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鬱蒼とした深夜の森の空気は、しとりとした湿度をふくんでいる。
知らぬ間に冷気が体にまとわりつき、芯から熱を奪っていく。
「ふふっ、あははっ。くすぐったい」
重く張り詰めた空気に小さな笑い声が穴を開けた。
コカブちゃんは握り締めた手を緩め、口元に持って行きクスクスと笑っている。
「お嬢さん、耳こってますねー。お疲れですかー」
細く骨張った長い指が、小さな耳を包む。
「……?なぁに?」
不思議そうな表情を浮かべるものの、心地良さそうに目を細めた。
慣れた手つきで小さな耳を優しく揉みほぐすノーラ。
あと一歩で届く距離。
こちらを見据える眼。
間近にいるというのに、動くことはできない。
どうにか踏み出そうとする足を、わざとらしい声で止められた。
「うーん。悲しいなぁ。仲間に対してそこまで警戒するー?
オレを睨んでるヒマがあるなら、手紙に目でも通したらぁ」
視線を一瞬、手紙にうつすと、ノーラはついでとばかりに口を開く。
「やっと慣れた仮住まいで襲撃騒動って。
気の毒だよねー。
まぁでも、カルト相手に教会籠城しちゃってるのは、どうかなぁ。
ああいう建造物って妙に燃えやすいし。
筒っていうのもさー、マズイんじゃないかなぁって思うわけー」
チラリと見ただけの手紙の内容を流れるように告げた。
世間話でもしているかのような異様な気軽さに、調子が狂う。
「……まただ……また……」
レウスは、うわ言のように呟くと手紙を握りしめ、ふらふらと歩き出した。
咄嗟に腕を掴むが、そのまま引っ張られ、
どうにか踏ん張るが、足元の湿った土がずるずると抉れていく。
「行くな、レウス。1人でいってもどうすることもできない……。
まずは冷静にならないと」
詳細な規模もわからない集団に、単独で挑んだところで、何も成し得ることはできない。
レウスだって理解しているはずだ。
村にいなかったはずの家族が、幼い子供を1人で、わざわざ使いに寄越してきた意味。
焦燥と重圧が背中を無闇に押している。
留まらせるための、上手い言葉も浮かばない。掴んで止めることすら、かなわない。
自身に嫌気がさしてくる。
ふらつく足取りで、着実に村へと向かう順路へと進んでいる。
まずいな……。
このまま、暗闇の悪路を引き摺り回されるのか?
1人で行かせるよりは良いのだろうけど……。
どうにか振り返って見ると、相変わらずコカブちゃんは心地良さそうに目を細めていた。
全く会話なんて聞こえていない様子だ。
ノーラは呆れとも、軽蔑とも取れる複雑な表情でこちらを一瞥すると、
舌を打ち、怠そうに口を開く。
「へぇ、レウスはこの子を置き去りにするんだ。意外と薄情だねぇ」
止めることが叶わなかった歩みが、言葉ひとつで、ぴたりと止まる。
「何もそんな言い方……。レウスは、ただ、村にいる家族が心配で…」
「あー、すいません。オレ、家族ってよくわかんないですよねー。
目の前にいる子より、いない方を優先するんだなぁって。
思っただけです。それより、副団長。
手紙に書いてあった筒って、何かわかりますかー?」
……騎士団で謎掛けでも流行っているのか?
何故いちいち問題のように尋ねてくるのだろう。
苛立ちながらも答える。
「……銃火器の類だろう。それがどうした」
「筒。って書いちゃうほど、厳しく規制されてる代物なんですけど。
そういえば、就任早々、銃、買い付けようとしてー。
上層から、目ぇつけられてましたよねぇ」
「あ、あれは、剣なんか使わずに済むと思って……」
口の端をニヤリと持ち上げた。
「剣、なんか。って。まぁ飛び道具は恥だなんだといいながら。
実際、便利ですからねー。使い方さえ覚えちゃえば、事足りますし。
お祭り部隊が大々的に使用したら、いい宣伝になりましたよねぇ。
銃火器の一般化に拍車、かかっただろうなぁ」
もし、導入していたら。
してしまっていたら。
良かれと思ってやった。
若気の至りで済まされる問題じゃない。
俺が余計なことをするやつだと決定づけたのは。
俺の軽率な行動のせい……。
「まぁまぁ。恥は都合の良い抑止に過ぎませんってー。
副団長がどうこうする以前から存在はしていましたしぃ。
今だって、権力者の匙加減一つで、いくらでも出回る状態でー。
おおっと?王都騎士団副団長も、なかなかに権力者じゃないですかぁ」
穏やかな、ゆったりした声色でチクチクと痛いところをついてくる。
「……本当に反省しています」
「えー。今、オレに、反省、なんか、されても困るんですけどー」
ノーラはニンマリと嬉しそうに笑った。
……思い出したくなかったが、ノーラは重箱の隅をつつくような奴だった。
つっつき回している時の、幸せそうな顔ときたら。
ゾッとするほどだ。
人の動向をよく見ているから、気遣いだって同じくらいしているのに。
玉に瑕というけれど、瑕が入り過ぎている場合は何というのだろうか。
ノーラはレウスの方へ、視線を向ける。
「ああ。レウス。置いてけぼりにしてごめんねぇ。
銃、わかるかな?下層街の箱入り王様には、わかんないよねぇ」
背を向けていたレウスが、怒りをどうにか押さえ込みながら振り返る。
「この、ネクラ……言いたいことがあるなら、はっきり言いやがれ」
「そうだなぁ。君が今から行こうとしていた場所にはね。
白兵戦なんかしてくれない遠距離武装集団がいるかもってこと。
夜討朝駆狙いだとしても、そもそも辿り着けなきゃ意味ないしー。
何もできないまま確実に死ぬよ」
口調はそのまま、冷ややかに告げた。
「1人で出来ることなんて高が知れてる。
闘技場にいたならさぁ、わかるでしょ」
「……」
口をつぐんだまま、レウスは反論することもない。
ノーラは淡々と続ける。
「この子も、手紙も、とりあえず、みんなに受け入れてもらわないと。
レウスが誠心誠意、頭を下げてお願いすれば、まぁるく収まるんだから。
今までごめんなさいっ。家族を助けてっ。ってさぁ」
「馬鹿にしてんのか」
「いたって大真面目ですけどー。
……団長は、団員がどうするかで……判断するだろうし」
こちらを見据えたノーラの視線が、一瞬だけ遠くを漂う。
あがった意見をまとめ、決定することが上の者の勤め。
副団長に就任してしばらくたったある日。
色々なことに首を突っ込見出した俺に、団長は、そう仰った。
それでも俺は、どうしても動いていないと落ち着かなくて、
意見を待つことができるのは、団員達を信頼しているからこそだと、敬服した。
けれど…何故だろう。今は、投げやりなものに見えてしまうのは……。
それよりも。
「頭を下げて解決なんてそんなの夢物語だ」
「んんー?」
「レウスのこと、俺は、そんなに……悪いヤツとは思っていない。
けど、だけど……ひとりひとりに妙なあだ名つけて。
丹念に威圧して、自分の仕事が終われば眠りこけて交流も碌にしない。
そんな失礼な奴が都合が良い時だけ、お願いだなんて……。
厚かましいにも程がある」
「巾着、てんめぇ、んなこと考えてたのか」
つま先から頭の先まで、丁寧に睨みつけて低く唸る。
「そうやってすぐ睨むのも、みんな怖がってるんだからな」
ノーラは何かに気づいたように、あ、と溢す。
「ああ……。知らないとそうなるかー。
レウスに至っては、ちょっと違うんだなぁ。
なんせ闘技者様だから。怖がるっていうのは、畏怖に近いんじゃない?
あだ名だって、喜んでるやつがほとんどなんだから」
畏怖……。
ただの嫌味を何故尊ぶのだろうか。
レウスに「おい、そこの」と呼びつけられるたび、
団員たちは冷や汗をかいて、恐々していたのに。
ノーラだってネクラ呼ばわりだ。
内心は喜びでいっぱいだっていうのか?
どうかしている連中だと思いたくなかったけれど、
やはり、どうかしている……。
声にこそ出してはいないが、納得の行かない表情を浮かべてしまっていたようで、
深いため息をつかれてしまった。
「王都でもどこでも、握手求められてたじゃん。
それだけ人気者ってこと。ねぇ?レウス?
握手してあげちゃってたしー。何気にファンサいいよねぇ。さすがだなぁ」
「……物珍しいから群がってきただけだろう。
はけさせんのに、あれが一番はえーんだよ」
あの奇妙な握手求め集団は、レウスが有名人だからか。
それにしても、なんで握手なのだろう。
有名人に触れたいという感覚は、一体何なのだろう。
「……。触れたらご利益とか……」
2人揃って、得体の知れない生き物を見る目を向けてくる。
「俺をなんだと思ってやがる……?」
「ご利益って、副団長オジイチャン……。本当、娯楽に明るくないんだね……」
知らぬ間に冷気が体にまとわりつき、芯から熱を奪っていく。
「ふふっ、あははっ。くすぐったい」
重く張り詰めた空気に小さな笑い声が穴を開けた。
コカブちゃんは握り締めた手を緩め、口元に持って行きクスクスと笑っている。
「お嬢さん、耳こってますねー。お疲れですかー」
細く骨張った長い指が、小さな耳を包む。
「……?なぁに?」
不思議そうな表情を浮かべるものの、心地良さそうに目を細めた。
慣れた手つきで小さな耳を優しく揉みほぐすノーラ。
あと一歩で届く距離。
こちらを見据える眼。
間近にいるというのに、動くことはできない。
どうにか踏み出そうとする足を、わざとらしい声で止められた。
「うーん。悲しいなぁ。仲間に対してそこまで警戒するー?
オレを睨んでるヒマがあるなら、手紙に目でも通したらぁ」
視線を一瞬、手紙にうつすと、ノーラはついでとばかりに口を開く。
「やっと慣れた仮住まいで襲撃騒動って。
気の毒だよねー。
まぁでも、カルト相手に教会籠城しちゃってるのは、どうかなぁ。
ああいう建造物って妙に燃えやすいし。
筒っていうのもさー、マズイんじゃないかなぁって思うわけー」
チラリと見ただけの手紙の内容を流れるように告げた。
世間話でもしているかのような異様な気軽さに、調子が狂う。
「……まただ……また……」
レウスは、うわ言のように呟くと手紙を握りしめ、ふらふらと歩き出した。
咄嗟に腕を掴むが、そのまま引っ張られ、
どうにか踏ん張るが、足元の湿った土がずるずると抉れていく。
「行くな、レウス。1人でいってもどうすることもできない……。
まずは冷静にならないと」
詳細な規模もわからない集団に、単独で挑んだところで、何も成し得ることはできない。
レウスだって理解しているはずだ。
村にいなかったはずの家族が、幼い子供を1人で、わざわざ使いに寄越してきた意味。
焦燥と重圧が背中を無闇に押している。
留まらせるための、上手い言葉も浮かばない。掴んで止めることすら、かなわない。
自身に嫌気がさしてくる。
ふらつく足取りで、着実に村へと向かう順路へと進んでいる。
まずいな……。
このまま、暗闇の悪路を引き摺り回されるのか?
1人で行かせるよりは良いのだろうけど……。
どうにか振り返って見ると、相変わらずコカブちゃんは心地良さそうに目を細めていた。
全く会話なんて聞こえていない様子だ。
ノーラは呆れとも、軽蔑とも取れる複雑な表情でこちらを一瞥すると、
舌を打ち、怠そうに口を開く。
「へぇ、レウスはこの子を置き去りにするんだ。意外と薄情だねぇ」
止めることが叶わなかった歩みが、言葉ひとつで、ぴたりと止まる。
「何もそんな言い方……。レウスは、ただ、村にいる家族が心配で…」
「あー、すいません。オレ、家族ってよくわかんないですよねー。
目の前にいる子より、いない方を優先するんだなぁって。
思っただけです。それより、副団長。
手紙に書いてあった筒って、何かわかりますかー?」
……騎士団で謎掛けでも流行っているのか?
何故いちいち問題のように尋ねてくるのだろう。
苛立ちながらも答える。
「……銃火器の類だろう。それがどうした」
「筒。って書いちゃうほど、厳しく規制されてる代物なんですけど。
そういえば、就任早々、銃、買い付けようとしてー。
上層から、目ぇつけられてましたよねぇ」
「あ、あれは、剣なんか使わずに済むと思って……」
口の端をニヤリと持ち上げた。
「剣、なんか。って。まぁ飛び道具は恥だなんだといいながら。
実際、便利ですからねー。使い方さえ覚えちゃえば、事足りますし。
お祭り部隊が大々的に使用したら、いい宣伝になりましたよねぇ。
銃火器の一般化に拍車、かかっただろうなぁ」
もし、導入していたら。
してしまっていたら。
良かれと思ってやった。
若気の至りで済まされる問題じゃない。
俺が余計なことをするやつだと決定づけたのは。
俺の軽率な行動のせい……。
「まぁまぁ。恥は都合の良い抑止に過ぎませんってー。
副団長がどうこうする以前から存在はしていましたしぃ。
今だって、権力者の匙加減一つで、いくらでも出回る状態でー。
おおっと?王都騎士団副団長も、なかなかに権力者じゃないですかぁ」
穏やかな、ゆったりした声色でチクチクと痛いところをついてくる。
「……本当に反省しています」
「えー。今、オレに、反省、なんか、されても困るんですけどー」
ノーラはニンマリと嬉しそうに笑った。
……思い出したくなかったが、ノーラは重箱の隅をつつくような奴だった。
つっつき回している時の、幸せそうな顔ときたら。
ゾッとするほどだ。
人の動向をよく見ているから、気遣いだって同じくらいしているのに。
玉に瑕というけれど、瑕が入り過ぎている場合は何というのだろうか。
ノーラはレウスの方へ、視線を向ける。
「ああ。レウス。置いてけぼりにしてごめんねぇ。
銃、わかるかな?下層街の箱入り王様には、わかんないよねぇ」
背を向けていたレウスが、怒りをどうにか押さえ込みながら振り返る。
「この、ネクラ……言いたいことがあるなら、はっきり言いやがれ」
「そうだなぁ。君が今から行こうとしていた場所にはね。
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夜討朝駆狙いだとしても、そもそも辿り着けなきゃ意味ないしー。
何もできないまま確実に死ぬよ」
口調はそのまま、冷ややかに告げた。
「1人で出来ることなんて高が知れてる。
闘技場にいたならさぁ、わかるでしょ」
「……」
口をつぐんだまま、レウスは反論することもない。
ノーラは淡々と続ける。
「この子も、手紙も、とりあえず、みんなに受け入れてもらわないと。
レウスが誠心誠意、頭を下げてお願いすれば、まぁるく収まるんだから。
今までごめんなさいっ。家族を助けてっ。ってさぁ」
「馬鹿にしてんのか」
「いたって大真面目ですけどー。
……団長は、団員がどうするかで……判断するだろうし」
こちらを見据えたノーラの視線が、一瞬だけ遠くを漂う。
あがった意見をまとめ、決定することが上の者の勤め。
副団長に就任してしばらくたったある日。
色々なことに首を突っ込見出した俺に、団長は、そう仰った。
それでも俺は、どうしても動いていないと落ち着かなくて、
意見を待つことができるのは、団員達を信頼しているからこそだと、敬服した。
けれど…何故だろう。今は、投げやりなものに見えてしまうのは……。
それよりも。
「頭を下げて解決なんてそんなの夢物語だ」
「んんー?」
「レウスのこと、俺は、そんなに……悪いヤツとは思っていない。
けど、だけど……ひとりひとりに妙なあだ名つけて。
丹念に威圧して、自分の仕事が終われば眠りこけて交流も碌にしない。
そんな失礼な奴が都合が良い時だけ、お願いだなんて……。
厚かましいにも程がある」
「巾着、てんめぇ、んなこと考えてたのか」
つま先から頭の先まで、丁寧に睨みつけて低く唸る。
「そうやってすぐ睨むのも、みんな怖がってるんだからな」
ノーラは何かに気づいたように、あ、と溢す。
「ああ……。知らないとそうなるかー。
レウスに至っては、ちょっと違うんだなぁ。
なんせ闘技者様だから。怖がるっていうのは、畏怖に近いんじゃない?
あだ名だって、喜んでるやつがほとんどなんだから」
畏怖……。
ただの嫌味を何故尊ぶのだろうか。
レウスに「おい、そこの」と呼びつけられるたび、
団員たちは冷や汗をかいて、恐々していたのに。
ノーラだってネクラ呼ばわりだ。
内心は喜びでいっぱいだっていうのか?
どうかしている連中だと思いたくなかったけれど、
やはり、どうかしている……。
声にこそ出してはいないが、納得の行かない表情を浮かべてしまっていたようで、
深いため息をつかれてしまった。
「王都でもどこでも、握手求められてたじゃん。
それだけ人気者ってこと。ねぇ?レウス?
握手してあげちゃってたしー。何気にファンサいいよねぇ。さすがだなぁ」
「……物珍しいから群がってきただけだろう。
はけさせんのに、あれが一番はえーんだよ」
あの奇妙な握手求め集団は、レウスが有名人だからか。
それにしても、なんで握手なのだろう。
有名人に触れたいという感覚は、一体何なのだろう。
「……。触れたらご利益とか……」
2人揃って、得体の知れない生き物を見る目を向けてくる。
「俺をなんだと思ってやがる……?」
「ご利益って、副団長オジイチャン……。本当、娯楽に明るくないんだね……」
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