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「こんな…終わりかた…?」
あまりの情けなさに俺は、膝から崩れ落ちた。
暴虐の限りを尽くす魔物に対抗するため
神からの啓示を受けた7人を中心に騎士団が結成された。
苦しみから人々を解放する旅をする中で、大いなる存在の居所をつかみ、目前という時だった。
この先は更なる危険に満ち溢れ何が起きるかわからない。
野営地でささやかな宴会をひらき、英気を養っていた。
はずだった。
「僕はもうついていけない」
啓示を受けた者の1人、最年少のユーノがそう呟くと
団員たちは光に包まれそのまま粒子になり消えていく。
一際大きな光が団長のいるテントからあふれた。
「なにをした!」
レウスがユーノの胸ぐらを掴む。彼も啓示を受けた1人だ。
「なにって…それは貴方たちが一番わかっているんじゃないですか?」
悲痛な表情を浮かべながら彼の手を、汚いものに触れるように振り払うと、
レウスも光に包まれだす。
「今すぐとめろ!お前まで、おかしなことすんじゃねえよ!」
優しく穏やかで夢見がちなキラキラした目をもつ少年は
今は空気をも凍らせるほどに冷ややかな目で団員だった光の粒子を眺めていた。
「ユーノ!」
俺は異様で美しい光景の中、やっと声を絞り出す。
「副団長」
「この光は……」
「皆さんの治療の際に祈りをこめたんです。
苦しみから彼らをお救いくださいって。交わると…光の元へ行く様に」
ユーノはその場にへたり込むと、静かに涙を流しなが空を見上げ、
俺に対してなのか…騎士団へと誘ったユーノの神にたいしてなのか
どちらともつかない様子で、話し始める。
「村の…教会にお勤めしていた時、庭で犬が交わっていたんです。
汚れた行為だと、僕は思いました
触れ合いも家族も、汚れだと…教会ではそう教わりましたから。
けれど導師様は、それは生命を繋ぐ尊い行為だと教えてくださいました。
思い合う事は尊く、それは愛だと…。そして色々な形があるとおっしゃっていました。
啓示があって……学びの機会といって送り出してくれました。
騎士団にやってきて、僕は色々な愛の形に触れました」
団長のいるテントの様子が気になるが、何が起きているかも分からず、
ただ、ただ、ユーノの話を聞くしかなかった。
「騎士団の人たちは、団長を頼めばやらせてくれる都合がいいあなだと言っていました」
「はあ!?」
急な言葉に思わず声をあげてしまう。
たしかに団長は何でもかんでも引き受ける節があったし、
雑用係だなんだと揶揄されることもあった。
だからって、騎士団どうなってんだ。
困った団長と血気盛んな団員の間を取り持ち、
目を光らせ雑務をこなすのが俺の仕事のはず、だった。
喧嘩の仲裁だって、悩みを抱えた者の話だって聞いてきたつもりだったのに。
俺は一体、何を見てきていたんだ?
「ある時、森からうめき声が聴こえてきて………。
団長と団員の方達が交わっていました。
蜘蛛の子を散らすようで…誰かはわかりませんでした。けれど沢山いました。
団長は血まみれでうずくまっていました。
いつ死ぬかもわからない状況で恥を捨てて頼んできた者を無碍にはできないって。
いずれ飽きるといってたけれど……。
僕は、そうは思えない……。
団長が傷つくのも、団員同士で争い傷つくのも、
それを止めるために副団長が……。あなたが……。
怪我をするのも、疲弊していくのも、もう見たくない。
あのね、こんなこと言ったら。
気持ち悪いって思われるかもしれないけど。
あなたの事をお兄さんって思ってたんです」
魔物とお友達になりたい。
いつかわかりあえる。今は違うかもしれないけれど…。
夢見たいな事を言う輝きが一瞬、戻ったかのようだった。
「家族って、わからないけど」
駆け寄ろうとする俺の足に光の粒子が絡まり、情けなく転倒する。
魔物のためにも祈りを捧げる優しい子を、正義の騎士団は追い込んでしまっていた。
ユーノはレウスの消えた後に残された小刀をそっと拾う。
「ユーノ………!!」
やめてくれ。
だめだ。
それだけはやめてくれ。
「あなたといると……わかると、想えた」
微笑みながら自らの喉元に小刀を突き立て、そのまま思い切り横へとひく。
喉元からヒュッと小さな音をたて崩れ落ちた。
「あ、あああ、あ…」
足元に絡まったものが消えた。
まだ温かなユーノに近づき彼を抱える。
涙で濡らした目の下にはうっすらとクマが浮かんでいた。
もっと彼の話を聞いていたら、もっと騎士団を見ていたら。
団長はなにがしたかった?いつから狂った?
何故、俺は気づかなかった?団員たちはもういない。
こんな終わり方…。
明るい世界から突然、暗黒に1人投げ込まれる。
俺も壊れたのだろうか?ただ、そこはどこか見慣れた暗黒だった。
「啓示の…時だったか…」
『あなたは…これで良いのですか?』
「いいわけないだろうが!!」
啓示の時に聞いた、冷静な女性のような声が響く。
「見ていたのか?なんで?どうして……。
それともこういうのが好みなのか?ふざけんな…なんで、こんな……っ…」
神と伝えられるものに言葉を吐き捨てようとするが殆ど嗚咽になってしまった。
『あなたには、授けたはずですよ。見通す目を。聞き伝える力を……あら』
集中し続ければ広範囲で何が起きているのか把握し、離れた音を聞き伝える力。
『あなたは、力を使っていない。自ら、行使していない』
「……魔の使いだと疑われる。易々と使えるかよ…」
『ユーノや村の子にはよく使っていたではありませんか』
団員達が妖精がいるという彼らをからかった時だった。
言い出しっぺのユーノが村の子供たちから嘘つきと言われている事に耐え切れず
その場限りとはいえ俺は妖精さんを演じて見せた事があった。
『ミンナ、ヨウセイハ、イナイッテ、カナシイコトイウンダネ!イルヨ!』
「あ!ユーノの言う通りだぁ!?頭から声がする!」
「わ、わ、へんなかんじっ…」
「なんでなんで!なんでいつもお話ししてくれないの~!」
『えっ!?あー…ボクラハ、ハズカシガリ、ナンダ!
ジャアネ!コノコトハヒミツダヨ!』
実際に声を出さず相手に伝えられる力は、何故か喉は疲れるし裏声を出せば痛んだ。
それでも、せっかく同い年の子達と交流できる機会を潰させたくない。
「ユーノごめんね。嘘つきっていって」
「もしかして、妖精さんとお話ししたんですか?」
「ヒミツ、なんだけどね」
「変なこえだったよ」
子供の仲直りはあっさりとしている。
かくれんぼに誘われたユーノは何かに気づいてこちらを見て会釈した。
「ふくだんちょーさんも仲間にいれてあげる!」
「おにね!」
「お、おお。よし!数えるぞ!ユーノも早く隠れなさい」
「副団長………。僕が泣いてた時の妖精さんは…そうか………秘密ですね」
治療師として騎士団に配属されたユーノの団服は白かった。
治療する時、団員が不快な気持ちにならないようにと
神経質なまでに清潔を保っていた。
村の子達と団服の裾を土で汚しながら楽しげに、思い切り遊ぶ様子は
どこにでもいる子となんらかわりない。
それからも人形劇だのなんだのでこの力は使った。
団員からはただただ不気味がられた力も子供達にはかなりウケが良かった。
あの景色を守りたいと心から願っていたのに…。
「………願っていた気に……なっていた、だけ」
聞いて、見て、考えて。
その気に、なっていただけ。
フリをしていただけ。
『使いなさい。あなたには惑わされない心があるのですから』
「使うって今更………死んでいるんだろう…」
床があろう場所を力無く、叩く。
それもフリなのか。もはやわからない。
『あなたはまだ。生きているじゃありませんか』
唐突に、狭い隙間に押し込められ、ひたすら揺らされる感覚に陥る。
どこかで経験したことがある。
だが、あまり何度も経験したくないものだ。
『成し遂げるまで、あなたに死は訪れない』
口元が歪む。
自身のことなのに。
笑っているのか、悲しんでいるのかも分からない。
『……逆しまに時を戻します。
人の想いを継ぐ力は、希望にも呪いにもなりうる。
あなた方には希望を見出して欲しいのです』
「都合が…いいな……みんなのためになる……」
まだ生きられるのか。
この状況で。
生きないと。
『………。変わりませんね 』
空に投げ出され、地面に思い切り身を打ち付けた。
「がっ…」
「は!?さっき村長の所に行ったんだろ!?」
「う、ここは…」
「…ネアの村。……てめぇ驚かせやがって」
口の悪い青年は降ってきた俺を訝しげ足でつつく。
この態度の悪さはレウスしかいない。
「人を、足でつつくんじゃない……」
ネアの村はまだ魔物と直接出会う前に訪れた最初の村だ。
レウスの後ろにいる団員たちも、ざわつく。
こいつらみんな…。
あーあー…。考えたくない……。
いやまだ、わからない。
まだコトが起きているかわからない。
何もしなければ起きてしまう。
「子供を追い込むような……くだらないこと、起こさせない……」
レウスが不思議そうに顔を覗きこむ。
「なにぶつぶつ言ってんだ。変なヤツ」
こいつも……光って消えてたな……。
随分時間がかかっていたけど。
奥の家から悲鳴とバタバタという音が響き、ドアが思い切りあく。
中から出てきた女性がこちらに駆け寄ってきた。
「副団長さんはいらっしゃいますか!?副団長さんが神隠しにあったと父が…!」
「す、すみません!すぐ伺います!」
神の気まぐれなのだろうか?
悲劇を回避するにはどうすれば?
まとまらない考えを巡らせながら、俺は村長の家へと向かった。
あまりの情けなさに俺は、膝から崩れ落ちた。
暴虐の限りを尽くす魔物に対抗するため
神からの啓示を受けた7人を中心に騎士団が結成された。
苦しみから人々を解放する旅をする中で、大いなる存在の居所をつかみ、目前という時だった。
この先は更なる危険に満ち溢れ何が起きるかわからない。
野営地でささやかな宴会をひらき、英気を養っていた。
はずだった。
「僕はもうついていけない」
啓示を受けた者の1人、最年少のユーノがそう呟くと
団員たちは光に包まれそのまま粒子になり消えていく。
一際大きな光が団長のいるテントからあふれた。
「なにをした!」
レウスがユーノの胸ぐらを掴む。彼も啓示を受けた1人だ。
「なにって…それは貴方たちが一番わかっているんじゃないですか?」
悲痛な表情を浮かべながら彼の手を、汚いものに触れるように振り払うと、
レウスも光に包まれだす。
「今すぐとめろ!お前まで、おかしなことすんじゃねえよ!」
優しく穏やかで夢見がちなキラキラした目をもつ少年は
今は空気をも凍らせるほどに冷ややかな目で団員だった光の粒子を眺めていた。
「ユーノ!」
俺は異様で美しい光景の中、やっと声を絞り出す。
「副団長」
「この光は……」
「皆さんの治療の際に祈りをこめたんです。
苦しみから彼らをお救いくださいって。交わると…光の元へ行く様に」
ユーノはその場にへたり込むと、静かに涙を流しなが空を見上げ、
俺に対してなのか…騎士団へと誘ったユーノの神にたいしてなのか
どちらともつかない様子で、話し始める。
「村の…教会にお勤めしていた時、庭で犬が交わっていたんです。
汚れた行為だと、僕は思いました
触れ合いも家族も、汚れだと…教会ではそう教わりましたから。
けれど導師様は、それは生命を繋ぐ尊い行為だと教えてくださいました。
思い合う事は尊く、それは愛だと…。そして色々な形があるとおっしゃっていました。
啓示があって……学びの機会といって送り出してくれました。
騎士団にやってきて、僕は色々な愛の形に触れました」
団長のいるテントの様子が気になるが、何が起きているかも分からず、
ただ、ただ、ユーノの話を聞くしかなかった。
「騎士団の人たちは、団長を頼めばやらせてくれる都合がいいあなだと言っていました」
「はあ!?」
急な言葉に思わず声をあげてしまう。
たしかに団長は何でもかんでも引き受ける節があったし、
雑用係だなんだと揶揄されることもあった。
だからって、騎士団どうなってんだ。
困った団長と血気盛んな団員の間を取り持ち、
目を光らせ雑務をこなすのが俺の仕事のはず、だった。
喧嘩の仲裁だって、悩みを抱えた者の話だって聞いてきたつもりだったのに。
俺は一体、何を見てきていたんだ?
「ある時、森からうめき声が聴こえてきて………。
団長と団員の方達が交わっていました。
蜘蛛の子を散らすようで…誰かはわかりませんでした。けれど沢山いました。
団長は血まみれでうずくまっていました。
いつ死ぬかもわからない状況で恥を捨てて頼んできた者を無碍にはできないって。
いずれ飽きるといってたけれど……。
僕は、そうは思えない……。
団長が傷つくのも、団員同士で争い傷つくのも、
それを止めるために副団長が……。あなたが……。
怪我をするのも、疲弊していくのも、もう見たくない。
あのね、こんなこと言ったら。
気持ち悪いって思われるかもしれないけど。
あなたの事をお兄さんって思ってたんです」
魔物とお友達になりたい。
いつかわかりあえる。今は違うかもしれないけれど…。
夢見たいな事を言う輝きが一瞬、戻ったかのようだった。
「家族って、わからないけど」
駆け寄ろうとする俺の足に光の粒子が絡まり、情けなく転倒する。
魔物のためにも祈りを捧げる優しい子を、正義の騎士団は追い込んでしまっていた。
ユーノはレウスの消えた後に残された小刀をそっと拾う。
「ユーノ………!!」
やめてくれ。
だめだ。
それだけはやめてくれ。
「あなたといると……わかると、想えた」
微笑みながら自らの喉元に小刀を突き立て、そのまま思い切り横へとひく。
喉元からヒュッと小さな音をたて崩れ落ちた。
「あ、あああ、あ…」
足元に絡まったものが消えた。
まだ温かなユーノに近づき彼を抱える。
涙で濡らした目の下にはうっすらとクマが浮かんでいた。
もっと彼の話を聞いていたら、もっと騎士団を見ていたら。
団長はなにがしたかった?いつから狂った?
何故、俺は気づかなかった?団員たちはもういない。
こんな終わり方…。
明るい世界から突然、暗黒に1人投げ込まれる。
俺も壊れたのだろうか?ただ、そこはどこか見慣れた暗黒だった。
「啓示の…時だったか…」
『あなたは…これで良いのですか?』
「いいわけないだろうが!!」
啓示の時に聞いた、冷静な女性のような声が響く。
「見ていたのか?なんで?どうして……。
それともこういうのが好みなのか?ふざけんな…なんで、こんな……っ…」
神と伝えられるものに言葉を吐き捨てようとするが殆ど嗚咽になってしまった。
『あなたには、授けたはずですよ。見通す目を。聞き伝える力を……あら』
集中し続ければ広範囲で何が起きているのか把握し、離れた音を聞き伝える力。
『あなたは、力を使っていない。自ら、行使していない』
「……魔の使いだと疑われる。易々と使えるかよ…」
『ユーノや村の子にはよく使っていたではありませんか』
団員達が妖精がいるという彼らをからかった時だった。
言い出しっぺのユーノが村の子供たちから嘘つきと言われている事に耐え切れず
その場限りとはいえ俺は妖精さんを演じて見せた事があった。
『ミンナ、ヨウセイハ、イナイッテ、カナシイコトイウンダネ!イルヨ!』
「あ!ユーノの言う通りだぁ!?頭から声がする!」
「わ、わ、へんなかんじっ…」
「なんでなんで!なんでいつもお話ししてくれないの~!」
『えっ!?あー…ボクラハ、ハズカシガリ、ナンダ!
ジャアネ!コノコトハヒミツダヨ!』
実際に声を出さず相手に伝えられる力は、何故か喉は疲れるし裏声を出せば痛んだ。
それでも、せっかく同い年の子達と交流できる機会を潰させたくない。
「ユーノごめんね。嘘つきっていって」
「もしかして、妖精さんとお話ししたんですか?」
「ヒミツ、なんだけどね」
「変なこえだったよ」
子供の仲直りはあっさりとしている。
かくれんぼに誘われたユーノは何かに気づいてこちらを見て会釈した。
「ふくだんちょーさんも仲間にいれてあげる!」
「おにね!」
「お、おお。よし!数えるぞ!ユーノも早く隠れなさい」
「副団長………。僕が泣いてた時の妖精さんは…そうか………秘密ですね」
治療師として騎士団に配属されたユーノの団服は白かった。
治療する時、団員が不快な気持ちにならないようにと
神経質なまでに清潔を保っていた。
村の子達と団服の裾を土で汚しながら楽しげに、思い切り遊ぶ様子は
どこにでもいる子となんらかわりない。
それからも人形劇だのなんだのでこの力は使った。
団員からはただただ不気味がられた力も子供達にはかなりウケが良かった。
あの景色を守りたいと心から願っていたのに…。
「………願っていた気に……なっていた、だけ」
聞いて、見て、考えて。
その気に、なっていただけ。
フリをしていただけ。
『使いなさい。あなたには惑わされない心があるのですから』
「使うって今更………死んでいるんだろう…」
床があろう場所を力無く、叩く。
それもフリなのか。もはやわからない。
『あなたはまだ。生きているじゃありませんか』
唐突に、狭い隙間に押し込められ、ひたすら揺らされる感覚に陥る。
どこかで経験したことがある。
だが、あまり何度も経験したくないものだ。
『成し遂げるまで、あなたに死は訪れない』
口元が歪む。
自身のことなのに。
笑っているのか、悲しんでいるのかも分からない。
『……逆しまに時を戻します。
人の想いを継ぐ力は、希望にも呪いにもなりうる。
あなた方には希望を見出して欲しいのです』
「都合が…いいな……みんなのためになる……」
まだ生きられるのか。
この状況で。
生きないと。
『………。変わりませんね 』
空に投げ出され、地面に思い切り身を打ち付けた。
「がっ…」
「は!?さっき村長の所に行ったんだろ!?」
「う、ここは…」
「…ネアの村。……てめぇ驚かせやがって」
口の悪い青年は降ってきた俺を訝しげ足でつつく。
この態度の悪さはレウスしかいない。
「人を、足でつつくんじゃない……」
ネアの村はまだ魔物と直接出会う前に訪れた最初の村だ。
レウスの後ろにいる団員たちも、ざわつく。
こいつらみんな…。
あーあー…。考えたくない……。
いやまだ、わからない。
まだコトが起きているかわからない。
何もしなければ起きてしまう。
「子供を追い込むような……くだらないこと、起こさせない……」
レウスが不思議そうに顔を覗きこむ。
「なにぶつぶつ言ってんだ。変なヤツ」
こいつも……光って消えてたな……。
随分時間がかかっていたけど。
奥の家から悲鳴とバタバタという音が響き、ドアが思い切りあく。
中から出てきた女性がこちらに駆け寄ってきた。
「副団長さんはいらっしゃいますか!?副団長さんが神隠しにあったと父が…!」
「す、すみません!すぐ伺います!」
神の気まぐれなのだろうか?
悲劇を回避するにはどうすれば?
まとまらない考えを巡らせながら、俺は村長の家へと向かった。
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