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1 すみません、推しはどこですか

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 どれくらい経っただろう。

 否。

 時間は経過していないのかもしれない。
 神に転生先へ送られる最中は、まるで意識だけ宇宙にいっているような感覚だ。

(幼少期? それともゲームの舞台である魔法学校入学前?)

 どのタイミングで転生者として、記憶を取り戻すのか。

 例え本編前であったとしても、ヒロインがメインキャラに認知されるのは魔法学校の入学式直前。
 やっていける自信はある。

(ーーん?)

 ずっと自分が定まらない、漂っていた感覚が徐々にハッキリとした感覚になってきた。
 まるで出口のない空間に、突如出口が現れたよう。

(--っ!)

 意識が、覚醒する。

 その予感は的中したのだった。





「ずっと夢見ていました」

(……? ええ、私も)

 未だまぶしい世界。
 ここは恐らく、夢見た世界。

「これでようやく安心できます、あなたが……ずっと共に在るのだと」

(ええ……、……ええ?)

 どういう状態です?

 それまで意識だけだった『私』という存在は、徐々にヒカミタの世界へと馴染み。
 
 誰かの手に己の手を添えている、感覚と。

 緊張で喉が渇いているという、状態と。

 聴こえる厳かな音楽と拍手。

 そして目に映る----その鮮やかな、美しいの長い髪。





(…………これ、メーアスのエンディングじゃね?)



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