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再会。
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リルside
「よっ。」
買い物が終わって、ノアに何を買っていこうかと2人で相談していると、急にレイルが私の後ろに向かって手を挙げた。
「レイル、どうし………っ!」
後ろを振り向くと、いつものくたびれたような服ではなく、まるで貴族のような服に身を包んだルイスがいた。
「なんで………。」
心の声が漏れてしまったらしく、レイルがこっちを振り向く。
「俺が呼んだんだよ。」
「なんで…!ノアは…ノアはルイスから逃げてた!!なのに、貴方はノアを裏切るような事をした…!一生ノアに顔向けできないじゃない!!」
「それは違うよ。リル。」
レイルと喧嘩らしきものが始まった途端に、ルイスが口を挟んできた。
「なぁ。俺さ、なんでノアに逃げられてんのか分かんねぇんだけど。
知ってる?か?」
「聞いてないの!?」
「当たり前だろ!?実家に行って、急いで帰ってきたら、くだらない喧嘩しちまって、でもまた実家に呼ばれたから行ったんだけど、途中連れが忘れものしたからって帰って、
でも喧嘩してたから俺も意地張ってて謝るに謝れなくて……で、手紙渡されて、着いたら開いて。って。
だから…だからノアのお願いだからって着くまで開かなくて…やっと着いて開いたら、一言、
「ごめんな。」って…!
まさかと思って家に帰ってみたら、ノアの持ち物が消えてて………。
事情なんて知るはずもないだろ!?
で、ノアは無事なのか?何処にいるんだ?」
こんなに取り乱したルイスは見たことがない。
もしかしなくても、2人は運命の番なのかな?
幼馴染が2組中2組とも運命の番だなんて………。
「ルイス、ノアは今宿で寝てる。
これから帰るところだ。ここんとこずっと調子が悪そうでな。」
そう私の番が告げると、ルイスは取り乱したように動揺し始めた。
「ノ……ノアは、病気なのか?」
その声は余りにも小さくて、いつもの堂々としたルイスからはかけ離れたくらい自信のなさそうな、震えた声だった。
「ノアから聞いてないのか?
って聞いてないよな。でも、お前のことだからとっくに調べたと思っていたが?」
隣の男は何故こんなにも堂々と喋れるのだろう?と疑問に思っていると、ノアが病気とでも勘違いしたらしいルイスがうつむく。
うつむいた土の上には、ポタポタと黒い染みができていく。
この男は泣いているのか。
初めて見たルイスのαらしくない一面だった。
「いなくなる前のノアの動向を調べたら、病院に行ってて…
そこの医者に問いかけたんだが、患者との明確な繋がりがない以上、個人情報を無闇に話せない。と言われて門前払いだった。」
だから、お願いだからノアに会わせてくれ。
と、情けない声で呟く。
先に根負けしたのは私の方だった。
「分かったわよ!ノアも…貴方に会いたがってた…。」
そう小さく呟くと、目の前のルイスがばっ!とすごい勢いで顔を上げた。
「なっ!なによ!私はノアのことを思って……っ!」
急に抱き締められる。
「……ありがと……っ!」
「ちょっおい!ルイス!俺のリルに何してくれてんだよっ!!はやく離せっ!」
2人のじゃれあう姿を見て、つい口元に笑みが零れる。
「そんなことより早くノアのところに行きましょ!」
「あぁ!でも、逃げた理由をまだ聞いてない。」
「そんなの、ノアの口から直接聞けばいいわ!」
「……分かった。」
ルイスは不安そうな顔でそう答えた。
「よっ。」
買い物が終わって、ノアに何を買っていこうかと2人で相談していると、急にレイルが私の後ろに向かって手を挙げた。
「レイル、どうし………っ!」
後ろを振り向くと、いつものくたびれたような服ではなく、まるで貴族のような服に身を包んだルイスがいた。
「なんで………。」
心の声が漏れてしまったらしく、レイルがこっちを振り向く。
「俺が呼んだんだよ。」
「なんで…!ノアは…ノアはルイスから逃げてた!!なのに、貴方はノアを裏切るような事をした…!一生ノアに顔向けできないじゃない!!」
「それは違うよ。リル。」
レイルと喧嘩らしきものが始まった途端に、ルイスが口を挟んできた。
「なぁ。俺さ、なんでノアに逃げられてんのか分かんねぇんだけど。
知ってる?か?」
「聞いてないの!?」
「当たり前だろ!?実家に行って、急いで帰ってきたら、くだらない喧嘩しちまって、でもまた実家に呼ばれたから行ったんだけど、途中連れが忘れものしたからって帰って、
でも喧嘩してたから俺も意地張ってて謝るに謝れなくて……で、手紙渡されて、着いたら開いて。って。
だから…だからノアのお願いだからって着くまで開かなくて…やっと着いて開いたら、一言、
「ごめんな。」って…!
まさかと思って家に帰ってみたら、ノアの持ち物が消えてて………。
事情なんて知るはずもないだろ!?
で、ノアは無事なのか?何処にいるんだ?」
こんなに取り乱したルイスは見たことがない。
もしかしなくても、2人は運命の番なのかな?
幼馴染が2組中2組とも運命の番だなんて………。
「ルイス、ノアは今宿で寝てる。
これから帰るところだ。ここんとこずっと調子が悪そうでな。」
そう私の番が告げると、ルイスは取り乱したように動揺し始めた。
「ノ……ノアは、病気なのか?」
その声は余りにも小さくて、いつもの堂々としたルイスからはかけ離れたくらい自信のなさそうな、震えた声だった。
「ノアから聞いてないのか?
って聞いてないよな。でも、お前のことだからとっくに調べたと思っていたが?」
隣の男は何故こんなにも堂々と喋れるのだろう?と疑問に思っていると、ノアが病気とでも勘違いしたらしいルイスがうつむく。
うつむいた土の上には、ポタポタと黒い染みができていく。
この男は泣いているのか。
初めて見たルイスのαらしくない一面だった。
「いなくなる前のノアの動向を調べたら、病院に行ってて…
そこの医者に問いかけたんだが、患者との明確な繋がりがない以上、個人情報を無闇に話せない。と言われて門前払いだった。」
だから、お願いだからノアに会わせてくれ。
と、情けない声で呟く。
先に根負けしたのは私の方だった。
「分かったわよ!ノアも…貴方に会いたがってた…。」
そう小さく呟くと、目の前のルイスがばっ!とすごい勢いで顔を上げた。
「なっ!なによ!私はノアのことを思って……っ!」
急に抱き締められる。
「……ありがと……っ!」
「ちょっおい!ルイス!俺のリルに何してくれてんだよっ!!はやく離せっ!」
2人のじゃれあう姿を見て、つい口元に笑みが零れる。
「そんなことより早くノアのところに行きましょ!」
「あぁ!でも、逃げた理由をまだ聞いてない。」
「そんなの、ノアの口から直接聞けばいいわ!」
「……分かった。」
ルイスは不安そうな顔でそう答えた。
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