変態な神に拾われたらノンケがビッチになりました

ミヒロ

文字の大きさ
上 下
34 / 35

辞職願、もう僕は辞めます。

しおりを挟む

沢村さんのスーツもクリーニングに取りに行き、スーパーで買い物も終え、夕飯の為にキッチンに立つ僕は覚悟を決めていた。

本来なら、辞表を書くべきなのかもしれないけれど...僕は先生の助手を辞め、沢村さんに甘えるつもりだ。

圭介や沢村さんもいるが、先生との最後の晩餐。

それぞれが箸を動かし食事の最中、僕は1人、箸を置いた。

「...先生、お話があります」

「どうした、祐希、かしこまって」

先生は俯き、食事の箸を止めはしない。

「...今日で、僕はもう辞めさせてください」

先生がようやく、箸を止め、真っ直ぐな瞳の僕を見た。

「...辞めてどうするつもりだ?仕事も住むところも」

「僕がしばらく祐希の面倒を見ます」

突然、沢村さんが割り込んで来て、驚愕で沢村さんを見たのは僕だけじゃない、圭介もだ。

「どういうこと!?俺と別れるつもりなの、たっちゃん!」

「ああ。お前には先生がいるし問題ないだろう」

ああ...終わった。

先生との日々、決して嫌じゃなかった。

それなのに。

「よくやったな、祐希」

先生の明るい声に、え?と伏せた顔を上げる。

先生は笑顔だった。

「...険悪だったのに、喧嘩してましたよね...?僕と先生」

「ああ。その方が祐希も沢村を誘惑しやすいだろうと思ってな」

「!」

狡猾な先生の笑みに唖然。

険悪なムードはわざと...!?

「じゃ、じゃあ、なんで、圭介と寝たんですか?それに絵も描いたり...」

「もしかしたら、沢村さんだけでなく、祐希も焼きもち妬くかと思ってな。17なわりにお前より遥かに緩かった。ヤリマンを卒業して、もう少し、穴を鍛えた方がいいぞ、圭介。今は若いからいいが、いずれ、ガバガバになって、誰も相手しなくなる」

圭介が平然とした先生にポカン、と口を開けていたが、突然、泣き出した。

慌てて、圭介に駆け寄ったのは、沢村さんだ。

「泣くなよ、圭介」

「だって...だって...」

「今のうちにヤリマンを卒業すれば問題ない。みんな、言わずにいてくれたんだろう、優しいな」

先生のトドメの一言に、圭介はまた、泣き出し、沢村さんが必死に圭介を慰めた。

が、沢村さんは決して、圭介に、

「そんな事はないよ」

とは言わない。

男性に挿れた事もないし、挿れたいとも思わないけれど、先生の指摘は当たってる、という事なのだろうか...。

ちょっぴり、圭介が可哀想にも思うけど。
先生が言う通り緩いのなら...散々、ヤリまくった事実は圭介から聞いている。

自業自得なのかも、と僕は泣きじゃくる圭介と宥める沢村さんを見つめた。

先生が描いた圭介の裸体の一枚は、沢村さんときちんと付き合うと決めた圭介を思い、描いた事も知った。

木製の椅子の背もたれに手を置き、振り向きざまの笑顔の圭介。

沢村さんと共にここを出ていく圭介、2人に先生はプレゼントした。

しばらくは沢村さんのマンションに厄介になるらしい。






((ε(。・ө・。)з))コトリ𓂃 𓈒𓏸🪶





🪑
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

処理中です...