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健全黒字経営目指します!
確かにそう言う
しおりを挟む第57話 確かにそう言う
「酒は知り合いがいる所でしか飲まないほうがいいぞ。」
………あ、これ脱ぐ以外にもなんかやった。
いつぞやの飲み会で俺の面倒みてくれた川田と同じセリフ…。何やったかは教えてくんなかったけど、しばらくの間俺を残念なイキモノを見るように生ヌル~く見つめられた思い出…。
「お酒、自重致します…。」
「ま、俺がいる時はいいさ。ちゃんと面倒みてやるよ。」
「…お手数をおかけし誠にすいませんでした…。」
酒、ほんと自重しよ…。
「あと1タトくらいしたら準備すっぞ。起こしてやるからもうちょい寝てな。」
レオさんは一度頭をふわりと撫でてから腕枕を抜き、よっと起き上がってベッドから出た。そのまま上着を着はじめる。
「え、レオさんはもう寝ないの?」
「便所。あと軽く日課の鍛錬してくるわ。」
…あ、便所。お引き止めして申し訳ない。
しかし、鍛錬が日課ってカッコいいなぁ。さすが筋肉だわ…。
「じゃあ、ちょっとお言葉に甘え寝てます。」
「おう。ちょっと行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
だらしがないが布団の中から手を振る。
レオさんは何故か嬉しそうに手を振りかえし、リビングから出ていった。
「…寝てるって言ったけど、ちょっと目が冴えてしまった…。どうしよう…。」
体力温存したいのはヤマヤマだけど、やらかした?ショックもありもう簡単に寝付く事が出来ないでごさいますよ…。
「ひとっ風呂浴びっかなぁー。レオさんが鍛錬から帰ってきたら風呂ですっきりしてもらうのもアリだろうし…。」
だいたいもう俺パンイチだしな…。着るより脱ぐ方が早いんだぜ…。
ムクリと起きて、床にあった服(キチンと畳まれてた…)を抱え風呂に向かう。
スマフォ操作で風呂に湯を満たす。
「次のamazooではシャワー付きのカラン買おう…。風呂はいいけど、朝イチでこの作業は面倒すぎる…っ!」
シャワーの件は後でリマインダーにいれとこ!半年後なんて絶対忘れてるからな!
服と履いてたパンツを洗濯機に突っ込み洗濯をスタートさせ、俺は朝風呂に突入した。
朝風呂で身だしなみを整えサッパリする。
着替えを出すのを忘れて自室まで全裸でうろついたが、レオさんが戻ってないからセーフ!
とは言え、今日はどんな格好がいいんだろうか…?コッチで浮かない貴族っぽい格好ってどんなの??
とりあえずの貴族な感じで、シンプルにカッターシャツと黒のカラーデニムをチョイス。上は高校の時着てたグレーのカーデでも羽織っとこう。ま、あとはレオさんが来たら相談か。
着替え終わり、レオさんが帰って来る前にもう一度風呂を沸かす。沸かしてる間に洗濯も終わったので、屋上へ行って洗濯を干した。昨日のは帰ったら取り込むぞ、うん。そのままリビングに戻ったね!
「さて、お次は朝メシだな。デリバリーにしよっと。」
俺はあんまり食べなくても大丈夫だが、レオさんにはボリュームがあるほうがいいよな。
さて、どこかいいとこないかな~。うーん、まだ朝早いからデリバリーやってるとこ少ない…、おお、ナックあるじゃん!
うん、朝ナックでハンバーガー決定。
ポチってデリバリーオッケー!
到着まであと30分あるからスマフォの充電しよ。モバイルバッテリーも念の為充電だな。
…あ、今日の外出を総括チームさんにメッセしとかないと。
コンソールからメッセを呼び出し、一泊ありの外出のメッセを送った。勿論、秒で返信だった…。もしかして俺担当って24時間交代制?フォロー手厚すぎん??
総括チームさんからは道中充分気をつけるようにと、拠点に帰着したらメッセして欲しいとの返信だったので、了解と返しメッセを閉じた。
「ふう、疲れた…って、体力温存…全然してないな!ヤバい、ちょっと横になろう。」
毛玉のふっかふかラグにゴロリと横になる。ふう、相変わらずよいふかふか加減。
ふかふかにスリスリしてたらちょっと眠気が出てきた。ごめん、少しだけ寝ます…。おやすみ…。
「…い、コウ…、きろ、…おい、」
肩をユサユサと揺さぶられる。
「コウ、起きろ。そろそろ準備するぞ。」
「…ふえ?じゅんび…?」
「街に行くんだろ?ほら、寝ぼけてないで起きろ。」
ヒョイっと抱き上げられて強制的にダイニングの椅子へ座らせられた。おお、楽ちん…。勝手に椅子まで移動…。
「メシ食って準備すっぞ。メシは昨日の肉の残りでいいか?」
「…ん、ん?…あ、レオさんおかえり……ハッ、ごめん!めっちゃ寝てた!ご飯、今だすね!」
うわ、めっちゃ寝ぼけてた…。
慌ててタブレットを見ると、もう20分前からナックが到着のお知らせだしてる。急いで受取をポチりテーブルに朝ナックを広げた。
朝ナックを食べながら、レオさんに今日の予定を聞く。
「今日はどんな感じになるの?」
「街まで30アーガくらいひたすら歩く。」
「ひたすら歩くんだ…。ってアーガ??それって時間?距離?」
「アーガは距離だな。」
「ほう、距離。…うーん、ちょっと想像つかないかも。」
切実にメートル換算アプリが欲しい…。30アーガ、一体どれくらいなんだ…。
「そうだな…、俺のこの小指の爪半分くらいが1ウル、片腕ちょいくらいが1フィラ、アーガは1フィラの1000倍くらいだな。」
おっと、メートル換算きた!ってまんまメートル法じゃん!と、言うことは…、
「さんじゅっきろ…。」
…街まで30キロ、マジか。
「さんじゅっきろ?」
「え、ああっと、30キロメートルね。キロメートルは地球での距離。…俺、そんな距離歩いた事ないんだけど、…大丈夫?」
流石に外回りでもそんな歩かないよ…。
頑張って歩いて10キロが精々ってとこだわ…。
「…そうか。なら途中の村で馬でも借りるか。貸し馬屋がトズにあった筈。まあ、トズまで15アーガはあるが…、歩けなくなったら背負ってやるよ。」
う、馬…。馬に乗った事ないんだが…。
「あの、俺、馬乗った事ないんだけど…。」
「…あー、そうか…、地球は動物少ないんだったな。馬も乗る程いない、か。」
え、いや、確かに動物少ないけど、コレなんか違う方向に勘違いさせてる??
すまん、お馬さんはレースあるくらいいるんだ…。俺が乗馬をした事ないだけだよ…。
「ええと、そうだな…。トズは確か乗り合い馬車の駅もあったから、そっちにすっか。うまく時間が合えば昼前にリオガに着けるしな。」
「リオガ…?」
「そう言えば教えてなかったな。リオガは今から向かう街の名前さ。この辺は田舎でリオガくらいしか大きな街がねえから、ついつい街ってしか言わねえんだ。」
あ~、アレだ、ちょっと"駅"行ってくるってヤツだ。私鉄沿線の小さい駅は近所に何個かあるけど、駅ビルある駅は中心街のアレだけみたいな。
俺も菓子折り買いに、ちょっと駅行ってきますってよく伝言残したもんなぁ。正式名称略わかるわぁ。
「りょーかい。申し訳ないけど今日は馬車でお願いします。」
「無理するよりはいいさ。」
朝ナックを腹に収め、外出の準備を始める。
レオさんには風呂を勧めといた。ひとっ風呂浴びて汗流してきてね!
バックパックにタブレットやモバイルバッテリーを詰め、あとはカロリーバー、…は昨日から入りっぱなしか。追加でもう1つ入れた。コーヒーも入りっぱなしだがこれは抜いとく。かわりに水のペットボトルを1本。もう1本はレオさんに渡しとこ。
20分も経たない内にレオさんが風呂から上がってきた。ほんとにひとっ風呂だよ 笑。
丁度手に持っていた水を飲んでと手渡すと、グビリとひと口で半分くらい飲み干した。うん、風呂上がりだね。
「それ後でもう1本渡すから、レオさんの今日の飲み水にしていいよ。」
しかしレオさんはちょっと渋い顔した。
「人前では出せんな…。高価なガラス細工と勘違いしたバカに盗まれちまう。」
マジか…。ペットボトル、お宝か…。まとめ買いだから100円もしないんだが…。
誰もいない所で飲もう…。
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