恋人が本命の相手と結婚するので自殺したら、いつの間にか異世界にいました。

いちの瀬

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お風呂で…?

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「はぁ、はぁ、はぁ…」

絶頂して力が抜けた俺は、動かない右足のせいもあって床に崩れ落ちそうになるが、さっとルイスが支える。

「ごめん。ノア。無理させすぎた。」

隣の鏡らしきものに目を向けると、
上気した肌に、潤んだ目、軽く開いているピンクの唇をした、美少年がいた。

にわかに信じられなくて、一瞬言葉を失う。

「………………これ、俺………………?」

小さな声で呟くと、ルイスにはどう聞こえたのか、

「この石か?この石はな、黒映石っていう黒い石を磨くと、光ってこちら側が見えるようになるんだ。その位まで磨くと、今度は黒鏡石って呼ぶんだけどな。結構高いんだぞ?とくに、この石みたいに周りに細工が施されているものなんて、1つ2000レイルは下らない。」

と、見当違いなことをドヤ顔で答えてくる。

それが何故か面白くて、ぷっと吹き出してしまった。

「な、なんで笑ってるんだ?」

上から、ルイスの戸惑ったような声が聞こえる。

「いや、ルイス、やけに詳しいなって思って。」

と言うと、ルイスが不思議そうな顔をする。

「これくらい常識じゃないか?ここらの街だったら、学校に入ってすぐに、石加工場へ見学に行って、色々な種類の石の説明を受けるだろう?」

と、そこまでしゃべったルイスが、突然はっとして、口を塞いだ。

「ご、ごめん。そういえば、ノアは生まれつき身体が弱かったから、行ってないんだったな。無神経なことを言った。」

ルイスは申し訳なさそうにしているが、正直あの日、ルイスも石加工場へ遠足にいっちゃったし、二人の父さんも仕事へ行ってたから、しめしめと思って、こっそり冷蔵室にしまってあったルイスの沢山のお菓子、食べちゃったんだよなぁ。

なんか、こっちが申し訳ない…。

ん?二人の父さんも?俺、両親二人共男だったのか!?

これかあ、ルイスが男も妊娠出来るとか言ってたやつは……!!

つーか、よく思い出せ俺!まだここに来てから一週間も経ってないのに、こっちの記憶が頭ん中占めてきて、前の記憶がモヤモヤしてる~。

正直、おれは

もーいっかな。

と思ってる。ルイスはイケメンだし、優しいし、イケボだし、イケメンだし…

唯一不満があると言えば、この右足だけだ。神様~なんか奇跡とかぱぱっと起きて、俺の脚、すんなり動くようには出来ませんかねえ…

俺はどっかのジジイみたいな願い事を、あの時出会った自称神様に願った。
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