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辞職願、もう僕は辞めます。

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沢村さんのスーツもクリーニングに取りに行き、スーパーで買い物も終え、夕飯の為にキッチンに立つ僕は覚悟を決めていた。

本来なら、辞表を書くべきなのかもしれないけれど...僕は先生の助手を辞め、沢村さんに甘えるつもりだ。

圭介や沢村さんもいるが、先生との最後の晩餐。

それぞれが箸を動かし食事の最中、僕は1人、箸を置いた。

「...先生、お話があります」

「どうした、祐希、かしこまって」

先生は俯き、食事の箸を止めはしない。

「...今日で、僕はもう辞めさせてください」

先生がようやく、箸を止め、真っ直ぐな瞳の僕を見た。

「...辞めてどうするつもりだ?仕事も住むところも」

「僕がしばらく祐希の面倒を見ます」

突然、沢村さんが割り込んで来て、驚愕で沢村さんを見たのは僕だけじゃない、圭介もだ。

「どういうこと!?俺と別れるつもりなの、たっちゃん!」

「ああ。お前には先生がいるし問題ないだろう」

ああ...終わった。

先生との日々、決して嫌じゃなかった。

それなのに。

「よくやったな、祐希」

先生の明るい声に、え?と伏せた顔を上げる。

先生は笑顔だった。

「...険悪だったのに、喧嘩してましたよね...?僕と先生」

「ああ。その方が祐希も沢村を誘惑しやすいだろうと思ってな」

「!」

狡猾な先生の笑みに唖然。

険悪なムードはわざと...!?

「じゃ、じゃあ、なんで、圭介と寝たんですか?それに絵も描いたり...」

「もしかしたら、沢村さんだけでなく、祐希も焼きもち妬くかと思ってな。17なわりにお前より遥かに緩かった。ヤリマンを卒業して、もう少し、穴を鍛えた方がいいぞ、圭介。今は若いからいいが、いずれ、ガバガバになって、誰も相手しなくなる」

圭介が平然とした先生にポカン、と口を開けていたが、突然、泣き出した。

慌てて、圭介に駆け寄ったのは、沢村さんだ。

「泣くなよ、圭介」

「だって...だって...」

「今のうちにヤリマンを卒業すれば問題ない。みんな、言わずにいてくれたんだろう、優しいな」

先生のトドメの一言に、圭介はまた、泣き出し、沢村さんが必死に圭介を慰めた。

が、沢村さんは決して、圭介に、

「そんな事はないよ」

とは言わない。

男性に挿れた事もないし、挿れたいとも思わないけれど、先生の指摘は当たってる、という事なのだろうか...。

ちょっぴり、圭介が可哀想にも思うけど。
先生が言う通り緩いのなら...散々、ヤリまくった事実は圭介から聞いている。

自業自得なのかも、と僕は泣きじゃくる圭介と宥める沢村さんを見つめた。

先生が描いた圭介の裸体の一枚は、沢村さんときちんと付き合うと決めた圭介を思い、描いた事も知った。

木製の椅子の背もたれに手を置き、振り向きざまの笑顔の圭介。

沢村さんと共にここを出ていく圭介、2人に先生はプレゼントした。

しばらくは沢村さんのマンションに厄介になるらしい。






((ε(。・ө・。)з))コトリ𓂃 𓈒𓏸🪶





🪑
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