素直になれない僕ですが

ミヒロ

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イメージ...似てるかも?嗚呼、次第にノロケ気味な...

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「イメージ...ですか...」

しばらく考えたけど...

「わかりません...」

不意に。

何故か亮と遠藤さんとが被って見えた。

「...もしかしたら似てる、のかな、とか...」

「似てる?どなたとです?」

「え、えっと、りょ、亮と」

「....」

「あ、亮、背が高いんです、190とかあるんじゃないかな...」

ねーよ、と突っ込みたくなる遠藤こと亮の俺。

183cmだわ。

「手足が長くって、顔も小さくって、イケメンで、僕には勿体ないくらいで、万人受けするイケメンで、俳優でもおかしくないくらいで、笑顔は爽やかだし、優しいし頼りになるし、もう本当、凄く素敵でカッコよくて」

「....惚気みたいですね」

恥ずかしいんだが、俺。
そういう風に聖也に思われてたのか、顔が熱い。

...ちょっとイタズラしてみよう。

「キスやエッチとかは?」

しばしの間の後、

「....え」

気の抜けた声が返ってきた。

「い、今、なんて...」

「だから、キスやエ」

「し、してません!あっ!」

いきなりどうした、と思えば。

「...も、もしかして僕に魅力がないから、その...してくれないのかも...です」

わなわなと体も声も聖也は震えた。
...泣きそう。

案の定、鼻をグズグズと啜り始めた。

「それは彼氏さんの都合もあるのかもですよ」

慌ててフォローに入る俺、遠藤こと亮。

「都合、ですか...?」

涙声の聖也に電話越しに頷く。

「例えば、彼氏さん、い、ED、とか...」

...実際は違うけど、地雷を敢えて踏む自分...。
これも聖也を慰める為だ。

「...ED、てなんですか?」

え、そこを説明しなきゃなのか。

んー、としばし唸る。

「ぼ、勃起不全、てわかりますか?」

「ぼ...!?」

驚愕と言葉の卑猥さに真っ赤になる聖也。

「ぼぼぼ勃起はわ、わ、わかりま、す...」

「聖也さんも勃起はしますよね、流石に」

顔から火が出るんじゃないかと思う聖也だった。

「ま、ま、まあい、一応...?」

「その勃起がないんです。それが勃起不全です」

一瞬の間の後、えーーー!と耳をつんざくような雄叫びを上げ、俺はその雄叫びに瞼を細め、受話器を片手で一瞬塞いだ。

「し、しないんですか!それが普通なんですか?」

「え?えーっと、普通じゃないですね、病気ですから、一応」

たぶん。だよな、本当はよく知らんけど。

「た、大変...。亮、勃起しないんだ...」

電話の向こうの聖也の可哀想とばかりの物言いに小っ恥ずかしくなり肩を竦めた俺、遠藤こと亮でした。
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