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1 すみません、推しはどこですか
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どれくらい経っただろう。
否。
時間は経過していないのかもしれない。
神に転生先へ送られる最中は、まるで意識だけ宇宙にいっているような感覚だ。
(幼少期? それともゲームの舞台である魔法学校入学前?)
どのタイミングで転生者として、記憶を取り戻すのか。
例え本編前であったとしても、ヒロインがメインキャラに認知されるのは魔法学校の入学式直前。
やっていける自信はある。
(ーーん?)
ずっと自分が定まらない、漂っていた感覚が徐々にハッキリとした感覚になってきた。
まるで出口のない空間に、突如出口が現れたよう。
(--っ!)
意識が、覚醒する。
その予感は的中したのだった。
◇
「ずっと夢見ていました」
(……? ええ、私も)
未だまぶしい世界。
ここは恐らく、夢見た世界。
「これでようやく安心できます、あなたが……ずっと共に在るのだと」
(ええ……、……ええ?)
どういう状態です?
それまで意識だけだった『私』という存在は、徐々にヒカミタの世界へと馴染み。
誰かの手に己の手を添えている、感覚と。
緊張で喉が渇いているという、状態と。
聴こえる厳かな音楽と拍手。
そして目に映る----その鮮やかな、美しい青色の長い髪。
(…………これ、メーアスのエンディングじゃね?)
否。
時間は経過していないのかもしれない。
神に転生先へ送られる最中は、まるで意識だけ宇宙にいっているような感覚だ。
(幼少期? それともゲームの舞台である魔法学校入学前?)
どのタイミングで転生者として、記憶を取り戻すのか。
例え本編前であったとしても、ヒロインがメインキャラに認知されるのは魔法学校の入学式直前。
やっていける自信はある。
(ーーん?)
ずっと自分が定まらない、漂っていた感覚が徐々にハッキリとした感覚になってきた。
まるで出口のない空間に、突如出口が現れたよう。
(--っ!)
意識が、覚醒する。
その予感は的中したのだった。
◇
「ずっと夢見ていました」
(……? ええ、私も)
未だまぶしい世界。
ここは恐らく、夢見た世界。
「これでようやく安心できます、あなたが……ずっと共に在るのだと」
(ええ……、……ええ?)
どういう状態です?
それまで意識だけだった『私』という存在は、徐々にヒカミタの世界へと馴染み。
誰かの手に己の手を添えている、感覚と。
緊張で喉が渇いているという、状態と。
聴こえる厳かな音楽と拍手。
そして目に映る----その鮮やかな、美しい青色の長い髪。
(…………これ、メーアスのエンディングじゃね?)
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それでも主人公は健気には推しの幸せを願う。そんな切ない話を書きたくて書きました。
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