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真尋side
しおりを挟む「いない!いない!蒼也がいないー!」
既に生徒たちは帰宅した放課後の蒼也の教室で頭を抱えて右往左往する俺。
部室にも何処にも蒼也の姿はなかった。
「ぶつくさうるさい。ストーカーか。家に帰ったんじゃねーの?」
高城が隣でこれみよがしなため息をついた。
「ストーカー!?失礼な!あの蒼也の朝練の日だってお尻貸したげたのに!」
「尻っつっても素股だから太腿だろ」
「太腿だとしても!フェラはした!」
「お前がさせてくれっつったんだろ。蒼也がヤキモチ妬くだろうからって。わざわざ朝練に間に合うように待ち伏せまでして!つか、全然、ヤキモチ妬いてる感じしないんだが!?」
そう、この男。
高城裕平は蒼也狙い。
というか、昔から蒼也は男にモテる。
が、本人は全く自覚がない。鈍感。
が、そこがまたいい。
以前からちょっとサッカーで褒められて 嬉々として、時に照れ笑いしながら頭撫でられて喜んでるけど。
サッカーだけじゃない、ひたむきで素直で、ちょっとツンデレなところが受けていて。
バスケ部の高城がサッカー部の蒼也の練習を見に来てた時点で怪しいとは思ってたけど。
先手を打って、高城と交渉し、あのサッカー部の進藤も、多分、いや絶対、蒼也狙いだろうと踏み、協力し合っていた。
...全くもって、幼い頃から一緒にいる、てのに蒼也は俺にヤキモチを焼かない。
「まあ、お前じゃ蒼也には役不足なんだろ。万年帰宅部じゃ話しも合わないし」
「うるさいよ!すけこまし!」
「すけこまし、てなんだ?お前だろ!?なにが悲しくて蒼也に誤解されてお前と付き合ってることになってんだ!?」
ふん、と鼻を鳴らす。
「ご愁傷さま。あんたは俺の彼氏、て嘘に蒼也はまんまと騙されてるし?蒼也があんたを選ぶ確率は0パーセントー!」
高城が宙を仰ぎ、頭を抱えた。
「タイプじゃねーーー!蒼也がいいんだよ!俺は!あのサッカーで汗流して、不意に見せる笑顔とかよー!」
高らかに叫ぶ高城とせせら笑う俺。
とりあえず、俺は敵を1人減らした。
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