しゃぼん玉

をかや れいと

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白シャツと筋肉

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ガラス越しに見えるあなたの背中を見るだけで

もう好きだとわかっていた


白シャツに浮き出る肩甲骨や、背筋の形

その袖から出る腕に浮き出す血管も

整髪料が塗られた黒い艶のある髪の毛も

すれ違った時にする柔軟剤の香りも


含めて、全部あなたで

含めて、全部見惚れてしまうほど

私は俯いて口を固く結んで
この想いを声に出したら終わりだと思った


向かい合って言葉を交わすと

その瞬間だけ時計が少し狂ったみたいに

時間の間隔が遅くなる

あまり身体に触れないあなたと指先があたると

その部分だけしびれたみたいになった

すれ違った車にあなたが乗っているのを見るだけで

今日生きてて良かったと思える

大袈裟に幸せな恋愛をしていた
尚、思う
打ち明けたらもう元に戻れないと


笑う時に少し目線を外すところ

プロテインとジムが馬鹿みたいに好きで

朝ごはんはオートミール

夜ご飯は茹でたささみとオートミール

映画が大好きで

そしてあなたは彼女が大好きだった

一度だけと懇願したデートは虚しくなるだけで
言わないと決めたのに告白したから
明るい居酒屋で慰められてただただ辛かった

家まで送るよとふらついた私を掴んだ

あなたの腕が

香る匂いが

不意に蘇って私は失恋したと思い知る

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