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現行3
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小さな声の主に気づかれないよう近づいていた事なぞお構いなしに、
レウスはガサガサと雑に低木をかき分け喋りながら、こちらへとやって来る。
「おい、無視すんなよ。何も今すぐ、財布から金寄越せって言ってるんじゃねえ。
それともあれか?キマってるやつは森を目指すっつー…」
怯えるようにしゃがみ込む幼い子供は、歩いてきた騒々しさに耳をピクリと動かすと
顔を上げ「っ、れ、レウス」絞り出すように微かな声を出す。
レウスは自身の名前を呼ぶ幼い子供に、雑な歩みを止め、立ち尽くした。
「ママが、これ、渡してって」
小さな斜め掛け鞄を膝に乗せ、かちゃかちゃと鞄の金具をいじる。
暗がりで上手く開けられないようだ。
聞きたいことは山のようにあるが、ひとまず明るい焚き火の前まで連れ出さなければ。
あまりこちらから近づくと萎縮させて動けなくなってしまう可能性が高い。
考えている間にレウスは俺を押し退けて、幼い子供に近づく。
子供は縋るようにレウスの足元にしがみついて立ち、どうにか歩き出した。
焚き火まで辿り着き、おずおずと火に手を伸ばす。
「あったかぁい……」
明るさと温かさで少し安心したのか、焚き火の前にチョコンとしゃがむ。
灯りを淡く反射している焦茶の短毛と長い髪。
二つ結びを途中から緩やかな三つ編みにして、白いリボンでまとめている。
少女たちの間で流行っている一見簡単そうにみえるが小難しい髪型だ。
ユリウスの持ってきた本に感化された妹たちに「やってやって」とせがまれたが、
うまく結んであげられなかった。
泥道を思い切り走ったのか、衣服や靴には所々泥跳ね汚れがついている。
追いかけた視線の正体がこの少女だったとして、何が目的なのか。どこからやって来たのか。
訊ねる前に、レウスの口が動く。
「……こいつは俺の妹だ。怪しい賊じゃあねえ。
つーか、さっきからジロジロ見過ぎなんだよ、変態」
「人聞の悪い。……妹さんがいたんだな。意外だ」
「いるんだから意外もなにもねえだろうが。んなことより、コカブ。
香袋はどうした?そのままの姿で出歩いたらどうなるか、わかってるだろ」
普段の怒りっぽいものとは違った、諭すような声色でレウスは話しかける。
コカブと呼ばれた少女は、羽織ったマントのポケットから
花の刺繍が施された小袋を取り出し、自身の鼻を埋める。
レウスは小袋を睨みつけ「貸してみろ」とつまみ上げた。
袋の紐を緩めると、どこかで嗅いだ事のある厳かで優しい香りが辺りにほんのり漂った。
「古くはねえな……鼻がきかなくなったのか?」
「うーん……わかんない。急に効かなくなっちゃった……。あのね、ママが」
何気なくこちらを見ると、言いかけた言葉を飲み込み、
慌てて衣服に着けられた頭巾を被り直す。
深く被った頭巾の下から不思議そうにこちらを伺い、尋ねる。
「わたしのこと、こわくないの……?魔物って……いわない……?」
目の前の少女は、自身と魔物を並べた。
思いもよらない言葉に当惑していると、
レウスはフンと鼻を鳴らし、嫌味ったらしく口角をあげる。
「こいつは未開地の田舎者だからな。考え方にズレがあんだよ」
生まれ育った故郷は陸の孤島と通称される田舎ではあるが、
人に改めて指摘されると何故だかモヤモヤしてくる。
「たしかに田舎だけど、未開は言い過ぎだ。
今いる東の領土内に存在しているし、ここから10日程度歩けば、すぐ着く距離だ」
「歩いて10分みたいな感覚で言ってんじゃねえっ。どうせ木ばっかで何もねえんだろ」
「崖と川もある。川には魚がいるし土壌は王都よりも良いんだからなっ」
ふふ、と小さな笑い声が溢れた。
「お兄さんのいなか、わたしのいる村と似てるかも。
こないだ川でお魚釣りしたんだ。焼き魚にしてみんなで食べたの」
「いいね、焼き魚。焼くなら魚だよね。ところで、えーっと。
コカブちゃんは、どこから来たの?」
「リュネイア村だよ。教会の裏山を登った崖のとこに色んなお花が咲いてて、すっごくキレイなんだ」
やっと本題に入れた。安心したのも束の間。
これから向かう目的地の名前を嬉々と告げられる。リュネイア村の記憶にコカブちゃんの姿はない。
焚き火に照らされているにもかかわらず、レウスの顔色から血の気が引いていく。
足元でしゃがむコカブちゃんから一瞬、目を逸らしたが、すぐに見据える。
「南の領土で世話になってるって話はどうした。……いつからだ、いつから居る」
「……2年前。最初から決まってたんだって。
王都じゃ誰が聞いてるかわからないからって司祭様とママがいってた。
わたしやみんなに似た人たちがたくさんいるから、
リュネイア村のことはできる限りヒミツにしなくちゃいけないって……。
だから、お手紙も出せなかったの……」
「じゃあ依頼書は一体誰が寄越したってんだ……。
おい、管理してたのお前だろ。妙な所、見落としてねえよな」
リュネイア村からの依頼書は、遠征の手筈を整えている最中に舞い込んできた。
内容は正体不明の生物が近くの森に住み着いている、調査を頼むといったものだ。
「他の書類と同じように配達員から受け取ったし、文面も紙も特殊なものじゃなかった。
全員参加の会議の時に見せただろう。他のものとの違いは……地図くらいかな」
依頼主との手紙のやりとり、行商人の話を通じて地図作成から入ることも少なくない中、
リュネイア村の依頼書は初めから詳細な地図が同封されており、
実際に訪れた際も迷うことはなかった。
辿り着くと、牝鹿に似た魔物が、執拗なまでに村の建物を破壊してまわっていた。
巨躯で暴れながら、村人には手を出さない奇妙なこだわりを持つ魔物。
なによりも奇妙な出来事は魔物を倒した後。
目元の抉れた大きな熊が突然現れ、討った魔物を掻っ攫っていったのだ。
手負いにも関わらず迷うことなく魔物をとらえ、真っ直ぐに森の中へと向かう焦茶の熊。
すぐさま追いかけたが、足跡どころか痕跡すらも無く、
不可解だけを残して消えた。
「えっと、いらいしょ……は、わかんないけど、
どうしても出さなきゃいけないお手紙は
受け取る人の家族かお友達が、その人にちょくせつ届ける約束になってるよ」
掌の感覚を確かめるようにフニフニと開いたり閉じたりを繰り返し、
先程開けれずにいた鞄から、一通の手紙を取り出す。
「これ。ママが騎士団の人に見せてって。
わたしが一番、遠くが見えて足が速いからって、みんなが任せてくれたんだ。
騎士団の人は知らないから……レウスのことを探して。
そしたらお昼にみつたの。けど、ずっと、見てくる目が、追いかけてきて……。
こわくて……逃げてたら……そしたら、夜になっちゃって……」
正面に陣取るレウスは犯人を見つけたかのように睨んできた。
「てめえかよ。余計なことしくさって」
「何者かわからなかったんだから、警戒するのは仕方ないだろ」
「えっ。あの目、お兄さん、だったの……?
……。わたしもお兄さんのこと、こわがらせちゃったんだ。ごめんね」
「気にすんなコカブ。こういう奴は一回でも気にしたら図に乗るからな」
「乗ってるつもりはないけど」
「タチ悪りい」
レウスはコカブちゃんの手元からサッと手紙を取り上げ、封をあける。
封を閉じたまま団長に渡すという発想は初めからないようだ。
独占するような状態で見ているが、なんとか覗き込む。
走り書きの文字を、レウスは指でゆっくりとなぞる。
「ママが今日の朝、急いで書いてたよ。だからちょっと読みづらいかもっていってた」
「目がみえねえくせに、相変わらず器用なこった。
あ?じう、の……みつかい?」
見慣れない単語に、文字を追う指が一旦止まる。
「慈雨は日照り続きの時に降る雨のことだよ。みつかいは……なんだろうな」
「慈雨の御使。カルトだよー。王都でも上層で流行ってたねー」
唐突に、緩やかな声色が会話に混じる。
「ノーラ……」
「どうも。まだ交代の時間じゃないんですけどー。
楽しげなおしゃべりが聞こえちゃったもので」
よほど手紙に熱中していたのか、近づく足音すら聞こえなかった。
声をあげることなく、各々静かに身を震わせる。
恐怖でかたまったコカブちゃんの前にノーラはしゃがみこむ。
頭を優しく撫でた。
「えらい、えらい。こういう時に叫ぶと碌なことが起きないからねえ」
サラサラとゆっくり頭を撫でる音。
コカブちゃんは緊張した面持ちで手をぎゅっと握りしめ、
まるで人質をとられたかのようにレウスは微動だにしない。
「君たちは、揃いも揃って、えらくないねえ。
夜番中の私語、報告義務の放棄。他にもあるけど、まったくキリがない。
まあ……オレが言えたことじゃないんだけどさぁ」
据わった眼差しのまま、ノーラはやんわりと微笑んだ
レウスはガサガサと雑に低木をかき分け喋りながら、こちらへとやって来る。
「おい、無視すんなよ。何も今すぐ、財布から金寄越せって言ってるんじゃねえ。
それともあれか?キマってるやつは森を目指すっつー…」
怯えるようにしゃがみ込む幼い子供は、歩いてきた騒々しさに耳をピクリと動かすと
顔を上げ「っ、れ、レウス」絞り出すように微かな声を出す。
レウスは自身の名前を呼ぶ幼い子供に、雑な歩みを止め、立ち尽くした。
「ママが、これ、渡してって」
小さな斜め掛け鞄を膝に乗せ、かちゃかちゃと鞄の金具をいじる。
暗がりで上手く開けられないようだ。
聞きたいことは山のようにあるが、ひとまず明るい焚き火の前まで連れ出さなければ。
あまりこちらから近づくと萎縮させて動けなくなってしまう可能性が高い。
考えている間にレウスは俺を押し退けて、幼い子供に近づく。
子供は縋るようにレウスの足元にしがみついて立ち、どうにか歩き出した。
焚き火まで辿り着き、おずおずと火に手を伸ばす。
「あったかぁい……」
明るさと温かさで少し安心したのか、焚き火の前にチョコンとしゃがむ。
灯りを淡く反射している焦茶の短毛と長い髪。
二つ結びを途中から緩やかな三つ編みにして、白いリボンでまとめている。
少女たちの間で流行っている一見簡単そうにみえるが小難しい髪型だ。
ユリウスの持ってきた本に感化された妹たちに「やってやって」とせがまれたが、
うまく結んであげられなかった。
泥道を思い切り走ったのか、衣服や靴には所々泥跳ね汚れがついている。
追いかけた視線の正体がこの少女だったとして、何が目的なのか。どこからやって来たのか。
訊ねる前に、レウスの口が動く。
「……こいつは俺の妹だ。怪しい賊じゃあねえ。
つーか、さっきからジロジロ見過ぎなんだよ、変態」
「人聞の悪い。……妹さんがいたんだな。意外だ」
「いるんだから意外もなにもねえだろうが。んなことより、コカブ。
香袋はどうした?そのままの姿で出歩いたらどうなるか、わかってるだろ」
普段の怒りっぽいものとは違った、諭すような声色でレウスは話しかける。
コカブと呼ばれた少女は、羽織ったマントのポケットから
花の刺繍が施された小袋を取り出し、自身の鼻を埋める。
レウスは小袋を睨みつけ「貸してみろ」とつまみ上げた。
袋の紐を緩めると、どこかで嗅いだ事のある厳かで優しい香りが辺りにほんのり漂った。
「古くはねえな……鼻がきかなくなったのか?」
「うーん……わかんない。急に効かなくなっちゃった……。あのね、ママが」
何気なくこちらを見ると、言いかけた言葉を飲み込み、
慌てて衣服に着けられた頭巾を被り直す。
深く被った頭巾の下から不思議そうにこちらを伺い、尋ねる。
「わたしのこと、こわくないの……?魔物って……いわない……?」
目の前の少女は、自身と魔物を並べた。
思いもよらない言葉に当惑していると、
レウスはフンと鼻を鳴らし、嫌味ったらしく口角をあげる。
「こいつは未開地の田舎者だからな。考え方にズレがあんだよ」
生まれ育った故郷は陸の孤島と通称される田舎ではあるが、
人に改めて指摘されると何故だかモヤモヤしてくる。
「たしかに田舎だけど、未開は言い過ぎだ。
今いる東の領土内に存在しているし、ここから10日程度歩けば、すぐ着く距離だ」
「歩いて10分みたいな感覚で言ってんじゃねえっ。どうせ木ばっかで何もねえんだろ」
「崖と川もある。川には魚がいるし土壌は王都よりも良いんだからなっ」
ふふ、と小さな笑い声が溢れた。
「お兄さんのいなか、わたしのいる村と似てるかも。
こないだ川でお魚釣りしたんだ。焼き魚にしてみんなで食べたの」
「いいね、焼き魚。焼くなら魚だよね。ところで、えーっと。
コカブちゃんは、どこから来たの?」
「リュネイア村だよ。教会の裏山を登った崖のとこに色んなお花が咲いてて、すっごくキレイなんだ」
やっと本題に入れた。安心したのも束の間。
これから向かう目的地の名前を嬉々と告げられる。リュネイア村の記憶にコカブちゃんの姿はない。
焚き火に照らされているにもかかわらず、レウスの顔色から血の気が引いていく。
足元でしゃがむコカブちゃんから一瞬、目を逸らしたが、すぐに見据える。
「南の領土で世話になってるって話はどうした。……いつからだ、いつから居る」
「……2年前。最初から決まってたんだって。
王都じゃ誰が聞いてるかわからないからって司祭様とママがいってた。
わたしやみんなに似た人たちがたくさんいるから、
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全員参加の会議の時に見せただろう。他のものとの違いは……地図くらいかな」
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手負いにも関わらず迷うことなく魔物をとらえ、真っ直ぐに森の中へと向かう焦茶の熊。
すぐさま追いかけたが、足跡どころか痕跡すらも無く、
不可解だけを残して消えた。
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受け取る人の家族かお友達が、その人にちょくせつ届ける約束になってるよ」
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「これ。ママが騎士団の人に見せてって。
わたしが一番、遠くが見えて足が速いからって、みんなが任せてくれたんだ。
騎士団の人は知らないから……レウスのことを探して。
そしたらお昼にみつたの。けど、ずっと、見てくる目が、追いかけてきて……。
こわくて……逃げてたら……そしたら、夜になっちゃって……」
正面に陣取るレウスは犯人を見つけたかのように睨んできた。
「てめえかよ。余計なことしくさって」
「何者かわからなかったんだから、警戒するのは仕方ないだろ」
「えっ。あの目、お兄さん、だったの……?
……。わたしもお兄さんのこと、こわがらせちゃったんだ。ごめんね」
「気にすんなコカブ。こういう奴は一回でも気にしたら図に乗るからな」
「乗ってるつもりはないけど」
「タチ悪りい」
レウスはコカブちゃんの手元からサッと手紙を取り上げ、封をあける。
封を閉じたまま団長に渡すという発想は初めからないようだ。
独占するような状態で見ているが、なんとか覗き込む。
走り書きの文字を、レウスは指でゆっくりとなぞる。
「ママが今日の朝、急いで書いてたよ。だからちょっと読みづらいかもっていってた」
「目がみえねえくせに、相変わらず器用なこった。
あ?じう、の……みつかい?」
見慣れない単語に、文字を追う指が一旦止まる。
「慈雨は日照り続きの時に降る雨のことだよ。みつかいは……なんだろうな」
「慈雨の御使。カルトだよー。王都でも上層で流行ってたねー」
唐突に、緩やかな声色が会話に混じる。
「ノーラ……」
「どうも。まだ交代の時間じゃないんですけどー。
楽しげなおしゃべりが聞こえちゃったもので」
よほど手紙に熱中していたのか、近づく足音すら聞こえなかった。
声をあげることなく、各々静かに身を震わせる。
恐怖でかたまったコカブちゃんの前にノーラはしゃがみこむ。
頭を優しく撫でた。
「えらい、えらい。こういう時に叫ぶと碌なことが起きないからねえ」
サラサラとゆっくり頭を撫でる音。
コカブちゃんは緊張した面持ちで手をぎゅっと握りしめ、
まるで人質をとられたかのようにレウスは微動だにしない。
「君たちは、揃いも揃って、えらくないねえ。
夜番中の私語、報告義務の放棄。他にもあるけど、まったくキリがない。
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