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暗闇の星
しおりを挟む悪い癖だと知っている
重々、私が一番にね
眠れない夜に電話をしてしまう癖
ぼやけた目線の先に
天井突き抜けて夜空が見える
そこに手を伸ばして
絶対届かないって分かってながら
掌の中にすっぽり入った時
子どもみたいに嬉しくなって
ぎゅうって手を丸めてみる
はみ出した星の端
あぁ、だめだ、声が聞きたい
何度、コール音なったとしても
繋がらないのはわかっているのに
ベッドの上で泣きじゃくっている
私が一番にね、知っているよ
あなたよりも随分と大人なのに
本当はすっごく子どものままなこと
天井の先にある夜空から
涙で滲むと星が降ってくるみたいに
どんどんどんどん
眩しくて キラキラして
キラキラして
キラキラして
いつも、いつも
この夜がなくなりますように
なかったことになりますようにって
朝起きて思うんだよ
あなたに電話しちゃったことも
あなたから折り返しがないことも含めて
全部ゼロになって
もう今度こそは
手を伸ばしたりしませんようにって
天井を突き抜けて夜空なんて
見えませんようにって
もし夜空が見えちゃったとしても
星なんか見えませんように
ずっと曇っていたらいいよって
思って
それだけ思ってるから、忘れないで
忘れないでねって
小さく祈ってる私の、悪い癖
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