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犬も喰わない!~バカップルの痴話喧嘩編~
別れ話のABC/パターンD-②仲直りのターン
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☆仲直りの妥協点
突き詰めようかとも思ったけどやめた。あんまりやったらきっと智太が壊れちゃうと思ったから。
智太は俺と付き合い始めてから飲みに行く回数を随分減らしたらしい。飲みに行くぐらい別にいいのに。なんで?と何回か聞いたけどハッキリ理由を教えてくれない。
昔話してた事を思い出す。どうやら智太は興味のない子ともしちゃう事があるっぽかった。セックス好きでも無い気がして半信半疑だった。なんでかなって思ってた。
色んな会話の節々の返答を繋ぎ合わせると何となく理由が導き出される。
多分智太は押されたら断れないんだろう。
智太からの返信が無くて電話に出ない時も信じられなかった。偶然か充電が切れたとかスマホ落としたとかそんな理由が思い浮かぶ。
だけど翌朝起きた時、知り合いづてからのメッセージを読んでしまった。それは智太からのメッセージの後に来てた。
最初はまさかと思ってみた。だけど冷静に考えて、知り合いづての話は正しかった。連絡が途絶えた時間とか智太から聞いてた状況が全部一致してた。ショックとか悲しいとかをアッサリ越えて、何かが一周まわった気がした。
いいや別に、俺もしちゃえば。
むしろ都合が良いかもしれない。俺もすればおあいこだ。
智太に謝られるなんて、考えるだけでもサイアクだった。自尊心も傷つけられるし普通に悲しいし受け入れられそうに無い。
だから謝られないように極力連絡を避けた。もうこのまま無かった事にして見ないフリで過ごしたかった。智太からの着信が多くてガチだと解った。いつもこんなに頻繁に連絡なんてしてこないのに。
わざわざ謝るつもりか。何もなかったフリすればいいのに。年上は、謝られるほうがキツい時もあるんだ。
どうにか避けようとしたけど、あんまり避ければ更に良くない出来事を呼んでしまう気もする。
俺は智太と別れる気なんてない。万が一別れを切り出されたらどうしようと想像した。
浮気じゃなくてガチだったらどうしよう。
本気になっちゃったから別れて欲しいなんて言われたら?
やっぱ女の子と付き合いたいって思ってたら?
・・・・。
考え始めたら恐ろしくなってきて怖い。智太が女の子の所に行ってしまうなんて考えたくもない。俺のが年上なのに、年下に浮気されただなんて恥ずかしい。年下に遊ばれたのは俺の方だったなんて思われたくない。やられっぱなしも癪だ。
早くしなきゃ。
俺も早く、誰かとしなきゃ。そしたらお互い様だねって笑い合える。もし別れ話をされた時は、俺も他に相手いるし気にすんなよって背中を叩こう。大人の余裕を見せてあっさり別れてやらなきゃ・・・
色々考えて手頃な相手を誘った。結果的にそうゆう流れに持ってってシた。だいぶ気持ちが軽くなった。これなら智太に謝られても精神的に持ちこたえられる気がする。
智太がうちに来たけど暗い顔してて見てられなかった。
せめて明るい顔で来ればバレないのに、心に閉まっておく事も出来ないんだろう。浮気だったかと思えば正直かなりホッとした。良かった俺は振られるワケじゃ無さそうだ。浮気なら一生黙ってろ。
面倒になってセックスに持ってっちゃえばいいやと思った。謝らなくていいから適当に水に流そう?時間が経てば薄れていくって。わざわざ傷を広げることはない。
だけど智太は、やっぱり黙っておくことは出来ないらしい。
「サトル、ごめん」
「謝るのはナシ」
「でも、」
「おあいこだから別にいい、」
謝られるほど恐怖が湧き上がる。この流れのまま振られたらどうしよう。別れるとか言い出されたらどうしよう。
智太は眉を寄せて困ったみたいな顔をしてる。ソレってどーゆう顔?まさかやっぱ別れたいとか?
見たくないから智太の上に乗って懸命に腰を振る。俺男なんだけど、智太はちゃんと気持ち良いんだろうか?解らないから揺れるしか無い。
「よそとシしても良いから、黙ってて」
強めに言ってみたけど声がかすれた。かっこよく言うつもりだったのにサイアクだ。息が苦しくなってきた。もう心臓が痛い。
別に女の子とシてたって良いじゃんと思い込む。智太はかっこよくて人気者なんだから、俺だけが独占しちゃダメな人なんだ。
そう思ってみるけど段々視界がボヤけて来て。うるむ目を見られないように下を向いた。
「サトル」
起き上がった智太がキスをくれた。優しいキス。まるで浮気なんてしそうにない柔らかいキス。
下を向いてた顔を上げさせられそうになったから頭振って抵抗しといた。泣いてるなんてバレるのは嫌だ。浮気ぐらいで傷ついてる自分がバカみたいだ。俺は年上なんだから、年下の浮気ぐらい許してやりたい
座位からゆっくり押し倒される。ガツガツピストンするいつものセックスに変わった。智太は「好きだよ」なんて言う。
このタイミングで言うのは本当に最悪、詰めが甘い、だらしない、好きなんて言うくせにシちゃうのは何でなの?せめて隠し通せよ。
色々思うけど結局それでも別れたくないと固執してる。
別れたらそれまでだからさっさと次に行こうと思ってたのに、別れたくないと縋り付きたいぐらい好きになってしまった事に気がついた。
こんな愛知らないし知りたくもなかったのに。
「ごめん、サトル」
「っもういいって、」
「ごめん」
「聞きたく無い、」
「好きだよ」
「……っ、」
『好きなくせに何でシたんだよ!!』喉をついて出そうなのを止めたのは男のプライドだ。
もし言ったとしても結局、智太のことを受け入れるしかない。俺は智太と喧嘩する勇気も無い。都合のいい女、ってまさにこーゆーんじゃ無いだろうか。
まさか自分がそのポジションに行くことになるとは…。
明日目が覚めたら、低血圧のフリしてぶん殴ってやろうと決意した。
それから智太は、俺が参加してない飲み会にはマジで行かなくなった。
反省してるんだろうと思うから、許すことにした。
飲み会に全然行かないなんて俺には考えられない。
もう間違いを起こしたくないほど俺のことが好きなのかな、なんて思ったら頬がニヤけた。
俺って思ったよりも単純らしい。
突き詰めようかとも思ったけどやめた。あんまりやったらきっと智太が壊れちゃうと思ったから。
智太は俺と付き合い始めてから飲みに行く回数を随分減らしたらしい。飲みに行くぐらい別にいいのに。なんで?と何回か聞いたけどハッキリ理由を教えてくれない。
昔話してた事を思い出す。どうやら智太は興味のない子ともしちゃう事があるっぽかった。セックス好きでも無い気がして半信半疑だった。なんでかなって思ってた。
色んな会話の節々の返答を繋ぎ合わせると何となく理由が導き出される。
多分智太は押されたら断れないんだろう。
智太からの返信が無くて電話に出ない時も信じられなかった。偶然か充電が切れたとかスマホ落としたとかそんな理由が思い浮かぶ。
だけど翌朝起きた時、知り合いづてからのメッセージを読んでしまった。それは智太からのメッセージの後に来てた。
最初はまさかと思ってみた。だけど冷静に考えて、知り合いづての話は正しかった。連絡が途絶えた時間とか智太から聞いてた状況が全部一致してた。ショックとか悲しいとかをアッサリ越えて、何かが一周まわった気がした。
いいや別に、俺もしちゃえば。
むしろ都合が良いかもしれない。俺もすればおあいこだ。
智太に謝られるなんて、考えるだけでもサイアクだった。自尊心も傷つけられるし普通に悲しいし受け入れられそうに無い。
だから謝られないように極力連絡を避けた。もうこのまま無かった事にして見ないフリで過ごしたかった。智太からの着信が多くてガチだと解った。いつもこんなに頻繁に連絡なんてしてこないのに。
わざわざ謝るつもりか。何もなかったフリすればいいのに。年上は、謝られるほうがキツい時もあるんだ。
どうにか避けようとしたけど、あんまり避ければ更に良くない出来事を呼んでしまう気もする。
俺は智太と別れる気なんてない。万が一別れを切り出されたらどうしようと想像した。
浮気じゃなくてガチだったらどうしよう。
本気になっちゃったから別れて欲しいなんて言われたら?
やっぱ女の子と付き合いたいって思ってたら?
・・・・。
考え始めたら恐ろしくなってきて怖い。智太が女の子の所に行ってしまうなんて考えたくもない。俺のが年上なのに、年下に浮気されただなんて恥ずかしい。年下に遊ばれたのは俺の方だったなんて思われたくない。やられっぱなしも癪だ。
早くしなきゃ。
俺も早く、誰かとしなきゃ。そしたらお互い様だねって笑い合える。もし別れ話をされた時は、俺も他に相手いるし気にすんなよって背中を叩こう。大人の余裕を見せてあっさり別れてやらなきゃ・・・
色々考えて手頃な相手を誘った。結果的にそうゆう流れに持ってってシた。だいぶ気持ちが軽くなった。これなら智太に謝られても精神的に持ちこたえられる気がする。
智太がうちに来たけど暗い顔してて見てられなかった。
せめて明るい顔で来ればバレないのに、心に閉まっておく事も出来ないんだろう。浮気だったかと思えば正直かなりホッとした。良かった俺は振られるワケじゃ無さそうだ。浮気なら一生黙ってろ。
面倒になってセックスに持ってっちゃえばいいやと思った。謝らなくていいから適当に水に流そう?時間が経てば薄れていくって。わざわざ傷を広げることはない。
だけど智太は、やっぱり黙っておくことは出来ないらしい。
「サトル、ごめん」
「謝るのはナシ」
「でも、」
「おあいこだから別にいい、」
謝られるほど恐怖が湧き上がる。この流れのまま振られたらどうしよう。別れるとか言い出されたらどうしよう。
智太は眉を寄せて困ったみたいな顔をしてる。ソレってどーゆう顔?まさかやっぱ別れたいとか?
見たくないから智太の上に乗って懸命に腰を振る。俺男なんだけど、智太はちゃんと気持ち良いんだろうか?解らないから揺れるしか無い。
「よそとシしても良いから、黙ってて」
強めに言ってみたけど声がかすれた。かっこよく言うつもりだったのにサイアクだ。息が苦しくなってきた。もう心臓が痛い。
別に女の子とシてたって良いじゃんと思い込む。智太はかっこよくて人気者なんだから、俺だけが独占しちゃダメな人なんだ。
そう思ってみるけど段々視界がボヤけて来て。うるむ目を見られないように下を向いた。
「サトル」
起き上がった智太がキスをくれた。優しいキス。まるで浮気なんてしそうにない柔らかいキス。
下を向いてた顔を上げさせられそうになったから頭振って抵抗しといた。泣いてるなんてバレるのは嫌だ。浮気ぐらいで傷ついてる自分がバカみたいだ。俺は年上なんだから、年下の浮気ぐらい許してやりたい
座位からゆっくり押し倒される。ガツガツピストンするいつものセックスに変わった。智太は「好きだよ」なんて言う。
このタイミングで言うのは本当に最悪、詰めが甘い、だらしない、好きなんて言うくせにシちゃうのは何でなの?せめて隠し通せよ。
色々思うけど結局それでも別れたくないと固執してる。
別れたらそれまでだからさっさと次に行こうと思ってたのに、別れたくないと縋り付きたいぐらい好きになってしまった事に気がついた。
こんな愛知らないし知りたくもなかったのに。
「ごめん、サトル」
「っもういいって、」
「ごめん」
「聞きたく無い、」
「好きだよ」
「……っ、」
『好きなくせに何でシたんだよ!!』喉をついて出そうなのを止めたのは男のプライドだ。
もし言ったとしても結局、智太のことを受け入れるしかない。俺は智太と喧嘩する勇気も無い。都合のいい女、ってまさにこーゆーんじゃ無いだろうか。
まさか自分がそのポジションに行くことになるとは…。
明日目が覚めたら、低血圧のフリしてぶん殴ってやろうと決意した。
それから智太は、俺が参加してない飲み会にはマジで行かなくなった。
反省してるんだろうと思うから、許すことにした。
飲み会に全然行かないなんて俺には考えられない。
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俺って思ったよりも単純らしい。
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