Black Angel ~SECOND~

ミヒロ

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ユウとダイチはシャワーを済ませ、浴衣でベッドに並び、俯けで寝そべった。

「どうしてるかなあ?光くんとコウ」

「どうって、やってんじゃね?」

「やってる、てそんな下世話な...」

「じゃ、なにして欲しいわけ」

んー、とユウが唸る。

「別に...仲良くやってるかなあ、て。それだけだよ」

にや、とダイチがユウを見た。

「仲良くヤってる、ねえ。ああ。やり方、教えときゃ良かったかな、コウに。男同士の」

ユウがダイチを睨む。

「すぐそんな話しに...でも、光くんがわかるからいいんじゃない」

「まあ、そっか」

不意に間が空いた。

「...ダイチもヤリまくったんだよね」

「...は?」

「だから。光くんと。ダイチもヤリまくったんだよね?」

「...なに、いきなり」

「あー、言いたくないんだ、そうだよね、あんだけ可愛くって、愛想も良くて、ヤリまくらない訳ないもんね」

はあ、とダイチが深い息を吐いた。

「なんなの、今更。...てか、俺はあいつとよりお前の方が断然、イイし。抱き具合、ていうか、声も何もかも、ユウの方がいいし」

ユウがかあ、と顔が熱くなるのを感じた。

「お、俺のがいい、て、な訳。そんなおべっかは要らないし」

「おべっかとか、そんなんじゃなくってさ。なんか、体の相性、ていうの?光とは合わないっていうか」

「....抜けない、みたいな?」

しん、と一瞬、空気が冷えた。

「抜けない、訳じゃないけど。なんか、あいつ声デカいし、あー、声が異様に高いのも。なんか、お前と比べてしまってた、ていうか?」

「お、俺と...?」

うん、とまだ酔った顔でダイチが頷く。

「...ていうかさ」

「ん?」

相変わらず、うつ伏せたまま、ダイチがユウを向く。

「その...あの子、知ってたの...?ダイチが...その、売り、してた事...」

「いや。あいつの性格だから、辞めて!て泣きつかれるか、辞めないなら自分も働く!て言いそうだし、バレないように?」

「ああ...なんか、真っ直ぐな子、て感じだもんね」

「そっか?」

「うん...」

「てかさ」

悪戯っ子のような笑みでダイチがユウを見る。

「明後日まで休みだし。どうする?」

「どうする、て?」

不意にその瞳とかち合った。

「この辺、ぶらっとする?土産、買うだとか」

「だね。あ、光くん、地元だし、光くん、詳しいよね」

「...お前、あんなに光の名前を出すと嫌ヅラしてた癖に」

「...なんか、そんな悪い子じゃないんだな、て気して...」

ダイチは正面を向き直り、少し表情を変えた。

別れたくない、と泣きつき、離れようとしなかった、あの日。

光が本気で泣いた夜を思い出していた。

...ユウと出逢っていなかったなら、光とはどうなっていたんだろうか。

ユウには絶対に言えない、ダイチの思い...。
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