しゃぼん玉

来世また散って、寂しく街灯を眺めましょう。

あなたの言葉に初めて触れたときを、きちんと覚えている。馴れ初めなんかもきちんと覚えている。どれだけ思い出を大切にしたって、本人を大切に想ったって、それでその人が楽になるわけではないのだ。

鬱病を、心の病を、私はきっと一生恨むんだろう。

助けるとか助けないとかじゃないのだ。
助けられたから休まるわけじゃないのだ。
喪失感でいっぱいになったゴミ箱を背負いながら、あなたは言葉を生み出していたのに。

だから、エアリプが嫌いだ。
あなたの優しい優しい心を痛めつけたあの言葉。
誰宛かもわからない、言葉のナイフが簡単に突き刺さるほど弱っていたのに。不特定多数の言葉であふれている此処は、どれだけ辛かったろう。

もうこの命を持っている限りは、きっと巡り合わないんだろうってことがわかる。来世はカエルとめだかかもしれない、セミと犬かも知れない。

それでももし、巡り合えたら今度こそはきちんと会ってみたいと思う。本を送りあえるような命に生まれ変われたらいいよね。わからないけど。

切り刻まれた言葉が散って行くとき、スローモーションだった。ゆるり、ゆるりと確実に深く傷をつけていく。


さ

　　　　　　よ

な　　　


　　　ら