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おと
しおりを挟むもうほんとに今更かもしれないけど
月日が経てば経つほど
関わる時間が長くなればなるほど
あなたへの想いが
冬にうっすら、でも確実に積もっていく
雪みたいに
いつも電話をするときは
声が聞きたくなる時で
変な気になっちゃいけないし
恋人でもなんでもないから
声が聞きたくなったなんて
絶対言わないけど
言わなくても
あなたもしっかりわかってて
わかってて、何も言わないでいてくれて
気がすむまで声を聞かせてくれる
昔のことだって気を遣わずに
懐かしむこともなく
きちんと話せる間柄でいてくれることで
私の心は何度か、救われた
不安定になってしまう夜のことを
一番状態の良くない自分のことを
ちゃんと、掬い上げてくれる
声が聞きたくなったなんてきっと
この先、酔っ払ってても言えないし
恋愛の好きとは違って
でも恋愛の好きな人以上に
大切だと思える
絶対この先の人生で失いたくないって
ほんとにそう思える相手に
出会えることはそう多くないと
わかってて
わかってるから、本当に
電話が繋がらなかったことがない
あなたが私のSOSを
見逃したことはほんとに一度もない
この雪はどんどんきっと積もって
また溶けて
でもきっと
声が聞きたくなくなる日はこの先
まだ20年ちょっとしか生きてなくても
絶対ないって思えるよ
だからあなたも、多分きっとないけど
ほんとにどん底になったら
私の声を聞いて
そこから掬い上げるから
その時だけは
あの頃みたいに向かい合って
首に手を回して
体温があなたに移ってしまうくらい
抱きしめるから
どうか
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