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夏
しおりを挟む夏はいい
日差しがとても強いから
どの季節よりも生きてる心地がする
じりじりと肌が焼けている感覚
あぁ、きちんと太陽に照らされている
夏はいい
セミの声で何もかも聞こえなくなる
うるさいバイクの音も
責め立ててるくるダレカの声だって
震わせたようなセミの声で埋もれる
夏はいい
水がきちんと水になる
空がきちんと空になる
水がしぶきになっていいのは夏
空が青くなったのもきっとはじめは夏
夏はいい
いらないものは全て放り出せる
いろんなことを抱えたりできない
放り出してだらけていられる
暑さで全てがゼロになるから
夏はいい
夜が来るのが早いから
太陽が顔を隠した瞬間に
訪れる闇が深いから
闇に滲む光が眩しい
夏はいい
生まれたのが夏だから
馬鹿みたいにスイカも食べたし
サイダーも飲んだ
ガラス玉に反射した虹色を忘れない
夏はいい
夏はきちんと終わりがあるから
春も秋も冬も終わりがないのに
夏はきちんと終わるから
待ち遠しくなる
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