R18】クーラーがぶっ壊れた。夏と秋の境界線ってどこだろう。/グループ内カップルの夜事情(智太×サトル)

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自由人・智太、ニヤニヤするの話。

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自由人・智太はその自由っぷりから扱いが結構難しい。


智太はグループの最年少の弟キャラ。弟キャラだったのでメンバーみんなに可愛がられて育った。

智太は入ってきた当初、何も知らない子供のようで、兄側からすれば可愛い弟だ。


「ふっふふ、ふ」


笑っている。


そんな智太が、めっちゃ笑っている。


こんな時おれは 正直どう反応したらいいのかよく分からない。


しかし今この部屋にいるのは俺だけなので、これを収めるのは俺しかいない。

「どーした智太」


無難に聞くぐらいしか思いつかなくて普通の質問を投げかける。話題のタネがもっとあれば良かったのだが。自分のレパートリーの少なさを恨む。


昔はチワワのようににプルプル震えていた智太は、スクスク成長してあっという間に高身長になった。業界にも慣れてふてぶてしく育った。チワワのような姿はどこへやら、ゴールデンレトリバーと転身したのである。

そんな智太だが繊細な心は今も健在だ。ゴールデンレトリバーだと思って甘く見てると噛みつかれる時がある。雑に扱えばそれはそれで怒らせる。可愛く落ち込めば慰めればいいのだが、無駄に自信を持った今は落ち込むよりも怒る頻度の方が多い。


・・・・って、なんで年上の俺が智太の機嫌を取ろうとしてるんだよ・・・・。


「・・・・・・・」
「って黙んのかい!」

智太の返事が無いので、ギャグっぽくツッこんでみた。ノリツッコミなんて普段しないんだからな!自分で自分を褒めてあげたい。智太は真顔でこっちをガン見してるけど。

「って真顔かーい!」

更に重ねるようにノリツッコミする。

うん、おれ、頑張ってる。大丈夫、こわくない。智太はコッチをガン見してるけど怖くない。顔が綺麗だって身長が高くたって怖くない。俺のが背が低いけど年上なんだから怖くない。沈黙だって怖くない!・・・そんな大人になるのだッッ!!


「無視かーい!!」
「あーダメだわ、サトルぜんぜんダメだわ~」


三度目のノリツッコミで、ようやく智太が反応した。口元で笑顔を作りながら目で俺を制する。なぜ俺は年下の・・・いちおう恋人という関係なのに・・・ダメと言われてしまってるのか・・・。


「ダメで悪かったな~!」
「まだまだだわ~」
「どうせチビですよ~」
「カワイイよ」
「・・・へっ・・・?」
「かわいいよ、サトルは。」
「・・・どーも・・・」

・・・突然そんな風に言われるとちょっと照れるじゃないか・・・。


思わず口角とほっぺが上がる。

俺に話の引き出しが無いからか、どうリアクションしたらいいかも解らない。

オレ今、テヘヘ、って顔してるんだろうな。たぶん・・・。


「じゃ、シますか。」


さてと、と言う雰囲気で椅子から立ち上がった智太がこちらに寄ってくるので、流石にそれは拒否しておく。

「シません!これから収録!!そしてカワイイって言葉を攻略魔法みたいに使うんじゃありません!」
「だいじょぶ!本心だから!攻略魔法だなんて思ってないよ!」
「うわ、そう言われたら余計に嘘くさいんだよ!」
「ふふっ」


智太は再びニヤニヤと笑い始める。さらに声を出しながら笑い出した。


「・・・こわぁ~、智太、こわぁ~~!!」
「・・・・・・」(微笑み)
「智太知ってる?思い出し笑いするヤツはエッチって言われるんだぞ!」
「正解!!!」
「って正解かーい!」


何度目かのツッコミの後、いよいよ俺は突っ込まれる側になるらしい。



*
*
*



収録後はあっという間だった。


ラジオの収録を終え、良く行く店でサクッと夕飯を済ませ 智太の家に連れてこられ、『はーやく!』と急かされ高速でシャワーを浴び終えた。


タオルで身体を拭きながら部屋に戻ると、智太は既にベッドの前に立ち、裸で待機している。

(これは・・・、俺だけシャワー浴びるパターン・・・)、という予想通り 智太は『シャワーめんどくせ』と言い放つ。体を拭ききれて無い俺を布団に引き摺り込んだ。

「布団濡れるって」一応伝えたけど。自由人の智太はそんなの気にしない。


案の定 布団は少し濡れちゃって冷たいけど、智太は全く気にせずコトを運ぶ。

いつも通りの手順であっという間に肛門を開かれ、智太のペニスが腹の中をピストンしている


「こないだサトルとヤッた後さ、サトルが仕事中に突然『あ!!!』って言ったやつあったじゃん?」
「・・・!それを思い出すなぁ・・・!」
「何かと思ったら、智太のせーえきが、ってさぁ・・・。皆いるところでコソコソ言ってくるからあの時は焦ったけど。」

智太が言ってるのは中出しされた翌日のことだ。中に残ってた智太の精液が垂れてきてしまって俺は驚いて声をあげた。体内から下りてくる液体の感触が衝撃的だったから不安になった。声をあげた俺を心配して寄ってきた智太にコソコソ伝えると、「外から見ても染みはないよ?」とズボンを確認してくれた。後でパンツの中を確認したら、ほんのちょっと濡れてただけだった。

「ごめんソレ思い出しちった。そしたらニヤニヤしたっ!」

自由人智太は楽しそうにお喋りしながら腰を振る。今日の智太は良く喋る。

楽しく笑いながら、しかし行為は強くて、ガンガン音が鳴りそうだ。押しては引いて行く肢体に揺らされ ベッドの上の方へと身体がズレていく。

50キロの身体を動かす圧力に、嫌でも呼吸が乱される。「あっ、はぁ、っぅう・・・」

感情や快感を抜きにして、身体を揺らされると純粋に声が漏れる。気持ち良くて喘いでるわけじゃないのに、洩れた声はぜんぶ喘ぎ声になる。

「今日は、2人だ…から、良いけど…、皆 いるとこ、で思い出しっ、笑いは・・・絶体や めろよ…!」

「んー」

智太は律動をピタリと辞め、唇を捲れさせて変顔をしている。


「…やめろよ?」


変顔に思わず笑いながら念を押すと、『ウンウン』、と口角を上げて2回頷いた。

「頑張る!!!」
「・・・・・・」

(いやコレ、きっと無理なやつぅ!!!)

智太のへらっと笑った顔が全く信用できない。頼んでも無理かもと思いつつ、俺は念を押すしか無い。

「ダメだよ?マジで!ぁッ、こら!鎖骨を舐めるなッッ!」
「だってカワイーじゃん、」
「またそれ…!嘘くさい!」
「うそじゃないよ。可愛い。」
「…」
「照れんのもカワイイよ」
「もう!やめろ!はずいっ!」
「またかわいいサトル見たい、なー。」
「…」
「なかにだしてい?」

優男の微笑みで言われるセリフにキュンとしてしまう自分が恨めしい。さっきまで変顔してた男が、急に真顔になって言うとドキドキする。こんな綺麗な顔した弟に、中に出していい?なんて可愛くお願いされたら断れるわけがない。

黙っていればかっこいい男にこんなセリフを言われて、抵抗出来る女子は居るのだろうか。



「んふふ、オッケーだ。」


返事を出来ずにいる俺。悪戯っ子の笑顔で智太は俺を抱きしめる


「智太こそ・・・、カワイイよ」

「中に出す男だけど、可愛いって言ってくれる?」

「・・・ばか・・・!」

「サトルかわい。」


智太は数回律動して、小さいため息をひとつ吐く。熱が 体内に侵入してきたのが解った。



===========

後日。楽屋に智太の思い出し笑いが鈍く響いた。


「ふっふふ」

「智太・・・、どーしたの?」

「智太怖いんだけど!!!」

「・・・智太今日笑い過ぎじゃね?」

メンバー達が智太の様子に見かねて声を掛ける。智太の思い出し笑いを聞いて俺はギョッとした。まさかまさか、俺とのエロいことを思い出してるんじゃないよな!?メンバーもスルーしてくれればいいのに・・・!


「良い事でもあったんじゃない?」

「どっちかって言うとエロい事なんじゃ」


(リーダー!?余計なこと言わなくていいのに・・・!本当にエロいことかもしれないんだから・・・!)


「う~わやーらし!!!!エロ智太!!」

智太「んふふっ」

(((((あ…これ図星だ。関わらないでおこう・・・))))

(((((どうせサトルとのエロいことだろ・・・))))

(((((メンバー同士のエロい話なんて聞きたくない・・・))))

(((((ましてや年下の智太が兄のサトルを抱いてる内容なんて・・・))))

(((((生々しすぎて絶対聞きたく無いな・・・))))



察しの良いメンバーが話に関わるのをやめるなか、アオバだけはしつこく智太に聞く。

「エロ智太!なに考えてんだよ!?教えろ!」

「ん~!なーいしょ!!!」


(こうなったらもう、寝てるフリするしかない・・。)


「・・・(zzzz)」


(・・・・・智太のばか!!!!)



楽しげに会話してる2人をよそに、寝たふりを続けるサトルなのであった。



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