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ノアの想い人。

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ルイスside

違和感を感じたのは
紛れもなく事実だ。

お風呂もいつもなら背中くらい
流させてくれるのに
駄目だった。

反抗期か?

そこで、誰か好きな奴がいるのか?

と聞いてみた。

答えは勿論ノーだと思っていた。
なのに、ノアの答えはイエスだった。

驚いた。

それもそのはず、昔から
ノアの事が好きだった俺は
ノアの関心が
他のやつに向かわないよう、
細心の注意を払っていたからだ。

なのに、


どこで出逢ったんだ?

どんな男か聞いてみたが、
ノアの発した言葉の
半分以上の意味がわからない。

オールバックってなんだ?
オールバックって。

髪型だと言うことは
うっすらとは分かるが、
どんな髪型なんだ?
聞いた事もない。

んん?コーヒーってなんだ?

ミルクは分かるが
まず食べ物なのかすら
分からない。

靴下!?
靴の下なのか?
なんだそれ。

俺が理解した事といえば、
その男は、ノアにとって
なくてはならない、
奴だったんだろう。

優しくて、かっこよくて
でも自己中だと。

ノアが話している途中で、
風呂場からすすり泣き声が
聞こえた。

ノアが泣くと、俺まで
悲しくなる。

俺は、精一杯ノアの心の傷を
癒すことしかできない。

ノアは心優しいから
俺がそいつを殴りに行っても
そいつを庇うに違いない。

過ごして来た時間は
俺の方が長いはずなのに、
そいつに負けた気がした。
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