しゃぼん玉

をかや れいと

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もう二度と
言葉をかわすことがないと思うと

正直違和感でしかない

何年も季節を共に過ごすと
それは

毎度毎度地下鉄のホームにいる
酔っ払いのサラリーマンみたいに

何度叱っても
同じミスをする部下みたいに

会社の掃除のおばさんみたいに

すごく、当たり前になる

私の中であなたは生活に馴染みきった
当たり前だったので

きっと欠けると
何かしらの支障はきたすでしょう

それでも日々は回るから

またきっとどこかしらかで
見つけたり、見かけたり
見つけられたり、見かけられたりするでしょう

それで一言も交わさない二人を
想像すると笑える

いや、笑えない

この固まった違和感っていうのは
日々が流れたら忘れるのでしょうか?

それともずっとせき止めして
眠れない夜に
またこんな風に貴方を思い出させるのか

想像したって現実味がないけど


もうそれ以上ないでしょうってくらい
怒ったこともなかったから

そんなに悲しむことじゃないでしょうってくらい
泣いたところも見たことがないし

喜んだ顔や、楽しそうな姿は
いくらでも思い浮かぶのに

素敵な思い出ばかりをありがとう


なんの前触れもなくくる別れっていうのは
きっと、心に何かを残していく

貴方のシミがついたまま
いつか当たり前になって行き過ぎる

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