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ルイスside

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バンッ

音を立てて勢いよく扉が開く。

「ノア!」

声を上げても、そこにあるはずの愛しい人は、どこにもいなかった。

もしかしたら違う部屋にいるのかもしれない。

それで、扉を開けた途端俺に微笑んで「ルイス、どうしたの?」って言うんだ。

手紙読んだ?ごめんね、意地張っちゃったんだ。って。

それが本当だったら良いのに。

そう思いながら全ての部屋を見たけど、そんなに都合良くはいかなかった。

もともと部屋数だってそんなに多くないのに、同じ部屋を何度も何度も見て、失くしたものを探すみたいに…。

でも、そんなことを繰り返しても、ただ虚しさが募って行くばかりで、なんの解決にもならなくて、結局ノアがもう俺の元にはいないことを思い知っただけだった。

なんで急に居なくなったりしたんだよ。

いや、もしかしたら、玄関の扉が開いて、ルイス?今から夕食作る所なんだ。手伝ってくれる?って、

そんなこと、あるわけないか。


好きなのに。


誰も居ない部屋には、ノアが暮らしてた形跡が残ってて、ノアの好きなラベンダーの香りがほのかにして、泣きそうになる。

ガチャッ

「ノアか!?」

扉が開く音に気づき、振り向いて玄関をみる。

でもそこに居るのはノアではなくて、俺の側近みたいな感じのフォリムと言う小柄な男だった。

「ルイス様ぁー。さっき頼まれていたことなんですけどー。
ノア・スミス様はもうこの国にはおられないそうですよー。
国境警備隊に確認したんですけどー、ノア様と思われる方と、あと2人。だった気がする。
なんでしたっけ、確かブロンドヘアの女と、顔立ちの似た同じ髪色の男が同伴していたらしいですよー。
2人とも珍しい腕輪をつけていたらしいですー。誘拐ですかねー?探し出して捕らえますかー?」

やっぱりか。

ノアは生まれつき右脚に障害をかかえてるから、1人じゃ遠くにはいけないと思ったんだ。

やっぱりリルとレイルか。

珍しい腕輪って言うのは、ノアが2人に送ったあまり趣味の良いとは言えないものだ。

だけど2人ともあの腕輪を物凄く大切にしていた。

あの2人が一緒にいるなら安心だけど、早くノアに会いたい。

「いや、誘拐じゃない。
あとその語尾を伸ばす喋り方辞めろ。気持ち悪い。
で、その3人は何処へ行ったんだ?何処に向かってるか調べろ。あと、3人が目撃されたのはどの国境だ?」

「そんなぁ。酷い人ですねー。えーと、あー、あそこですね。こっから一番近いとこっすよ。なんでしたっけ?名前分かんないっすー。」

「もう分かった。東リザインだろ?
まったくそのくらい覚えとけ。俺は今からすぐに出発するから。
フォリムも来るなら来るでさっさと準備しろ。」

使えない側近にイライラしながら、最近慣れてきた命令をする。

ノア、待ってろよ。

絶対迎えに行くから。
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