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心配

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うぇ、気持ち悪いって思った頃には、王宮の医務室らしきところについていた。



ケツの濡れ具合からして、想像してたのはポタポタだったけど現実はダバァーだったっぽいな。と推測する。



なんかまた車椅子に乗せられて移動して、上から紐が垂れている豪華なベッドに寝かされて、よくわかんないけどメイドさん?達がバタバタしてる。



頑張ってねーって他人事だけどとりあえず心の中で応援しておいた。



そんなに呑気にしていられたのもほんの少しで、そのあとめっちゃ腰が痛くなった。



「ル、ルイスぅ、どこ…、痛いよ…泣く。」



痛い、痛いってひたすらちっちゃな声で騒いでたらお待ちかねのルイスがようやく現れた。遅いぞ、俺がこんなに苦しんでるのに。病気か?これ、病気?



「ルイス、ねぇこれなに?めっちゃ痛い、死んじゃうよ、助けて、」



「ノア…、医者から聞いた、子供が、生まれるらしい。」



は???え?

は??????



突然すぎて理解できない。なんだって?



「え???子供生まれるのってこんな痛いわけ無理なんだけどマジ無理死にたい痛い痛い最悪、」



ひたすら痛さに悪態をついてると、だんだん痛みがなくなっていった。



「ん?あれ???痛くない。ルイス、痛くなくなった!なんで?」



「なんだかわからないけど、陣痛っいうものらしいよ。一定の間隔で痛みがきて、痛みの間隔が短くなったら知らせてほしいと言われた。」



「え、じゃあこれ何回もあんの。は、え?こんなん知らないよルイス助けて」



「まぁ当たり前だ。普通オメガは親から教育を受けるけど、ノアはその前に親が亡くなったもんな。知らないよな。俺が、ついてるから、」



「いやいやいやいや、今はね?痛くないけどさまじでいてぇの分かる?ほんとむり。きつい。死ぬ。」



「医者が、、男性オメガの出産は女性オメガより命の危険があるって言ってた。でも、たぶん大丈夫だよ。死んだりしないから、大丈夫。大丈夫だよノア」



大丈夫大丈夫って繰り返し呟くルイスの手は指先が白くなるほどぎっちり握り込まれていて、ちょっとだけ震えてた。



俺は死ぬ気なんてないし、別に今特に重症なわけじゃないんだからそんなに心配しなくてもいいのに。

って心の中で呟いたけど、目に入ってきたルイスの顔があまりにも余裕がなさそうで、俺はルイスを見つめているのに、ルイスは握り込んだ手をじっと見つめている。



「なんで俺よりルイスが心配してんだよ。

別に俺怖くないよ?ルイス心配しすぎ。

大丈夫だって。俺らの子供だよ?きちんと気を使ってくれるって。



ゔっ…」



「ノア…!?どした?」



「いや、なんか胃が…蹴られたかもしれない。こいつずいぶん足癖悪りぃな。誰に似たんだよ」



「お前だろ。」



「いやルイスでしょ。」



絶対ルイスだ。

俺前ルイスと一緒に寝てて蹴られてベッドから落とされた上に、そのあとめっちゃ勢いよく踏みつけられた記憶あんだかんな。



11歳のときに。



絶対ルイスに似た。

これは譲れないし、まず俺は足癖悪くない。

ベッドから落ちたこともない。

裁判長ー!判決をっ!


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