34 / 149
こちらの世界から
しおりを挟む
こちらの世界は朝も夜もありません
空の色はころころと変わるけど
僕にはもう「ねむたい」という
感情はありません
下をのぞく穴は
たまにしか見せてもらえない
それでもお前の顔は
いつもすっきりしていなくて
同じ映像を見ているのかと
たまに驚くんだよ
白い息を吐いたお前が
それにつられて空を見るとき
目があったりするんだ
僕は内心どっきりするよ
見つかってしまったんじゃないかって、
笑ってしまったりするんだ
朝の駅までの道で三回
バス停までまでの道で三回
晴れてる校庭の真ん中だったりすると五回
そんなにしょっちゅう目が合うんなら
僕は今の方が幸せなような気さえする
お前が朝目覚めて動き出す前に
僕は間違っても下をのぞいたりしない
そしてお前が眠りにつく前に
僕は下への穴を閉じるんだ
彼の腕に包まれて、彼の寝息に包まれて
こっそり泣いて
名前を呼んだりしないで
こちらの世界では
涙を流すと消えてしまうんだよ
だから笑って、一日を終えて
空の色はころころと変わるけど
僕にはもう「ねむたい」という
感情はありません
下をのぞく穴は
たまにしか見せてもらえない
それでもお前の顔は
いつもすっきりしていなくて
同じ映像を見ているのかと
たまに驚くんだよ
白い息を吐いたお前が
それにつられて空を見るとき
目があったりするんだ
僕は内心どっきりするよ
見つかってしまったんじゃないかって、
笑ってしまったりするんだ
朝の駅までの道で三回
バス停までまでの道で三回
晴れてる校庭の真ん中だったりすると五回
そんなにしょっちゅう目が合うんなら
僕は今の方が幸せなような気さえする
お前が朝目覚めて動き出す前に
僕は間違っても下をのぞいたりしない
そしてお前が眠りにつく前に
僕は下への穴を閉じるんだ
彼の腕に包まれて、彼の寝息に包まれて
こっそり泣いて
名前を呼んだりしないで
こちらの世界では
涙を流すと消えてしまうんだよ
だから笑って、一日を終えて
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説


私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。


【完結】待ってください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。
毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。
だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。
一枚の離婚届を机の上に置いて。
ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。


邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる