上 下
1 / 1

プロローグ

しおりを挟む


第4次世界大戦、それは起こった。天才科学者たちの予想通り人類は互いを殺し合うために核兵器を大量に使った。誰もがもう世界の終わりだと終わった。しかし、世界は終わらなかった。核戦争を止めたのは特殊な能力を持った異能力者、10人だった。


その人たちは後に10人の覇王と言われ、世界を愚かな統治者たちに変わって統治した。

それから30年、世界は変わった。世界各国では10人の覇王たちの特殊な能力の仕組みが解明され異能力と呼ばれるその力はもはや日常のものとなっていた。


そして、10人の覇王は異能力の育成に力を注いだ。




ーーーー



「月城、寝るなよ~!」

 先生がそう言う。

「おい、寝るなって言われてるぞ」

「あ…ああ」

 月城と呼ばれた少年は机に伏せていた体を起こす。起きあがると顔が良く見える。左右の目で色彩が違う端正な顔立ちをしている。

「もう、授業が終わるぞ。まったく…」

月城はそう言われて教室の前の上の方にある時計を見る。

そこでちょうど授業の終わりを告げるチャイムがなる。

「はぁ~やっと終わったあ~」

「今日は何食べる?」

「ラーメンかなぁ」

みんなぞろぞろと席を離れ、授業で使った教科書などをロッカーにしまい、お昼ご飯を食べに食堂に向かっていく。

月城もそのなかに混じって、食堂に向かって歩く。人混みにのまれないようにするためか、集団の後ろをゆっくりついていく。

「お~い、月城~」

そんなとき、月城に歩きながら話しかける少年がいた。赤い短いの服の上からでもはっきりと分かる筋肉が特徴の少年、辻本龍次である。

「おう、リュウジ どうした?」

「どうしたもこうもね~よ。ちゃんとお前が来るように見張りに来たんだよ。お前、午後の授業すぐサボるから」

「あはは……」

月城は嫌なことを指摘されて、ちょっと気まずそうに苦笑いをし、その影響もあってか徐々に足早になっていく。

リュウジとの歩く距離の差はちょっとずつ開いていく。

「おい! 待て…」

「なに?」

「逃げても無駄だぞ。絶対、ついてくからな!」

「別に逃げないよ」

めんどくさそうに言う。そうこうして、食堂に着く。
月城は学食販売機の前にできている列に並び、リュウジもそれに続く。そして順番が来て画面をタッチして料理を選ぶ。

学食が機械で運ばれてきて、月城たちふたりはそれを食べ始める。

食べている間もリュウジは月城の方をじっと見つめている。

「何かよう?」

「いいから黙って食え」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

日本国転生

北乃大空
SF
 女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。  或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。  ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。  その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。  ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。  その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。

魔都★妖刀夜行 ~現代にて最強最悪の陰陽師がVRゲームを創っちゃいました!~

神嘗 歪
SF
現時点、生きている人間のなかで最強にして最悪の陰陽師・道川 明星(みちかわ みょうじょう)が、身勝手な理由で国家を抱き込んだ魑魅魍魎ばっこするVRゲームを創ちゃった。 高校二年の 伊田 空月(いだ あづき)は、転校してきてまもない薬袋 真白(みない ましろ)に強引に誘われ、明星が創ったゲーム『魔都★妖刀夜行』を始める。 そのゲームが普通なわけがなく、空月はとてつもなく奇々怪々な陰謀に巻き込まれていく。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ

海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。  衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。  絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。  ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。  大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。 はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?  小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。 カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。  

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

【なんか】裏山で年代物の宇宙船めっけた件【マスターにされた】

一樹
SF
諸事情でとある惑星にある実家にて一人暮らしをしている少年。 ある日、彼は実家近くの裏山で伝説級の宇宙船をみつけてしまい、勝手にその宇宙船のマスターにされてしまう。 それが、地獄のハジマリとも知らずに……。 2023/1/15 話の順番等ミスをしていたので、1度削除して投稿し直しました。 よろしくお願いします。

「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち
SF
 港に立ち上がる敵AXISの巨大ロボHARMOR。  遂に、AXIS本隊が北海道に攻めて来たのだ。  その第1次上陸先が苫小牧市だった。  これは、現実なのだ!  その発見者の苫小牧市民たちは、戦渦から脱出できるのか。  それを助ける千歳シーラスワンの御舩たち。  同時進行で圧力をかけるAXISの陽動作戦。  台湾金門県の侵略に対し、真向から立ち向かうシーラス・台湾、そしてきよしの師範のゾフィアとヴィクトリアの機動艦隊。  新たに戦いに加わった衛星シーラス2ボーチャン。  目の離せない戦略・戦術ストーリーなのだ。  昨年、椎葉きよしと共に戦かった女子高生グループ「エイモス5」からも目が離せない。  そして、遂に最強の敵「エキドナ」が目を覚ましたのだ……。  SF大河小説の前章譚、第4部作。  是非ご覧ください。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

処理中です...