7 / 7
番外編 伊賀崎朔視点
幼馴染と離れたくない。
しおりを挟む
「ごめんなさい、この子ったら寝ちゃって」
母親の腕に抱かれている男の子。
初めて会った時、優希はぐっすりと寝ていた。
伊賀崎家と谷口家は仲が良い。母親同士が高校の同級生で、親友だとか。
その交友関係は子供が生まれてからも。
最近越して来た、谷口家のお母さんと当時5歳の優希は挨拶をしにやって来た。
けれど、優希は車での移動中に寝てしまっただとか。
母親たちは何か積もる話があるのか、ずっと喋っていた。
俺は暇していた。遊び相手が寝ていたから。
でも、親同士で話している間、俺は優希のそばにいた。
当時俺も5歳だったけど、優希の寝顔が可愛いなんて思った。
起こさないようにと、そっと触ったほっぺはもちもちしていた。
どんな子なんだろう。何が好きなんだろう。
可愛いな。この子のこと守ろう。
胸がどきどきとする。
楽しみとは違う。
優希との出会いが一番のイベント。
あの時きっと運命を感じた。けれど、当時5歳だった俺は言葉に表せなかった。
**********
それから年月が経ち、俺と優希は出会ってから小中高ずっと一緒だった。
小さい頃は少し甘えただった優希は、月日が経つにつれ、ツンツンとした性格になった。
「・・・待てって言ったのはお前だろ。」
「・・・うざ。帰る。」
けど、それも可愛いく思えてしまうんだ。
そう幸せを感じてたある日の帰り。
「・・・?」
優希から微かに香った匂いに心臓がギュッとなる。
この匂い・・・好きだな。
βの優希からフェロモンの匂いがした。
優希はΩになるんだ。
優希と一緒にいられる。これからも。
**********
優希の全てが愛おしい。
番になれた今もそう思う。
あぁ、もうずっと、離れたくない
俺は優希がβでもΩでも関係なく、一緒にいたい。幼馴染以上の関係になりたいと思っていた。
だが、そういう雰囲気を出せなかったというか。
自分の曖昧な行動ばかりで、優希を傷つけたりもした。
案外俺はヘタレだと思う。
「・・・ぎゅって、して」
恥ずかしげに目を逸らして優希が言った。
不意にされる甘えも愛おしい。
そうされると歯止めが効かなくなりそうだけれど。
「本当さぁ、やばいって・・・」
「は?なっ、ちょっ、どこ触ってっ」
母親の腕に抱かれている男の子。
初めて会った時、優希はぐっすりと寝ていた。
伊賀崎家と谷口家は仲が良い。母親同士が高校の同級生で、親友だとか。
その交友関係は子供が生まれてからも。
最近越して来た、谷口家のお母さんと当時5歳の優希は挨拶をしにやって来た。
けれど、優希は車での移動中に寝てしまっただとか。
母親たちは何か積もる話があるのか、ずっと喋っていた。
俺は暇していた。遊び相手が寝ていたから。
でも、親同士で話している間、俺は優希のそばにいた。
当時俺も5歳だったけど、優希の寝顔が可愛いなんて思った。
起こさないようにと、そっと触ったほっぺはもちもちしていた。
どんな子なんだろう。何が好きなんだろう。
可愛いな。この子のこと守ろう。
胸がどきどきとする。
楽しみとは違う。
優希との出会いが一番のイベント。
あの時きっと運命を感じた。けれど、当時5歳だった俺は言葉に表せなかった。
**********
それから年月が経ち、俺と優希は出会ってから小中高ずっと一緒だった。
小さい頃は少し甘えただった優希は、月日が経つにつれ、ツンツンとした性格になった。
「・・・待てって言ったのはお前だろ。」
「・・・うざ。帰る。」
けど、それも可愛いく思えてしまうんだ。
そう幸せを感じてたある日の帰り。
「・・・?」
優希から微かに香った匂いに心臓がギュッとなる。
この匂い・・・好きだな。
βの優希からフェロモンの匂いがした。
優希はΩになるんだ。
優希と一緒にいられる。これからも。
**********
優希の全てが愛おしい。
番になれた今もそう思う。
あぁ、もうずっと、離れたくない
俺は優希がβでもΩでも関係なく、一緒にいたい。幼馴染以上の関係になりたいと思っていた。
だが、そういう雰囲気を出せなかったというか。
自分の曖昧な行動ばかりで、優希を傷つけたりもした。
案外俺はヘタレだと思う。
「・・・ぎゅって、して」
恥ずかしげに目を逸らして優希が言った。
不意にされる甘えも愛おしい。
そうされると歯止めが効かなくなりそうだけれど。
「本当さぁ、やばいって・・・」
「は?なっ、ちょっ、どこ触ってっ」
416
お気に入りに追加
252
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。


僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載


上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。

欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点

【BL】声にできない恋
のらねことすていぬ
BL
<年上アルファ×オメガ>
オメガの浅葱(あさぎ)は、アルファである樋沼(ひぬま)の番で共に暮らしている。だけどそれは決して彼に愛されているからではなくて、彼の前の恋人を忘れるために番ったのだ。だけど浅葱は樋沼を好きになってしまっていて……。不器用な両片想いのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
あっという間に読み終わりました!もっともっと読みたかったのですが長編ではないためβからΩへの変性部分が割と短めでゆうきの葛藤部分も割とあっさりでしたが面白かったです!ありがとうございます!
感想ありがとうございます!!!!!
執筆経験が浅い為、色々不安でしたが、面白いと言っていただきとても嬉しいです〜😭
今回は短編でしたが、いつか長編にも挑戦してみたいと思ってます。
読んでくれてありがとうございます!!!!!