しゃぼん玉

ゆで卵と日常

家に帰ると、一人の時よりも
誰かがいたっていう温もりが残る

二人で暮らすとそういう
いないときにも感じる喜びってものが
あるんですね

何でもない夜ご飯の時間も
あなたが帰ってくると思うだけで
少しそわそわしてしまって

TVつけてみると面白い番組は
録画して後回しにしちゃう
一人で見るくらいなら
あなたと一緒に笑ってみたいから

お風呂に入って二つ並んだ歯ブラシ
そういや途中から一緒に暮らし始めたから
あなたのはこっちに一つしかないよね
私は洗面所にも、もう一つあるのに

また買ってこよう
なんでも一緒がいいよ

お弁当作るとき、お昼どんな顔して
食べてくれるんだろうって想像する

あぁ、私どうしちゃったんだろう
あなたと暮らしだしてから
すっかり私じゃないみたいに

ぐつぐつとゆで卵を茹でる鍋から
湯気が上がると
急に泣きそうになるよ

一緒に暮らしてくれてありがとう

私あなたに
きちんと伝えられているだろうか

仕事終わり少し匂う靴下も
馬鹿みたいに食べた後ご飯残しちゃうのも
怒ってばかりで


当たり前になることが当たり前になってる

強欲な自分に驚いて
すっかり蒸発した鍋から覗くゆで卵

殻が割れて、白身がはみ出てる