異世界弓師~作るおっさんと、射るエルフ~

蒼乃ロゼ

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異世界と弓作り

五十六話 聖弓の銘

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「【先触れの音を届ける者よ──その力、矢となり穿うがて】」
「おお!」
「まぁまぁだな」

 まとに向かって、ミラウッドの放った風の精霊魔法が見事に的中した。
 お散歩中だったらしい流離さすらいの風の精霊は、ミラウッドに力を一時的に貸すとすぐに去って行った。

「安定感がすごいな~」

 すっかり元通りになったエルフの村と森には、精霊の力をあちらこちらで感じることができた。
 俺はミラウッドの弓を作るために、引き手のことを知る……ミラウッドの『射』と精霊魔法を見せてもらっている。

 ミラウッドは弓を引く姿勢もそうだが、精霊魔法を使う際にも体がブレない。
 弓道でいうところの体幹──丹田たんでんに力を込めるというのは、射法八節内の『足踏み』と『胴造り』に特に関わる部分。
 立つ位置を決め、そこでブレないように姿勢を整えるという手順なのだが、魔物との戦いで常に立ち位置が流動的な彼の戦闘スタイルには応用しづらい。

 それでもミラウッドは普段の生活から精霊に心を寄せ、一つのことに集中するということをマスターしているのであらゆる面において集中力が桁違いだ。
 もちろん元の身体能力が高いというのもあるのだが。

 見ていて気持ちがいい行射とも言える。

「十分に引く力もあるが、過度な肉体の緊張もない。姿勢はブレず、狙いもバッチリ……」

 完璧だ。
 弓を満足に引くことのできない俺ですら分かる熟練度。
 やはりというか、弓道においての範士はんし相手に弓を作るようなものだ。

 ミラウッドに弓を作りたいと決心はしたものの、再び緊張が甦る。

「おーい、コーヤ。準備できたぞー」
「! ウィンハック、ありがとう」
「ならば私は一度、ヨルディカとアンセルの元へ行ってくる」
「ああ。また調整する時にお願いするよ」
「ありがとう、コーヤ」

 弓を作る前にミラウッドの引く姿を見ておいてよかった。
 じいさんが、弓道界でも著名な引き手から指名を受けて作る気持ち……少しだけ分かった気がする。

「んじゃオレも森を見て回ってくるか」
「気を付けてな」
「わたくしがおりますから、風のお方はどこへなりともお行きなさいな。ええ、なんなら消えてくださっても構いませんの」
「ハァ? すぐ戻るが?」
「はいはい、ケンカしないで。行ってらっしゃい」

 イタチ姿に戻ったセローを見送って、この世界の師ともいえるウィンハックにさっそく弓作りを学ぶことに。
 木製の弓は初めて作るから、今まで作ってきたやり方とはほとんど違うだろう。
 気を引き締めて取り掛かった。





「じゃあ、まずは樹皮をごう」
「よしっ」

 ウィンハックがそう指示した木材。
 それは、聖樹の枝から成長した例のものだ。

 ルナリアは邪魔になるといけないと思ったのか、少し離れたところで見学している。

「手で剥げる部分はザッと外して、あとはナイフでな。ケガしないように」
「りょうかいだ!」

 言われた通り、手で剥げる範囲のものは手でやってみることに。

 見た目はふつうの木。
 茶色い一番外側の皮はつるつるした竹とは違って剥ぐことができる。
 杉みたいなものだな。

 柔らかいその部分を取り除いていくと、中からは白い木材が見えてきた。
 時々手で剥ぐことのできない堅い部分があれば、ナイフで慎重に取り除きひととおり覆う樹皮を剥いでいく。

 最初に手にした時とは打って変わって、真っ白な木材となった。

「こんなもんかな?」
「よし。じゃあ次は、縦に割ろう」
「! 難しそうだな」

 元の世界のようにいろんな機械や道具が揃っていたらそう思わないのだが、なにせここでは手作業が多い。精霊の力をもってしても、縦に綺麗に割る……というのは技術が必要だろう。

「まずは片側、手本を見せるな」

 ウィンハックが木材を横たわらせ、なにやらインクと羽ペンを持ってきた。
 そして自分の握りこぶしでなにかを測ると、上下に印をつける。

「これがちょうど真ん中だから、こう」

 どうやら縦に割るポイントを示しているらしい。
 点と点を線で結んで、『ここを切る』と言わんばかりに目印ができた。
 その線に大きなノコギリの先を合わせて、切り込みを入れていく。
 うまく切り込みがはいったら、今度はナタのような刃物を入れて奥に進ませるようハンマーでコンコンと慎重に叩く。

「一気にはやらない方がいいか?」
「そうだな。うまくいく保証はできないね」

 慎重に刃を滑らせていくと、途中からは刃物の向きを変えたり木材を立てて、テコの原理でペリペリと割くような感じで木材を割った。

「んじゃあ反対側、よろしく」
「お、おう」

 先ほどウィンハックがやったのと、全く同じ作業を反対側から行う。

 目印は既に入っているので慎重に切り込みを入れたあと、まるで竹を割るかのように慎重に刃物を押し進めた。

「──よしっ。できた」
「おー。その調子」

 竹での経験が活きたのか、ウィンハックが割ってくれた側と途中で上手に合流し、木材はキレイに二つに割れた。いた、と言う方が合っているかもしれない。

 ウィンハックと出来を確認する。
 まだまだ粗い表面は、ささくれが立ちこのまま握れば怪我をするに違いない。

「今度は細かいふし取りと、太さの調整だ」

 樹皮を剥ぐ段階で取り除けなかった節と、握るにはまだ太すぎる太さの調整が必要。
 そのための道具として、今度は両方に持ち手のついたナタのようなものが用意された。

「? 手前に引いて削る……ってことか?」
「そうそう」
「こ、怖いな」
「怪我しないようにコレ付けてな」

 手渡されたのは──まさかの『胸当むねあて』だ!
 弓道においては女性が弓を引いたあと、離れの際に胸元を弦が擦らないように身に着ける道具のことだ。

 だがこれはたしかに『胸当て』だろうが、意図は違う。
 削る際に手前に引いた刃が当たらないようにするためで、女性だろうが男性だろうが必要な防具だ。
 革製のバッグのような手触りだから、魔物の革かもしれないな。

「こうやって、手前に引いて……」
「まるで鉛筆削りの逆バージョンだな……」
「?」
「いや」

 要は厚みを減らす作業だ。
 要領はなんとなく得ているため、怪我には気を付けて慎重に行う。

 スーッと手前に刃を引いて、キャベツを一枚一枚剥いでいくかのように僅かな厚みを減らしていく。
 ミラウッドの体格にあった太さの弓となるよう、全体的に。
 あまりに堅い節はノコギリで切り落とした。

 少しずつ慣れてくると、ミラウッドがこの弓を引くイメージが頭を支配する。


 まだ厚い。

 まだだ。


 道具で測ったわけでもないのに、そんな感覚を覚えた。

「なんか……手慣れてないか?」
「そっ、そうかな?」

 時折ウィンハックに感心されながら、なんとか作業を終える。

「全体的にはオッケーだ」
「やった」
「いよいよ成形なんだが……先の方はこっちで、先細るように刃を入れてくれ」
「よーし」

 先ほどの両方に持ち手の付いた刃。それのミニサイズが手渡される。
 見本であるウィンハックが作った弓を横に置いて、弓の先。弦を掛ける方に従って先が細くなるようにさらに刃で削る。

 竹弓だと弦を引っ掛ける部分以外は太さに大きな違いはないが、木弓だとそうはいかないようだ。
 素材によってしなり具合が違うからだろう。

 俺はその後も成形、研磨。いろいろな段階をウィンハックに教えてもらいながら徐々に完成へと近づけた。



 ◇◆◇



「で──できたーー!!」
「できましたわー!!」
「ありがとう、ウィンハック!」
「いやいや。大したもんだよ、ほんと」

 ウィンハックに習い、あとは弦を張るだけの状態まで完成した。

 達成感に溢れるも、そこではたと気付く。

「弦って……どう張るんだ?」

 先細った弓の先には特に切れ込みもなければ引っ掛ける場所もない。
 ただ細いだけだ。
 手で何度も結びつけるのだろうか?

「そこでルナリア様のお力が必要なんですよねぇ」
「わたくしですの?」

 突然話を振られたルナリアはきょとんとした表情に。

「弦を張る際には、僕たちが森の一員であることを認めてもらう意味も込めて、森の精霊様に力を借りるんですよ」
「まぁまぁ」

 ルナリアはウィンハックに説明を受けると、以前一緒に作った弦を手に取った。

「こう、ですの~!」
「おお」

 弓の先にゆるく巻いたはずの弦が、ルナリアの声に応じてぎゅっと固く弓に巻き付く。
 ぐるぐるとひとりでに何度も巻き付く姿は、蛇のようだ。

「すごいなルナリア」
「できましたのー!」
「お見事です、ルナリア様」

 できた弓を俺に手渡してくれる。

「……これが」

 俺の作った弓。
 誰かのために、自分が主体となって作った弓。

 それも相手の射を見て、相手の人となりを見て作ったものだ。

 初めての経験に思わず泣きそうになる。

 まるで自分とじいさんの想いを体現したかのような弓だからだ。
 いろんな人の力を借りて作ったのだから、それ以上のものかもしれない。

「あとは握り革を巻くといいかもな」
「……そうだな」

 押し寄せる感動を前に、なんとか平常心を保とうとする。
 いろんな想いが駆け巡る今、『和』の状態になれないのも仕方ない。

 俺は一つ、この世界で夢を叶えたんだ。

「──侯星」
「コウセイ?」
「うん。名前、つけようかなって」
「へぇ。エルフには無い慣習だが、いいかもな」

 弓師の銘。
 それは本名である場合もあるし、別の号を名乗ることもある。
 俺は自分主体で作ることは無かったから、少なくとも竹弓で自分の銘を名乗ることはできなかった。

 いつか早気はやけを克服して、ひとり立ちをして。
 歳を重ねて自分が納得するような弓を作れたら。
 名乗ろうと思っていたのが、『侯星』の号だ。

 『侯』という漢字にはまとという意味がある。
 俺の本名である侯矢は、夢や目標をその手で射るように……と願って付けられたらしい。

 星というのは夢や目標だ。
 昼に見ることはできないが、しかしずっと側に在るもの。
 夜ともなれば燦然と空に輝く。
 手が届かないながらも自分を見守り、そして自分が見据えるものは、まるで的そのものだ。
 同時に年月を意味する漢字でもある。

 俺の打った弓で、歳を重ねても弓道を続けてもらいたいという意味と、その手でを射るという意味を込めて名付けた。

 ちょっと『星』という漢字はイマドキというか……俺より上の世代の弓師はあまり使わなそうな名だけど、まあいいさ。

 結局元の世界でその号を名乗ることは叶わなそうだけど、この世界でなら名付けてもいいはずだ。


 ミラウッドは俺にとって憧れの存在、目標。
 そして長い時を生きるエルフ、人生の先輩だ。

 そんな彼が持つにぴったりの名ともいえる。

「…………」

 ミラウッドと過ごした日々が頭をよぎる。
 出会った頃から変わらず真面目で、いろんなことを教えてもらった。

 そんな彼は森の精霊たちが目覚めた今、外の世界へ飛び立つのだと思われる。

「どうした?」
「……いや、感慨深いなって」

 ミラウッドが居ない生活を想像してみる。
 村のエルフたちは優しいから、困ったことがあれば助けてくれるし、精霊たちが復活した今危険も少なくなっただろう。

 でも……。

「ルナリア」
「はいですの!」
「セローが帰ってきたら、話があるんだ」
「? もちろんですわ、ええ。なんでもお話ください!」

 聖樹の精霊が目覚めてもなお、元の世界へ戻れる気配はない。
 この世界に根差すのだとしたら……。

 あれだけ自分がどうしたいか分からなかったはずなのに、今の自分にとって答えは明白だった。

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