素直になれない僕ですが

ミヒロ

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眠れない夜。

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夜の10時過ぎ。

僕はスマホを開いたまま、ベッドの中にいた。

暗闇の中でスマホの明かりだけが灯す部屋。

「...遠藤さんに相談しそこねたな....」

今日の事や色々話したかったのにな。

亮に送ったメッセージを眺めていた。

それから約10分後、不意にメッセージに既読が付き、思わず起き上がった。

『悪い、バイト中で気づくの遅れた。明日、大学だよ(*^^*)てか、お金はいいよ。俺が欲しかったし、聖也にも持ってて欲しくて勝手に買ったんだから』

読み終えると、途端に胸がきゅん、とした。

『明日、昼、一緒しよ、聖也』

慌てて、

「わかった」

と、返信を打ちながら、ああ、遠藤さんに報告したいな、と思った。

報告する事でもなんでもないのに。

だけど、なんとなく遠藤さんなら、自分の事のように喜んでくれる気がして....。

遠藤さん、てどんな人なんだろう....。

落ち着いた話し方とかから、なんとなく20代半ばか後半くらいかな....。

そこまで考えて、僕は被りを振った。

「僕には亮がいるのに。寝よう、きっと疲れてるんだ、うん」

今日は昨夜、今日のデートを意識してしまってあまり寝付けなくて、何を着ようかと凄く悩んだし、何より遠藤さんの作戦通り、亮の手を握れるかな、て不安と心配で、そして、胸も高まって...。

遠藤さんに無事に亮の手を握れた、て教えたいな...。

暗所と閉所恐怖症、少しは良くなったかな。

中学のあの時。

掃除用具入れに閉じ込められ、本当は凄く怖くて心細くて...。

クラスメイトがこっそり開けてくれたんだよな。

....名前が思い出せないけど、凄く太ってて、いつも弄られてたけど、笑顔が耐えない明るい生徒だったのは覚えてる。

....なんだかんだ、今も昔も誰かに助けられ、生きてる。

感謝しないとな、と僕は重たい瞼を閉じた。




2⃣
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感想 1

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