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脱走。
しおりを挟む今日も一人で夕飯を食べる。
最初の方はフォスカも一緒にご飯を食べてくれたが、今の状況ではあり得ないことだ。
部屋で一人、黙々と食べる。
どうせ今日も、フォスカは僕に会いに来ないだろう。
分かりきったことだ。
食べ終わると、アビーが
「ルカ様、お風呂の時間でございます。」
と言ってくる。
これもいつも通り。
そして風呂を出たら、寝る。ふりをする。
『ルカ様、お時間です。さあ、これに着替えて』
アビーが小声で喋るので、つい自分も小声になる。
『アビー、じゃあ、行くぞ。』
『はい、ルカ様』
この自分の部屋には隠し通路がある。
知ったのは随分前だったが、隠し通路は街まで続いていることが分かった。
本棚の裏にそれはある。
僕の魔力では、本棚を動かし、裏から元に戻すことなど造作もないことだ。
『ルカ様、早く!』
『うん』
今まで一切使って来なかった魔力を制御するのは大変だったが、うまく行った。
こうして僕達は、アングレイ宰相の家を抜けることが出来た。
「ルカ様、これで自由の身ですわね。」
「うん。アビー、僕達これからは追われる身だ。どこへ行こうか?」
「じゃあひとまず、私の母の実家へ行ってみてはどうでしょう?」
「うーん?いいけどさ、追っ手とか、平気かな?」
「確かに。では、隣国のトールク国に行きましょう?私、あの国に一度行ってみたかったんです。」
「そうだな。じゃあ門が封鎖される前に行こうか。
急ごう。」
多分逃げたのが見つかったら
必ずと言っていいほど
国の門には警備がついて
入るものや出るものの身分を
確認するようになるか
もしくは封鎖されるだろう。
その前になんとか抜けなくては。
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