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しおりを挟む大悟がコインパーキングに車を停め、惇生を連れ立って歩き始める。
「ほら、行くぞ」
大悟に連れられ、一軒の店に辿り着き、看板を見上げて、惇生は呆然と立ち尽くした。
ルイヴィトン...。
ブランドに疎い惇生にもさすがにわかる。
「大悟の買い物....?」
「まあ、そうなるけど、お前の服を選ぶ」
さあっと血の気が引いた。
「い、いい!」
「なんだ?ヴィトンは好みじゃないか?」
惇生は声にならず、首をブンブン縦に振った。
大悟はため息をつき、
「だったら仕方ないな」
惇生が安堵したのも束の間。
続いて、歩き、着いた先はシャネル。
店先で惇生はまたもや目を見開き、立ち尽くした。
「ほら、惇生」
「む、無理....」
「は?」
「か、買えないし!こ、こんな高級ブランド!」
「別にお前が金出さなくてもいい。なんだ、シャネルも不服か?」
「ふ、不服だ」
「ったく、仕方ないな」
不意に惇生はジャーナルスタンダードの店に視線が止まった。
「ジャーナルスタンダード?」
「い、いい、見てただけ」
「見るだけじゃなんだ、入ろうぜ、せっかくだし」
そうして、惇生の手首を掴み、大悟は店に入る。
大悟から手首を離され、惇生はトップスやアウターに目を奪われた。
「こいつに見立ててやってくれ」
店員にそう言い、惇生はぎょっとした。
「手足も長いし、カジュアルもモード系もイケそうですね」
その後の惇生はまるで、マネキンか、着せ替え人形になった気分だった。
「それ、全部、くれ。今、着ているのは、値札を切って」
「わかりました」
とんでもない額をなんて事ない顔で、大悟はカードで支払った。
「ほら」
3つに纏められた紙バックを大悟から手渡された。
「...どういう風の吹き回し?」
「せっかく、いいツラしてんのに、服装くらい気を使え。もう1軒、行くぞ」
大悟についていくと、美容院だった。
どうやら、大悟の行きつけらしく、スタッフと会話している。
おどおどしていると、大悟と会話していた、感じのいい、爽やかな笑顔の美容師が惇生を案内した。
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