9 / 11
9
しおりを挟む「ただいまぁ~」
玄関の開く音とともに間抜けなむっかつく声が聞こえる
「おい悠汰ぁぁ!!!」
「うわぁっ!なんだよおまえっ!」
「こーれー!!!これ!」
でっかいガラスのケースを指差すと、あぁ、そこに置かれちゃったのね。と軽ーく一言。
は!?
は!!??
「悠汰これどーすんの!?」
「んー、二人で動かすの多分むずいから、明後日にはイグアナ来ちゃうしとりあえず落ち着くまではここな。
いいじゃん後ろにイグアナいると南国にいるみたいで。」
「南国!?トカゲだぞトカゲ!でっかいトカゲかカナヘビが後ろにいるんだぞ!?悠汰?僕が爬虫類苦手だって知ってるよな??」
「まぁまぁそう興奮しなさんな」
「興奮してない!!!」
「雪の爬虫類嫌いは知ってるけど、別にカナヘビもトカゲも尻尾が取れるのを見るまではさわれてただろ?お前が嫌いなのはカエルと蛇と尻尾の取れる生き物なんだよ。だから雪、喜べ!よっぽどのことがない限りイグアナはカエルにも蛇にもならないし、尻尾も取れない!!!たぶん」
「最後のたぶんはなんだよ!取れたらどーすんだよ…」
「まぁまぁまぁまぁ、取り敢えず俺帰り道にイグアナ用の草とか木とかその他諸々買ってきたから片付けようぜ」
「わかった…
じゃなくて!取り敢えず、明日までな!」
「はいはい、案外お前が1番イグアナのこと甘やかしたりしてな。お前小動物大好きだもんな。うさぎとか猫とかハリネズミとかイグアナとか」
「イグアナ1番最後にさりげなく入れてるけど好きじゃないから。」
「ばれたか。」
「取り敢えず悠汰の荷物片して夕食食おう。作ってあるし。」
「あ、餃子じゃん!やったー、俺今日すげぇ餃子の気分だったんだよねー、」
「ご機嫌取らなくていいから。」
「てゆか餃子なんてあったっけ?」
「お前、お前が一番買ってるんだよ。ぼくたちが餃子好きすぎてそれぞれ買ってくるあまり、溜まりに溜まっていた冷凍餃子13パックを、今日、ついに、とうとう、10パックに減らしましたー!!!!」
「おぉぉぉ!!!!すげぇ!3パックも!!!」
パチパチパチ
「ん!?13パックもあったの!??いや10パックって全然減ってないじゃん、餃子パーリーでも開いちゃう?やっちゃう?やっちゃう???」
「何祝いに?」
「それはもちろんイグ祝いっしょ。」
いやそれ僕全く祝う気ないよ。
「そんな変な顔してるといつか千と千尋のカオナシみたいな顔になるぞ。いいのか?いいのか???」
「………やだ。」
「いやなんで一瞬考えたよ?まあ雪カオナシ大好きだもんな?」
「うん大好き。少なくともイグアナと比べたら多分那由多くらい大好き。」
「それはすごいな、カオナシの歯並びくらいぎっちぎちに隣り合わせだな。」
「悠汰、那由多の意味わかってる?」
「わかってるよ?たぶんな?」
はいきたまたきた悠汰のお得意なたぶん。
まぁ置いといて。
今日は二人で餃子パーリーナイトだぁぁぁ!
結局餃子は3パックのまま追加されることはなかったとさ。
冷凍庫の餃子の数:残り10パック
128
お気に入りに追加
542
あなたにおすすめの小説

推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!

超絶美形な俺がBLゲームに転生した件
抹茶ごはん
BL
同性婚が当たり前に認められている世界観のBLゲーム、『白い薔薇は愛の象徴となり得るか』略して白薔薇の攻略対象キャラである第二王子、その婚約者でありゲームでは名前も出てこないモブキャラだったミレクシア・サンダルフォンに生まれ変わった美麗は憤怒した。
何故なら第二王子は婚約者がいながらゲームの主人公にひとめぼれし、第二王子ルートだろうが他のルートだろうが勝手に婚約破棄、ゲームの主人公にアピールしまくる恋愛モンスターになるのだ。…俺はこんなに美形なのに!!
別に第二王子のことなんて好きでもなんでもないけれど、美形ゆえにプライドが高く婚約破棄を受け入れられない本作主人公が奮闘する話。
この作品はフィクションです。実際のあらゆるものと関係ありません。

主人公は俺狙い?!
suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。
容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。
だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。
朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。
15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。
学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。
彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。
そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、
面倒事、それもBL(多分)とか無理!!
そう考え近づかないようにしていた。
そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。
ハプニングだらけの学園生活!
BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息
※文章うるさいです
※背後注意

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね

総長の彼氏が俺にだけ優しい
桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、
関東で最強の暴走族の総長。
みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。
そんな日常を描いた話である。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる