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しおりを挟む食事も終わり、俺はいつものようにエプロンを付け、後片付け。
皿洗いをしていると、
「僕も手伝おうか?」
気がつけば沢村さんが傍らに立っていた。
「大丈夫です。いつもの事ですから。コーヒー、お代わり煎れましょうか?」
「いや、いいよ、ありがとう、西垣くん」
ふわり、優しい笑顔に釣られ、俺も微笑んだ。
「ところで圭介くんは?」
「ああ、なんだか、風呂に入るとか言ってたけど」
お風呂...?
俺は皿洗いしながら、宙を仰いだ。
先生も、風呂にする、と食後、リビングを離れたような気が...。
まさか、2人でお風呂...?
俺は思わず、ソファに座り、雑誌を捲りながら寛ぐ沢村さんを見た。
沢村さんは穏やかな笑顔を浮かべている。
皿を洗い終え、俺はタオルで手を拭くと、ソファの前のテーブルにある、沢村さんの、無くなっているコーヒーカップを手に取った。
「飲み物がないと退屈でしょう?お代わり、すぐに煎れますね」
「ありがとう、相変わらず、気が利くね、それに」
俺はなんだろう、と沢村さんを見下ろし、言葉を待った。
「まるで、新婚のカップルみたいだ」
さり気ない沢村さんのセリフに、俺はボンッと顔から火を吹きかけた。
「もしあるならだけど。コーヒーよりビールがいいかな」
「あ、あります」
「西垣くんも一緒にどう?」
断る術はない。
圭介を追い出す為に、沢村さんを誘惑し、圭介を嫉妬させて、圭介を沢村さんの元に帰す...
先生の計画はこれでいいんだったかな...。
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