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健全黒字経営目指します!
甘くておいしそう
しおりを挟む第80話 甘くておいしそう
「そんなえっちな目で見たらイヤ~ん♡」
我ながらなかなか良い構成だ! これは次の宴会で盛り上がるな!…いや、会社の宴会もうないけど。
「ハイッ! 本日の踊り子しゃんはコウ嬢でしたぁ~! 皆さまお花はコチラ~。」
もう脱ぐのシャツとパンツしかないから、本日のショウは終了でっす! さすがに全部出しは宴会芸の域超えてセクハラだからな…。全裸オジサンで訴えられちゃう…。
お捻りを挟んで貰う為、2人の前に投げキッスしながら近づく。
「は?」
「えっ?」
…あっ、しまった! いまパンツのゴムしか挟むとこないわ! ヤダ、ガチのメンズストリッパーっぽいじゃん 笑。
それはやっぱり普通のリーマンにはちょっと敷居がバリ高なので、レオさんの横に転がっている女優帽をお捻り入れにする事にした。
少し不精をしてレオさんの肩を手置きに帽子を手繰り寄せようと、レオさんに寄っていった…、が!
「…うわっ!!」
「…ッ?!」
レオさんの膝に躓いた! 足元が覚束無い酔っ払いあるあるが発動してしまった!
そのままレオさんにダイブしたワケだが!
「………。」
「………。」
勿論、レオさんのスーパーファインプレイでがっちり抱き止めて頂いたんですが…。
…ごめん、ほんと、マジで、ごめんなさい。タイミングって言うか位置取りが悪かったって言うか…、
レオさんのご尊顔に股間押し付け状態です…。しかもお膝に立ち乗りしてます…。
「ごめんなしゃい…。俺が悪かったでしゅ…。」
「………。」
レオさんに謝り、とりあえず膝から足を下ろす…、おろすね…、おろしますよ? おろしたいなぁ…、……あの、レオさん、そろそろ離してくれて大丈夫ですよ? お顔にそんなブツくっつけたままじゃいけませんからね…?
「………。」
「レオさん、あのそろそろ…。」
ドスっ
「ウグッ!!」
「おらレオナルド、正気にもどれ!!」
師匠がレオさんの横っ腹に拳を突き立てていた。レオさんがビクッとして股間から顔を外してくれた。
「…ハッ?! すまん!! …エイトール、助かった。」
「…いや、オレだったら多分ダメだったから気にスンナ!」
なんか命をかけて戦ってるみたいなやり取りしてんな…。たまに2人の傭兵会話?についてけないんだよねぇ。言語チートさん、行間までは読まないらしい。…当たり前か。
腕が緩んだので足は外し、そのままズルズルとレオさんのお膝に座る。実は転げかけたせいで、ちょっとお酒が回ってきましてね…。
「ごめ…、レオしゃん。…立てないでしゅ。ソファーに連れてって。」
そこのソファーに捨て置いてくれい。オッさん、もう限界かもしれません。
「おいコウ、大丈夫か? 気持ち悪いのか?」
レオさんが心配そうに俺の顔を覗きこむ。
はー、お酒が入ってもイケメンは相変わらずイケメンですね。その綺麗なグリーンの瞳とかさ、毎度ながらウラヤマなんですけど!
「んーん、立てないだけだから。ソファーで横になりゅ…。」
「わかった。…エイトール、そこどけ。コウを寝かせてやらねえと。」
レオさんが横抱きにしてソファーまで連れてってくれた。ふかふかクッションを枕に寝かせられる。
「ありがとー。」
「少し待ってな。今、寝床を整えてくるから。エイトール、コウをみててくれ。便所と水場は、廊下に出て突き当たりを右だ。」
おうと師匠が返事をすると、レオさんは足早に部屋を出て行った。
あー、この辺で雑魚寝でいいって言いそびれた。…なんかお手数かけてすんません。
「ほら、コウちゃん。これ、水な。」
師匠が目の前に水のカップを差し出してくれた。
起き上がるのが面倒で横向きのままカップを取ろうとしたら、師匠が笑いながらカップをテーブルに置いた。
えっ、いきなりイジメです? 確かに酔っ払いオッさんはカースト最下層っぽいですけど…。
「ちょっと起こすな? 寝たまんまじゃ水溢しちまうからよ。」
優しく抱き起こされ、するりと師匠が俺を横抱きにしてソファーへ座る。…師匠、実は気遣いができる男か。異世界のメンズ、お気遣いの紳士率高いな。
「ほら今度こそ飲みな。オレが支えてやるから。」
師匠が少し身を屈ませてテーブルから水を取る。
…あ、師匠の香り。レオさんの石けんっぽい香りに似てるけど師匠は花じゃなくてバニラっぽい甘い香りがほんのりする。…おいしそう。
「どうした、コウちゃん。水飲まないの?」
不思議そうな顔で覗き込まれる。
「…あ、のむ。」
支えられながら水をゴクリと飲む。
ふー、水だー。味しなーい。
「ありがとー。もういいよー。」
「そっか。また飲みたいなら言ってくれよな。」
お水を返すと、師匠がまた身を屈ませてテーブルにカップを置く。…やば、いい香り。
すんすんと師匠のほんのり甘い香りを堪能する。
「ちょっ、コウちゃん、首くすぐってえよ。こら、イタズラしたらダメだって…、」
師匠と目が合う。
ああ、師匠は青い瞳だ。火魔法使いだけど師匠に似合ってるなあ。イケメンだからかなあ。
すっと師匠の目が細まる。あ、青い瞳が隠れちゃう。もうちょっと見たいのに。
もう少し瞳を見ていたくて師匠の頬に手を添えて顔に近づくと…、
「…っふ。」
いつの間にか師匠にキスされていた。
ゆるりと侵入してきた舌が気持ちいい所をなぞる。思わず俺も舌を絡めてしまうと、チュ、と緩く吸われる。普段の荒々しい師匠からは想像出来ない甘いキス。
「…ん、…ンっ、」
離れるのが惜しく、自分から追いかけてしまう。そんな俺を宥めるように背中を撫でられる。背中に寒気と全く違うゾクゾクが湧き上がる。
思わず唇を離す。
ツウッと口端から涎が溢れる。師匠がペロリとそれを舐めとった。
「…はあ、コウちゃん、そんなにしたらオレ止まんなくなるぜ?」
するっとシャツに手が潜り込み、背中を再び撫でられる。直に触れられ、ゾクゾクが熱を持ち始める。…もう一度あの甘いキスがしたい。
師匠の首に手を回して、
…おねだりする。
「ねえ師匠、チュウもう一回しよ?」
「師匠じゃねえよ。エイトだろ?」
師匠がニヤリと笑う。
ああ、そうだ。師匠じゃなくてエイトだったな。
「エイト、もう一回…、」
ゴンッ!
「いでぇぇっ!! 何すんだ、テメエ!! …つーかいつの間に来たよ、レオナルドぉ。気配殺しすぎだろぉ。もしかして覗き目的?」
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「コウちゃんがキスしてって言った。」
「それは酔っ払いの戯言だ。無視しろ、無視。それよりいい加減離れろ!」
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…うーむ、さては仲間ハズレにされて怒ってるな? 図体はデカいけど年下の甘えんぼさんだな?
「レオしゃん、…じゃなくて、レオ…、こっちきて?」
よっこいしょと横抱きから師匠と向かい合わせの体勢に膝立ちして、おいで~とレオさんに片手を伸ばす。
「ほらチュウ。」
チュッと音を立てながら軽く唇を突き出した。
「……っ、」
目の前には苦しげに細められたレオさんの緑の瞳。
「…もっと近くに来て、その緑色見せて。」
「ちくしょうっ、」
ぐいっと後頭部に手を回され激しく貪られた。
レオさんの厚い舌が俺の口を蹂躙する。ジュルとかチュバとか水を含んだ音が聞こえ、それがまたたまらなくクる。伸ばした片手をレオさんの首に回す。
「…ん、…ふ…っ、んっ」
余りの激しさにフルルッとみじろぎ、師匠の身体に身をすり寄せてしまう。
「…オレに乗っかってるのに他の男とのキスに夢中になっちゃうなんてよぉ。コウちゃん、すげえ悪い子じゃん。」
お仕置き、と師匠がレオさんとのキスに夢中な俺の耳元で囁き、ひとつだけ留まっていたシャツのボタンを器用に片手で外した。
「レオナルドぉ、子猫ちゃんに噛まれんなよぉ?」
はだけた胸にさわさわと掌を這わせ、取っ掛かりを見つけたと言わんばかりにギュッと乳首を摘んだ。
「ひんっ?!」
「っ、 …やりやがったな!」
突然の胸への衝撃で仰け反る。危なくレオさんの舌噛むところだった…。ギリセーフ…。
「…あ、ふ。」
蓋を無くした口元から涎がツイッと垂れたが、師匠にベロリと舐めとられた。
「クヒヒ、惜しかったなあレオナルド。ほらコウちゃん、こっち。」
膝立ちから引っ張られるように師匠の膝に座らせられ、再び唇を重ねる。同時に先程抓られた乳首をクニクニとやわく捏ねられる。
ふたつの甘い刺激に身体がじわりと熱を持つ。奥底が、熱い。
「…あっ、ふっ、…エイト、あつ…い、」
みじろぐといつの間にか隣りにきたレオさんが、師匠から俺を引き剥がし膝に乗せた。
「レオナルド、そんながっつくなって。へへ、そろそろネジェラが効いてきたかなぁ~?」
「は?! ネジェラだと?!」
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