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ダストボックス
しおりを挟む容量は満タン
これ以上に吐き出せません
浮いた蓋を見つめて傍観する
中にあるゴミを、丁寧に丁寧に思い出す
誰かに言われたことば
不特定多数のものを必死にかき集めて
ゴミ箱に捨てた
傷ついた夜の涙
199円のティッシュに染み込ませて
なるべく小さくして捨てた
何時間もかけて集めた掃除機の中身
拭き取った埃
かき集めた髪の毛
同類のゴミだ
もうどこにも捨てることのできない塵が
溢れ返っているのを
見て見ぬフリ
天井ばかり見るようにしていた
この部屋が丸ごとゴミ箱なら
私もその一部になるのに
左側で動く何かが止まればきちんと
私もゴミになれるのに
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