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犬も喰わない!~バカップルの痴話喧嘩編~
別れ話のABC/パターンF-①
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・サトル視点
「昔の縁のやつと飲みに言ってくる」
『あー。ん?昔の縁って?』
「んー、なんだろ?腐れ縁みたいな?」
『ん?女?』
「うんー。」
『二人だけ?』
「そー」
『どうゆう関係?』
「はは!だから腐れ縁!」
『腐れ縁~?三人とかでは無理なの』
「んー。ちょっと断れないヤツなんだよね」
智太に意図が伝わったのか解らない。少なくとも嫌な気分にはさせたらしかった。
『終わったら連絡して』
智太の声がわりと冷たくて重い。
「うん。するよ」
『あー、やっぱ俺んち来て』
「んーでも最近結構頻繁に行ってるからさ。明日行く」
『今日は来れない?』
「けっこー遅くなるかもしんないんだよね」
『俺朝まで起きてるけど』
「はは!おまえちゃんと寝た方が良いぞ~?」
『今日来んのは気まずい?』
「いやそーゆんじゃないけど。断れない感じだから」
『ふうん』
「終わったら連絡する」
『あーやっぱいーわ。しないで。おやすみ』
「っちょっと待て、なんか怒ってる?」
『怒ってないよ。断れないんでしょ。じゃあね~』
「怒ってるじゃん!違くてさあ、ほんとにガチのヤツなの」
『いやだから解ったって。いーよ。おやすみ』
「っ行かないと後に響くヤツだから!解るだろ?」
どう考えても怒ってる智太の口調に慌てて、言い訳がましくそう訴えてみた。
言ってから(ああ俺バカなこと言った)って気がついた。
『そーゆーの聞きたくねーわ』
「っトモ!」
そして通話が終わった。
すぐに掛け直した方が良いかなと思ったけど智太は『聞きたくない』と言ったわけで。
だけどやっぱ俺も俺でムズムズして。結局また掛け直す。
「智太」
『はい』
「解るだろ?おまえもそーゆーことあったっしょ」
『ソーネ。オッケー。』
「っなんだよその言い方、ぜんぜんオッケーって思ってないじゃん」
『思ってる思ってる』
「っなんか軽くない?」
『もーなに?じゃーなんて言ってほしいわけ』
「だから…、なんかおまえちゃんと解ってないっぽいから」
『いやそれはさすがに解ってるよ』
「グループの為だから」
『……じゃあ一生懸命頑張って。おやすみ』
「……、おやすみ」
しょうがないじゃん、って智太には解って欲しくて。かと言って『一生懸命頑張って』なんて言われるとそれはそれで傷つく。
自分の求められてることに対して精一杯応えたくて。それも仕事のうちって思ってるし。
今までの彼女だったらわざわざ言ったりはしないんだけど、同じグループでメンバーだから解ってもらえるはずって心の何処かで期待してたんだ。
だけどそう上手くはいかないらしい。
怒らせたのかな、って思うと悲しい。
そんなつもりは無かったのに、って嫌な気持ちになった。
「昔の縁のやつと飲みに言ってくる」
『あー。ん?昔の縁って?』
「んー、なんだろ?腐れ縁みたいな?」
『ん?女?』
「うんー。」
『二人だけ?』
「そー」
『どうゆう関係?』
「はは!だから腐れ縁!」
『腐れ縁~?三人とかでは無理なの』
「んー。ちょっと断れないヤツなんだよね」
智太に意図が伝わったのか解らない。少なくとも嫌な気分にはさせたらしかった。
『終わったら連絡して』
智太の声がわりと冷たくて重い。
「うん。するよ」
『あー、やっぱ俺んち来て』
「んーでも最近結構頻繁に行ってるからさ。明日行く」
『今日は来れない?』
「けっこー遅くなるかもしんないんだよね」
『俺朝まで起きてるけど』
「はは!おまえちゃんと寝た方が良いぞ~?」
『今日来んのは気まずい?』
「いやそーゆんじゃないけど。断れない感じだから」
『ふうん』
「終わったら連絡する」
『あーやっぱいーわ。しないで。おやすみ』
「っちょっと待て、なんか怒ってる?」
『怒ってないよ。断れないんでしょ。じゃあね~』
「怒ってるじゃん!違くてさあ、ほんとにガチのヤツなの」
『いやだから解ったって。いーよ。おやすみ』
「っ行かないと後に響くヤツだから!解るだろ?」
どう考えても怒ってる智太の口調に慌てて、言い訳がましくそう訴えてみた。
言ってから(ああ俺バカなこと言った)って気がついた。
『そーゆーの聞きたくねーわ』
「っトモ!」
そして通話が終わった。
すぐに掛け直した方が良いかなと思ったけど智太は『聞きたくない』と言ったわけで。
だけどやっぱ俺も俺でムズムズして。結局また掛け直す。
「智太」
『はい』
「解るだろ?おまえもそーゆーことあったっしょ」
『ソーネ。オッケー。』
「っなんだよその言い方、ぜんぜんオッケーって思ってないじゃん」
『思ってる思ってる』
「っなんか軽くない?」
『もーなに?じゃーなんて言ってほしいわけ』
「だから…、なんかおまえちゃんと解ってないっぽいから」
『いやそれはさすがに解ってるよ』
「グループの為だから」
『……じゃあ一生懸命頑張って。おやすみ』
「……、おやすみ」
しょうがないじゃん、って智太には解って欲しくて。かと言って『一生懸命頑張って』なんて言われるとそれはそれで傷つく。
自分の求められてることに対して精一杯応えたくて。それも仕事のうちって思ってるし。
今までの彼女だったらわざわざ言ったりはしないんだけど、同じグループでメンバーだから解ってもらえるはずって心の何処かで期待してたんだ。
だけどそう上手くはいかないらしい。
怒らせたのかな、って思うと悲しい。
そんなつもりは無かったのに、って嫌な気持ちになった。
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