10 / 21
異変
しおりを挟む
慶太が来てからというもの、俺の生活は一変した。
まず、俺は仕事が終わり、暇さえあれば、やり部屋行ったりセフレとしたり、体だけの関係をつづけてきたが、それが無くなった。
俺より年下なのに真剣な思いで夢を描く慶太にやり部屋やセフレとやるばかり、後は自分の時間。
整理整頓や家事はしてはいても自堕落ともいえる生活を送っている自分と慶太を比較すると情けない限りだ。
「先にお風呂、借りるね、広斗さん」
「ああ」
俺はシンクで洗い物をしていた。風呂が終わったら洗濯だ。
突然、スマホが鳴った。
相手を見ずに慌てて電話に出ると、セフレの裕司だった。
「最近、連絡してこないけど、どうした?男でもできたか」
「まさか」
「だよな。お前は体を交えても本気にはならない」
「で、なんの用?」
携帯の奥で裕司がせせら笑った。
「なに、て、やりたいからに決まってんだろ」
「悪い」
俺は部屋の奥に引っ込んだ。
「今は無理だ」
「なんでだ?生理か?」
「そんなわけ」
「広斗さん、風呂、空いたよー、入りなよ」
遠くから慶太が俺を呼んだ。
「...今の誰」
「お前に関係ないだろ、切るぞ」
俺は一方的に電話を切った。
「電話中だった?」
「ああ、大した用じゃない。さて、俺も風呂入るかな」
髪をバスタオルで拭く慶太の隣をすり抜け、風呂場に向かった。
髪を拭いながらリビングに戻るとソファで変わらず、慶太は難しい顔をして本を読んでる。
ソファに散らかる本を何冊か手に取ると、動物愛護法に関する書籍やNPO法人を立ち上げる術などの小難しい本ばかり。
中には難病の子供を持った母親の実話のエッセイなどもあった。
慶太を邪魔しないように俺はコーヒーをいれた。
そっと慶太の座るソファの前のテーブルに置くと気づき、
「ありがとう」
「砂糖やミルクは?」
「2つずつ」
スティックシュガーとミルクポーションを2つずつ、キッチンから持ってきて、テーブルに置くと慶太がコーヒーに浮かべ、ティースプーンで掻き混ぜ、飲んだ。
「ホッとする」
片手でコーヒーを口にし、慶太が微笑むと釣られて俺の口元も綻んだ。
「明日は家でのんびり過ごそうか」
「出かけてばかりだったもんね、ごめんね、付き合わせて」
「俺も楽しいし、構わないよ」
俺はブラックのコーヒーに口付けた。
まず、俺は仕事が終わり、暇さえあれば、やり部屋行ったりセフレとしたり、体だけの関係をつづけてきたが、それが無くなった。
俺より年下なのに真剣な思いで夢を描く慶太にやり部屋やセフレとやるばかり、後は自分の時間。
整理整頓や家事はしてはいても自堕落ともいえる生活を送っている自分と慶太を比較すると情けない限りだ。
「先にお風呂、借りるね、広斗さん」
「ああ」
俺はシンクで洗い物をしていた。風呂が終わったら洗濯だ。
突然、スマホが鳴った。
相手を見ずに慌てて電話に出ると、セフレの裕司だった。
「最近、連絡してこないけど、どうした?男でもできたか」
「まさか」
「だよな。お前は体を交えても本気にはならない」
「で、なんの用?」
携帯の奥で裕司がせせら笑った。
「なに、て、やりたいからに決まってんだろ」
「悪い」
俺は部屋の奥に引っ込んだ。
「今は無理だ」
「なんでだ?生理か?」
「そんなわけ」
「広斗さん、風呂、空いたよー、入りなよ」
遠くから慶太が俺を呼んだ。
「...今の誰」
「お前に関係ないだろ、切るぞ」
俺は一方的に電話を切った。
「電話中だった?」
「ああ、大した用じゃない。さて、俺も風呂入るかな」
髪をバスタオルで拭く慶太の隣をすり抜け、風呂場に向かった。
髪を拭いながらリビングに戻るとソファで変わらず、慶太は難しい顔をして本を読んでる。
ソファに散らかる本を何冊か手に取ると、動物愛護法に関する書籍やNPO法人を立ち上げる術などの小難しい本ばかり。
中には難病の子供を持った母親の実話のエッセイなどもあった。
慶太を邪魔しないように俺はコーヒーをいれた。
そっと慶太の座るソファの前のテーブルに置くと気づき、
「ありがとう」
「砂糖やミルクは?」
「2つずつ」
スティックシュガーとミルクポーションを2つずつ、キッチンから持ってきて、テーブルに置くと慶太がコーヒーに浮かべ、ティースプーンで掻き混ぜ、飲んだ。
「ホッとする」
片手でコーヒーを口にし、慶太が微笑むと釣られて俺の口元も綻んだ。
「明日は家でのんびり過ごそうか」
「出かけてばかりだったもんね、ごめんね、付き合わせて」
「俺も楽しいし、構わないよ」
俺はブラックのコーヒーに口付けた。
10
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説


BL短編まとめ(甘い話多め)
白井由貴
BL
BLの短編詰め合わせです。
主に10000文字前後のお話が多いです。
性的描写がないものもあればがっつりあるものもあります。
性的描写のある話につきましては、各話「あらすじ」をご覧ください。
(※性的描写のないものは各話上部に書いています)
もしかすると続きを書くお話もあるかもしれません。
その場合、あまりにも長くなってしまいそうな時は別作品として分離する可能性がありますので、その点ご留意いただければと思います。
【不定期更新】
※性的描写を含む話には「※」がついています。
※投稿日時が前後する場合もあります。
※一部の話のみムーンライトノベルズ様にも掲載しています。
■追記
R6.02.22 話が多くなってきたので、タイトル別にしました。タイトル横に「※」があるものは性的描写が含まれるお話です。(性的描写が含まれる話にもこれまで通り「※」がつきます)
誤字脱字がありましたらご報告頂けると助かります。


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる