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不確かな予定調和
しおりを挟む行けたら行くといってそのまま
返事が来ることがなかった
既読のついた吹き出しを見つめては
画面を真っ黒にするを繰り返して
何度も何度も携帯を見つめる度切ない
真っ黒になった携帯に映る
自分の惨めな顔が頭に焼き付いてる
私との約束を守れないあなたは
いつも私にできない約束だけ置いていく
その見えない約束を
ずっと抱きしめて待ってる
お気に入りのブランケットを抱きしめなきゃ
眠れない子どもみたいに
あんなに愛してくれたのに
本当に大事なものはきっと違うところに
置いてあるのね
今電話をかけたらルール違反だと叱られるだろうか
携帯の向こう側にいる誰かに
驚くほど嫉妬をしている私を見て
あなたは「気持ち悪い」というだろうか
愛されなくなったら愛人なんて終わりだ
天井を見つめていると左手が揺れた
明るくなった携帯を見つめて
表示されたあなたの名前にうんざりする
それでも通話ボタンを押して
「ごめんね、また調整するから」
会いたいなんて一言も言われてないのに
声を聞くだけで落とし穴に落ちたみたいに
他は何も聞こえなくなる
限りのある少量の愛に、私は溺れて
息が切れそう
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