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日常は流れて
しおりを挟む決まった時間に
目覚めることのもったいなさ
逆を言えば
決まった時間に目覚めることの
有り難みみたいなもの
その両方を知った日々
日常に無関心になれるのは
そこに居座る全てが
当たり前でいてくれるからだ
関心を持たざる得なくなるのは
当たり前が次々とサヨナラを告げて
自分のそばを去っていく時
何をしてたって体の表面が
ひんやりと強張ってしまうよ
いつもなら泣かないはずなのに
というタイミングで涙がこぼれるのも
私がおかしいんじゃなくって
きっと私を包んでいた
日常が変化したからでしょう
今まで気にならなかった歴史や
流れやルーツみたいものが異常に気になった
それはきっと私が生きてきて初めて
終わりを意識したからだ
そう思えば
今までの日常は
毎朝決まった時間に起きて
大体決まった時間に眠って
同じだけ働いたり
同じだけ頑張ったり
食べたり、飲んだりしていたけれど
全てが終わると思わずに
これがずっと
本当に心底嫌になってもずっと
続いてしまうんだ、と嘆いたりもしたのに
続かないんだと思った途端に
価値のなかったものに価値が生まれて
価値があったと思っていたものは
たちまちに色を失ったよ
自分をなくそうと思えばいつでも
失えるぐらい
人生にがっかりできる
当たり前の溢れる日常が流れて
流れて、流れて
流れた先にいた私は
やっぱりひとりぼっちだった
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