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しおりを挟む再度、悠介に自己紹介する事にした。
「法学部4年、西山大悟」
敢えて、学年を嘯いた。
「なんだ、学部まで一緒?」
気さくな悠介と裏腹に惇生は小首を傾げた。
「...さっき3年、て言わなかったっけ?」
「聞き間違いなんじゃね?なんだ、ちゃんと聞いてたんじゃん、惇生」
「...慣れなれしく呼ぶなよ」
いちいち噛みつき、睨みつけてくる惇生が新鮮で頬が緩んだ。
「なにそんなに噛み付いてんだよ、惇生」
「...別に」
「2人はどんな関係?恋人とか?」
大悟の悪びれない問いに惇生も悠介もむせた。
特に悠介は爆笑した。
「な訳ねーじゃん。幼馴染みなんだよ。小学校まで。高校でまた再会してさ。腐れ縁的な。な、惇生」
「....うん」
惇生の表情は暗い。
箸で2つにしたおにぎりを放り込み、
「さっさと行くぞ、ノート貸さね」
「はあ?なんでだよ。惇生、またな」
「ああ」
悠介はまだ学食を食べ終えていなかったが、惇生に釣られて席を立った。
「....幼馴染み....」
口元を綻ばせ、大悟は2人を見守った。
今まで出会ったことのない、新たな獲物を見つけた、と。
そっとドアを開け、講義中の教室を見渡してすぐ、真剣な眼差しで講師の声に耳を傾け、ノートに書き写す、惇生の姿を見つけた。
瞳にかかる少し長めの前髪から見える瞳にしばらく釘付けになった。
そっと後ろの席に座る。惇生は気づかない。
耳元に息でも吹きかけようかと思ったのだが...出来なかった。
チャイムが鳴り、うーん、と惇生が大きく伸びをした。
表情の1つ1つが何故か愛おしい。ただただ、背後の席で惇生を見つめていたが、惇生の方が気がついた。
「...なんでいるんだよ」
「別に。色んなお前見てたら飽きなくて」
途端、気持ち悪い、とばかりに惇生の表情が歪んだ。
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