら、惇生の母が大悟を暫し見つめた。
「同じ大学なんだけど、モデルもやってるんだよ」
「ああ!やっぱり!一般人とは違うと思ったよ!」
「惇生、お前、余計な事、言うなよ」
「余計な事、て、事実じゃん?うちの唐揚げ、マジ美味いんだ。うちの一番メニュー」
「唐揚げ?」
思わず、古く煤けたメニューを手に取り、目で追った。
「俺も久しぶりに唐揚げ定食にしよっかなあ」
グラスの水を飲みながら惇生が言う。
「はい、お待ちどうさん。唐揚げ定食ね」
「...凄い量だな」
更にてんこ盛りな唐揚げに目を奪われ、嗅覚も刺激される。
「普通の量だよ、ま、食べてみてよ」
言われるがまま、割り箸を割り、唐揚げに齧り付く。
「...んま!」
「だしょ?」
ニヤッと惇生は笑うと自身も唐揚げを頬張った。
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