上 下
1 / 1

不思議な店の店主リュウィ。

しおりを挟む
「魔王が、ついに勇者に倒されたんだって」

人間界にそんな噂が出たのが約100年前。

とある異世界から来た勇者がいた。その勇者はたった一人で魔王へ挑み倒した。
勇者は名前も告げず、魔王を倒した後そのまま姿を消した。と言うありきたりな噂。
勇者の行方については誰も知らないのだ。

ある者はそのまま勇者は元いた世界に戻った。
またある者は勇者は自らと一緒に魔王を封印し、魔王と一緒に眠っている…とも言う。
捻くれた者は、そもそも勇者と言う者自体が居ないで、魔王は寿命がきて死んだ。

ホントのことは勇者と魔王以外誰も知らない。

だが、1つ分かっている事がある。
勇者は茶髪と緑の目をしていた…と言う事だ。

そして…そんな噂が出て更に300年後の現在、魔王の存在など伝説のお話となった平和な世の中。
始まりの森のすぐそばの村で小さなお店をしている青年が1人…その名はリュウィと言う。
さて…このリュウィと言う名の青年の店は、冒険者の中では知らない者はないとも言われている。

この店は小さな店ながら、いつも繁盛しているのだ。
この理由としては、基本的な傷薬やポーションは勿論、依頼をすれば何でも持ってきてくれると言う点が一番であろう。
リュウィはどんなに入手困難な物も絶対に手に入れ、そして依頼者にしっかりと届ける事ができるのだ。

とある冒険者がリュウィに
「どうして、こんな入手困難な物を簡単に手に入れることができるのか?」
と聞いたことがある。
その答えに対して、リュウィは
「何年もここで店をしていたらね、いろんな人と知り合えるんだ。だから、大概のものは手に入れることができるんだよ。それに、こう見えても僕は昔それなりに凄い冒険者だったんだよ」
と、笑いながら言われたそうだ。
「昔って、お前何歳だよ?」
と冒険者がツッコミを入れると
「ふふふ、秘密。でも、君よりはだいぶ歳上だよ」
とも返され、冒険者はかなり驚いた様子だった。
「まじかよー…お前さん不老不死かよ?」
冒険者自身、もう40歳超えの大ベテランだが、
見た目は20代前半、若しくは10代後半にしか見えないこの青年から自分よりだいぶ歳上だと言われたらもう、驚くしかないだろう。
「ふふふ…長く生きると色々とあるんだよ」
「…すげぇな……。」
冒険者は終始驚きで口が開きっぱなしだったが、リュウィは終始笑顔であったそうだ。


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

自分を裏切った聖女の姉を再び愛する王にはもう呆れたので、私は国を去る事にします。

coco
恋愛
自分を裏切り他の男に走った姉を、再び迎え入れた王。 代わりに、私を邪魔者扱いし捨てようとして来て…? そうなる前に、私は自らこの国を去ります─。

五年目の浮気、七年目の破局。その後のわたし。

あとさん♪
恋愛
大恋愛での結婚後、まるまる七年経った某日。 夫は愛人を連れて帰宅した。(その愛人は妊娠中) 笑顔で愛人をわたしに紹介する夫。 え。この人、こんな人だったの(愕然) やだやだ、気持ち悪い。離婚一択! ※全15話。完結保証。 ※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第四弾。 今回の夫婦は子無し。騎士爵(ほぼ平民)。 第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』 第二弾『そういうとこだぞ』 第三弾『妻の死で思い知らされました。』 それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。 ※この話は小説家になろうにも投稿しています。 ※2024.03.28 15話冒頭部分を加筆修正しました。

婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。

夢草 蝶
恋愛
 侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。  そのため、当然婚約者もいない。  なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。  差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。  すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?

砕けた愛は、戻らない。

豆狸
恋愛
「殿下からお前に伝言がある。もう殿下のことを見るな、とのことだ」 なろう様でも公開中です。

姉上が学園でのダンスパーティーの席で将来この国を担う方々をボロクソに言っています

下菊みこと
恋愛
微ざまぁ有り。 小説家になろう様でも投稿しています。

【R18】通学路ですれ違うお姉さんに僕は食べられてしまった

ねんごろ
恋愛
小学4年生の頃。 僕は通学路で毎朝すれ違うお姉さんに… 食べられてしまったんだ……

処理中です...