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作り話
しおりを挟む張り付いた仮面のような顔で
笑う私が話すことはほとんど嘘です
その8割が作り話です
仕事をする上でのエピソードって
真偽を問われることないから
作り話でも問題ないと思ってます
隣の○○さんもそうおっしゃってました
3年前にこんなお客様がいて
同じようなことでお困りになられてました
共感するように眉を下げて
満面の笑みまでいかない表情で
そうして仕事を終えた後の私は
本当にからっぽになります
無表情で電車に乗って
はげたおじさんの頭見て
うとうと眠るスーツ着た人の向こうに
ガラス越しに映る自分を見て
どうかしてる、と思う
ここまでして
働く意味ってなんだろうと思う
人の前で胸を張ったフリをして
やりがいとは何かを語ることが出来る
たくさんの人の前で
仕事を通して得た感動について話して
多くの共感を得られる自信がある
でもそれらが私を彩ることはないよ
張り付いた仮面みたいな顔が
いつか本当に自分になるんじゃないかって
怯えてる
死んだみたいなこの目が
奥の方に潜む輝きをいつか濁すんじゃないかと
お金なのか、愛なのか、仕事なのか
何年生きても自分を満たすものを知らない
ずっと空腹で、ずっと足りない
無気力で、からっぽで
リミッターが外れたのはいつ?
最後に笑ったのはいつなんだろう
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