4 / 25
泣きやみました
しおりを挟む「今日はイキリうさぎさん、お好きな食べ物をお腹いっぱい食べて好きな事だけを考えて過ごされてください」
「ありがとうございます、遠藤さん...」
ティッシュ片手にスマホ越しに頭を下げる。
「ああ、イキリうさぎさんはチョコがお好きな様ですね。秋の新製品もコンビニに沢山、陳列されているかもしれませんよ?」
は、と僕の脳内は大好きなチョコに移動する。
「期間限定、て奴ですかね!?僕、あれに弱いんです」
あはは、と遠藤さんが笑う。
「分かります、それ。ああ、編み物もお好きとありますね。秋の夜長に大好きなチョコを食べながら編み物とか、風情があっていいかもしれませんね、いい気分転換になりますよ、きっと」
編み物...。
ふと思い出した。
「じ、実はここだけの話し、なんですけど、彼氏に、その、マフラー編んでるんです。手袋と悩んだんですけど、サイズ分からないし...あ!」
「どうされました?」
ふるふる、と身体が小さく震える。
「て、手編みのマフラーとか...気持ち悪いですかね?髪の毛を編み込んでる、とか思われちゃったり...」
「そんな事ないですよ。彼氏さんからしたら大好きなイキリうさぎさんから編んで貰い。世界に一つしかないマフラーを頂ける訳ですから、喜ばれますよ、きっと」
「そ、そうでしょうか...?」
「ええ。ですが、近頃はだいぶ、冷え込んで来ましたからね、コンビニに行くにも着込んで寒くないように。風邪でも引いたら大変ですからね」
「...ありがとうございます!遠藤さん」
すーっ、と身体中を駆け巡っていた悩みが晴れていくのがわかる。
「では、また」
「はい、いつでも、またお掛けくださいね。ご利用ありがとうございました」
優しい声色は僕が切るまで、遠藤さんから電話は切らない。
「さて!コンビニに行こ!」
僕は近所のコンビニに向かう事にした。
遠藤さんに教えた、亮への手編みのマフラー、クリスマスに送る予定だから、まだ余裕はあるけど、確かに気分転換に良さそう。
僕は本当、顔も知らないボランティアの悩み相談の相手、遠藤さんに常々感謝してる。
⋆̩☂︎*̣(*´꒳`*)⋆̩☂︎*̣̩
26
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!
彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!?
俺どうなっちゃうの~~ッ?!
イケメンヤンキー×平凡
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる