26 / 72
お風呂で…?
しおりを挟む
「はぁ、はぁ、はぁ…」
絶頂して力が抜けた俺は、動かない右足のせいもあって床に崩れ落ちそうになるが、さっとルイスが支える。
「ごめん。ノア。無理させすぎた。」
隣の鏡らしきものに目を向けると、
上気した肌に、潤んだ目、軽く開いているピンクの唇をした、美少年がいた。
にわかに信じられなくて、一瞬言葉を失う。
「………………これ、俺………………?」
小さな声で呟くと、ルイスにはどう聞こえたのか、
「この石か?この石はな、黒映石っていう黒い石を磨くと、光ってこちら側が見えるようになるんだ。その位まで磨くと、今度は黒鏡石って呼ぶんだけどな。結構高いんだぞ?とくに、この石みたいに周りに細工が施されているものなんて、1つ2000レイルは下らない。」
と、見当違いなことをドヤ顔で答えてくる。
それが何故か面白くて、ぷっと吹き出してしまった。
「な、なんで笑ってるんだ?」
上から、ルイスの戸惑ったような声が聞こえる。
「いや、ルイス、やけに詳しいなって思って。」
と言うと、ルイスが不思議そうな顔をする。
「これくらい常識じゃないか?ここらの街だったら、学校に入ってすぐに、石加工場へ見学に行って、色々な種類の石の説明を受けるだろう?」
と、そこまでしゃべったルイスが、突然はっとして、口を塞いだ。
「ご、ごめん。そういえば、ノアは生まれつき身体が弱かったから、行ってないんだったな。無神経なことを言った。」
ルイスは申し訳なさそうにしているが、正直あの日、ルイスも石加工場へ遠足にいっちゃったし、二人の父さんも仕事へ行ってたから、しめしめと思って、こっそり冷蔵室にしまってあったルイスの沢山のお菓子、食べちゃったんだよなぁ。
なんか、こっちが申し訳ない…。
ん?二人の父さんも?俺、両親二人共男だったのか!?
これかあ、ルイスが男も妊娠出来るとか言ってたやつは……!!
つーか、よく思い出せ俺!まだここに来てから一週間も経ってないのに、こっちの記憶が頭ん中占めてきて、前の記憶がモヤモヤしてる~。
正直、おれは
もーいっかな。
と思ってる。ルイスはイケメンだし、優しいし、イケボだし、イケメンだし…
唯一不満があると言えば、この右足だけだ。神様~なんか奇跡とかぱぱっと起きて、俺の脚、すんなり動くようには出来ませんかねえ…
俺はどっかのジジイみたいな願い事を、あの時出会った自称神様に願った。
絶頂して力が抜けた俺は、動かない右足のせいもあって床に崩れ落ちそうになるが、さっとルイスが支える。
「ごめん。ノア。無理させすぎた。」
隣の鏡らしきものに目を向けると、
上気した肌に、潤んだ目、軽く開いているピンクの唇をした、美少年がいた。
にわかに信じられなくて、一瞬言葉を失う。
「………………これ、俺………………?」
小さな声で呟くと、ルイスにはどう聞こえたのか、
「この石か?この石はな、黒映石っていう黒い石を磨くと、光ってこちら側が見えるようになるんだ。その位まで磨くと、今度は黒鏡石って呼ぶんだけどな。結構高いんだぞ?とくに、この石みたいに周りに細工が施されているものなんて、1つ2000レイルは下らない。」
と、見当違いなことをドヤ顔で答えてくる。
それが何故か面白くて、ぷっと吹き出してしまった。
「な、なんで笑ってるんだ?」
上から、ルイスの戸惑ったような声が聞こえる。
「いや、ルイス、やけに詳しいなって思って。」
と言うと、ルイスが不思議そうな顔をする。
「これくらい常識じゃないか?ここらの街だったら、学校に入ってすぐに、石加工場へ見学に行って、色々な種類の石の説明を受けるだろう?」
と、そこまでしゃべったルイスが、突然はっとして、口を塞いだ。
「ご、ごめん。そういえば、ノアは生まれつき身体が弱かったから、行ってないんだったな。無神経なことを言った。」
ルイスは申し訳なさそうにしているが、正直あの日、ルイスも石加工場へ遠足にいっちゃったし、二人の父さんも仕事へ行ってたから、しめしめと思って、こっそり冷蔵室にしまってあったルイスの沢山のお菓子、食べちゃったんだよなぁ。
なんか、こっちが申し訳ない…。
ん?二人の父さんも?俺、両親二人共男だったのか!?
これかあ、ルイスが男も妊娠出来るとか言ってたやつは……!!
つーか、よく思い出せ俺!まだここに来てから一週間も経ってないのに、こっちの記憶が頭ん中占めてきて、前の記憶がモヤモヤしてる~。
正直、おれは
もーいっかな。
と思ってる。ルイスはイケメンだし、優しいし、イケボだし、イケメンだし…
唯一不満があると言えば、この右足だけだ。神様~なんか奇跡とかぱぱっと起きて、俺の脚、すんなり動くようには出来ませんかねえ…
俺はどっかのジジイみたいな願い事を、あの時出会った自称神様に願った。
9
お気に入りに追加
1,660
あなたにおすすめの小説

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!

【完結】可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない
天田れおぽん
BL
劣性アルファであるオズワルドは、劣性オメガの幼馴染リアンを伴侶に娶りたいと考えていた。
ある日、仕えている王太子から名前も知らないオメガのうなじを噛んだと告白される。
運命の番と王太子の言う相手が落としていったという髪飾りに、オズワルドは見覚えがあった――――
※他サイトにも掲載中
★⌒*+*⌒★ ☆宣伝☆ ★⌒*+*⌒★
「婚約破棄された不遇令嬢ですが、イケオジ辺境伯と幸せになります!」
が、レジーナブックスさまより発売中です。
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます


運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。

平凡顔のΩですが、何かご用でしょうか。
無糸
BL
Ωなのに顔は平凡、しかも表情の変化が乏しい俺。
そんな俺に番などできるわけ無いとそうそう諦めていたのだが、なんと超絶美系でお優しい旦那様と結婚できる事になった。
でも愛しては貰えて無いようなので、俺はこの気持ちを心に閉じ込めて置こうと思います。
___________________
異世界オメガバース、受け視点では異世界感ほとんど出ません(多分)
些細なお気持ちでも嬉しいので、感想沢山お待ちしてます。
現在体調不良により休止中 2021/9月20日
最新話更新 2022/12月27日
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる