恋人が本命の相手と結婚するので自殺したら、いつの間にか異世界にいました。

理性。

ルイスが俺から目をそらしながら小さな声で呟く。

「ノ、ノアさん？ちょっと、だめです。俺、理性持たないかも。もう散々あのー、やっちゃったので、そろそろ大事にしたいんですけど…。」

だめ、ですかね？

逸らしていた目を恐る恐る俺に戻す。

それが偶然と上目遣いになっていて、こんな状況なのに、やっぱりイケメンだなあ。と思ってしまう。

イケメンって何してもお得だよなあ。

「俺には、魅力、ないですか？」

ルイスの影響で俺も自然と敬語になる。

理性が限界なのか、涙目で見上げてくるルイスに、出来心で意地悪したくなって、泣きそうな顔と声で畳み掛ける。

「違うって！！そんな事ない！それよりも…俺の理性が…持たない。ってゆうか…お願いだからノア、俺を誘惑しないで？」

「もう、仕方ないなあ。じゃあ、また今度…ね？」

その一言で、ルイスが赤かった顔をさらに赤く染めた。

いつも俺の世話を焼いて主導権を握ってるのはルイスの方なのに、今は全く逆だ。

「好きだよ。」

耳元で呟かれると、こっちがやばいのに！！

もう、全く！
いつも俺のこと天然天然ってうるさいけど、ルイスの方が天然だと思うんだよなあ。

イケメンで天然タラシって、恋人の俺、苦労するなあ。

「ノア？どうしたの？」

「ん？ルイスのこと、誰にも取られたくないな。って。」

「ん、俺も同じ事思ってたよ？」

ニヤっと笑いながら
チュッと音を立てておでこにキスをされる。

かあぁぁぁ////


やっぱり天然タラシじゃなかった！
Sだった！