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ルイスside
しおりを挟むあれから随分経ったが、おれは眠る事も惜しんでノアを探し続けた。
ノアは、珍しい容姿をしている。
生まれつき体も弱く足にも障害をかかえていた。だからか分からないが、
肌も髪の毛も真っ白で、瞳は神秘的な紫色でその瞳を縁取る長くて真っ白な睫毛。
初めて会った時は、まるで天使のようだと思った事を覚えてる。
人を信じられなかった俺は、初めて人を美しいと思った。
貴族たちも美しかったが、その美しさはノアの様な洗練されたものではなく、大きな宝石をジャラジャラとつけて、甘ったるい香水を振りまく彼女達を、心の底から美しいとは思ったことがなかった。
むしろ嫌悪感しか抱かなかった。
それに比べて、ノアはいつも甘い、貴族達とは違う匂いがしてて、その匂いが心地よかった。
俺の天使を奪われるわけにはいかない。
と、寝る間も惜しんで捜索隊に指示を出し続けた。
その目立ちすぎる容姿を手掛かりに、捜索は進められた。
ノアの肌は、白すぎるせいで、強い日光に当たると、肌が火傷のように赤くなってしまう。
運が悪ければ、傷や跡も残ってしまうことだってある。
付き合ってからも、その姿を見るたびに、本当に天使で、いつか俺の元を去ってしまうんじゃないかと不安になった事もあった。
でもその度に、
「愛してる。」
という言葉でノアを縛ろうとした。
ノアは優しいから、そんな俺の事を置いていかないだろうとたかをくくっていた。
俺が「愛してる。」っていうと、
ノアも照れたみたいに下を向いて、
「愛してる。」
って返す。
そのやりとりが、どんなに幸せだったのかを今頃になってようやく気付いた。
もうノアの居場所も、どこへ向かっているのかさえも分かった。
でも…でも、せっかく俺から逃げたのに、ノアを追いかけてもいいのか不安になった。
ノアが俺から逃げた理由を俺は知らない。
だからか、未だに俺はノアに会いに行く事を躊躇っている。
自信がないんだ。
ノアに受け入れられるっていう。
でも、せめて話し合いはしなくちゃ。と、無理矢理足を動かす。
人混みの少し遠くにいる双子の幼馴染のところまで足を動かした。
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