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俯瞰
しおりを挟むいつかは自分もそうだったのに
気がついたら、ここにいた
どうしようもないことに悩むのは
いつからやめれるようになったんだろう
それとも諦めたんだったか
どんどん美化されていく過去は
いい思い出しか残っていないから
食べても食べても
美味しくなかったご飯のこととか
もう胃の中には何もないのに
吐き続ける身体とか
歩く度に頭痛がして
喉を痛めるくらいタバコを吸った
一言で終わらせれるならすごく簡単な
それを
もうこの先一生乗り越えれないことだと
あの時は認識してた
この苦しみはずっと続くと
それでも生きていきたかったから
毎日、毎日働いた
働けば、働くほど
自分を擦り下ろしてるみたいだった
周りの人間よりは
はるかに度を超えてのめり込んでた
それしかなかった
すがるものはもう働くことしかないと
夜になると
嫌な妄想ばかり繰り返される頭に
眠れとは命令できずに
真っ暗な部屋の中で、ずっと瞬きしてた
その頃の自分を、すごく遠くで見てる
真夜中に決まって二つ
喉に放り込んで、夜をしのいだ私を
すごく遠くで、見つめる私
もう何もないのに吐いたりしない
ご飯の味もしっかりする
何もないのに、悩んだりしない
結んだ手を開けば、白い粒が2粒転がる
あぁ、そうか
私ずっと上から見てたんだ
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