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七日間
しおりを挟む目の前にいる人が
自分の代わりに死んでくれないか、と思う
飛び回れる時期には期限があって
生まれた時から時限爆弾付きの命は
七日で終わるらしい
どうせなら過ごしやすい時期に
と思いながら、夏の太陽を見上げている
この命に生まれ変わってもう何回目だろうか
ループする
一度目にセミに生まれた命は
二度目も三度目も四度目もセミにしかなれない
似たような木の表面にしがみつきながら
それでも鳴くことをやめられない
生きている証が僕らにとっては声だから
ジジジジと太陽が焦げるみたいな音して
だんだんと静まっていく夏を
僕を見上げる仲間は
どんなふうに見つめているだろうか
どうか次は、次こそは
七日で終わらない命をもらえますように
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