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6.買出しの帰り道
しおりを挟むまずは調味料屋さんでハーブソルト、粗挽き黒胡椒、顆粒のコンソメ、甜菜糖、オリーブオイルを購入。
部屋にごく普通の塩と胡椒と砂糖はあったんだけど大好きなハーブソルトと粗挽き黒胡椒は外せなかった。
甜菜糖もやさしい甘さで大好きなのよ~。
今後のことを考えると節約するべきところなんだろうけどね。
美味しいもの食べたいので譲歩できないのであります。なぜに軍隊調。
ターメリックやクミンなどのスパイスも豊富にあったので生活の目処がついたら大人買いする予定。
次はパン屋さんへ。
クルミ入りの全粒粉のパンと日持ちする黒パン。
食パンみたいな白いパンも買っちゃおっと。
お茶屋さんで紅茶とハーブティー。
お肉屋さんでは鶏の胸肉とベーコンとソーセージ。
乳製品のお店でチーズとバターと卵と牛乳。
最後に八百屋さんでトマト、キュウリ、じゃがいも、玉ねぎ、林檎を購入。
その結果。
重っ!
荷物を抱えた腕にずっしりとのしかかる重み。
キッチンに冷蔵庫的な箱も設置されてたのでかなり多めに買い込んでしまった。
5キロくらいあるかも。
宿まで腕がもつかちょっと心配ではあるけど。
めっちゃ楽しかった~♪
「ふふっ♪」
思わずこぼれる笑い声。
値切りが成功したりおまけをもらったり。
王都のプチ情報を教えてもらったり。
予定外の大荷物になっちゃったけど楽しいお買物だったわ~。
顔のニヤニヤが抑えきれない♪
紙袋をいくつも抱えて腕は重いけど足取りは軽く宿へ戻る途中。
見覚えのあるスカイブルーが目に飛びこんできた。
あ、デザインは違うけどヨルンさんが着てたのと同じ色の服。
ってことは青騎士団の騎士さんか。
巡回してるって言ってたもんね。
あっちのほうにもそっちのほうにもスカイブルーが見えるしこの治安の良さも納得。
ありがとうございます。
おかげさまで楽しくお買い物ができます。
紙袋の間からのぞいている私に気付いた1人の騎士さんがクスッと笑いながら近付いてきた。
「すごい荷物だね。大丈夫?」
栗色の柔らかそうな猫っ毛に新緑の瞳を細めて笑う優しそうな笑顔。
お兄ちゃんって感じの人ね。
ヨルンさんとは異なる系統の親しみやすいイケメンさん。
「えへへ。買いすぎちゃいました。」
外見16歳なら許されるだろうとテヘペロしてみる。
「おつかいなの?それじゃ危ないから送るよ。」
ものすごく自然に荷物を持ってくれるお兄さん。
私の手に1番軽いパンの紙袋ひとつだけ残してくれる心遣いが憎いぜ。
荷物を全部持たせてるって罪悪感がなくなるからね。
でも明日からわざと大荷物な女子が急増しても知らないよ。
何人もの女の子が『その手があったか!』みたいな顔してこっち見てるよ。
「田舎から出てきて今日王都に着いたばかりなんです。ギルド直営の宿にしばらく泊まるので自炊しようと思って。」
ありがとうございます、と軽く頭を下げて。
私に合わせて歩き出したお兄さんの横に並んだ。
応援ありがとうございます!
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