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健全黒字経営目指します!
忘れてたなあ!
しおりを挟む第52話 忘れてたなあ!
突っ伏したまま10分くらいアーとかウーとか唸ってみたが、勿論何も変わる事もなく、
「とりあえず洗濯でもするか…。」
現実逃避で家事に勤しむ事にした!
…いや、流石に昨日から洗濯モン結構溜まっててな…。しかもいかがわしい汁ついてたりするから放置もちょっと…。つーかあれ、シミにならんよね…?
「とりあえず洗濯機設置から、…あ、干すのどうしよう。ここ地下だからベランダとか無いぞ…。部屋干しするか?…いや全然乾かなそう。乾燥機…、は箱庭にないもんなー。」
うーむ、ボイラー乾燥みたいに竈門で火を焚くにしても、竈門は箱庭チート仕様で1分くらいしか火が持たないから乾燥する程部屋が暖まらないし…。やっぱアレか?アレじゃないか?
「…作っちゃう?こっそりガラス温室作っちゃう?」
箱庭お馴染みガラス建築の温室、屋上に作っちゃおっかなー!!
いそいそと同階にある管理小部屋を改造し、地上へ階段を繋げてみる。スマフォに持ち替え、管理小部屋から屋上、外へ出てみた。
「おおー、眺めいいー!!」
拠点にした洞窟は小高い丘にあったので、洞窟の上に出ると周りより目線が少し高かった。付近を大きな針葉樹に囲まれてはいるが、背の低い広葉樹が間に挟まっている為切れ目から山や深い森が結構見えたのだ。
ぐるりと見回すと、少し遠くで森が切れて人工的な道が見えた。あれがレオさんが言っていた森の切れ目、西の方面なんだろう。
でもここからは全然街っぽいとこは見えないな…。と言うか見える範囲に民家すらないが…。
「リアルなRPGゲーのフィールドってこんな感じなんだろうなー。」
よくTVで民家を探して北の大地の何も無い道を徒歩で数時間、とかテロップが流れるアレの距離感が目の前にどーんと広がっていた。
うーん、街まで半日ってどんな距離なんだろ…。俺の足ちゃん、頑張れるかな…?
「…頑張るしかないか。まあ明日!明日!」
さて本題!本題!
さすがにこのままガラス温室が小高い丘の上に出現してしまうのは不味い。ホラー系には有りがちだけど、めっちゃイベントフラグな建物すぎて悪目立ちがすぎる。
下から見え辛い半地下にしよう。
丘の縁を少しだけ盛って高くし、その縁より1段下、だいたい2メートルくらい下へ小さな公園くらいの空き地を整地する。念の為縁周りには低木をランダムに配置した。これでこの丘や周りの木にわざわざ登らない限りここは見えない。
あとは地下に降りる階段を中に八角形にガラス板張りの小さな温室を組み立てる。八角形だとガゼボみたいでいい感じなのだ。これは前見たオシャレ箱庭建築動画からパクりました。てへ!
これでドアもガラスだったら最高にイカすガラス温室なんだけど、箱庭には無いんだよな~。残念。1番オシャレっぽいチーク材のドアをはめ、合わせて床も同じチーク材にしサンルーム風にした。
おっと肝心な事忘れてた。洗濯モン干す用に物干し台ね。これの為に温室建てたんだわ。
柵の部品の棒を2本立て紐は手作業で張る。何故手作業って…、物干し台が箱庭にないからダヨ!自作でごさいます!
あとは侵入対策に周りを鉄柵で囲んで終了~。
「ガラス温室かんせーいっ!ヒューッ、オっシャレー!」
リアル世界のガラス温室はすごく綺麗だった。
箱庭チートガラスはガラス同士支えるサッシ枠がないから、まるでお高い酒の入ってるカットガラス瓶の中にいるみたいだ。ガラスは透明度も高く、真上を見上げると天井などないような美しい青空が広がっている。
そんなまわりの景色も相まって現実じゃない、そんな気がして思わず存在を、幻のようなガラスにそっと触れてしまう。伸ばした指先にトンッと硬いガラスを感じ、ああ夢ではないなと安堵する。
ふと目を落とした床に突然影が走り、パッと上を見上げると翼が4枚ある孔雀みたいな鳥が真上を通り過ぎていった…。
ーーー現実だけど、ここは地球じゃない。異世界なんだな…。
…って、ヤベ…!
おわああ時間取りすぎた!いま洗濯しないと夕方になる!
慌てて階下に戻り、脱衣所に洗濯機を設置。勿論、あのトイレ設置の裏技で繋げました。まじで箱庭チート便利すぎ。俺、これがあれば取り付け業者に転職できる 笑。
溜まった洗い物をドバッとぶっ込み洗濯機をぶん回す。うんセーフ、セーフ。なんとか夕方になる前には洗い終わるな。あとは温室に干しっぱにしときゃなんとなるね、うん。
ついでに土埃に汚れた脱衣所の床を軽く掃除してと。
よし!粗方の家事終わり!
「…うーん、洗い終わるまで何しようかなぁ。」
拠点の整備。いや、ある程度はした。リビングと隣りの元仕事部屋が少し整理が出来てないけど、30分あればまあ片付く程度かな。
となると夜メシの準備か?レオさんのリクエストは米だったな。米とがないと…、
「はっ!!思い出した!!」
そう言えば、
「ダンジョンの仕事してねえわ…。」
お仕事全然してなかったですね…。
職業ダンマスなのでダンジョン作らねば、お賃金出ないな…。
「ま、まず、ダンジョンを作って…?ええーと、何から設置がダンジョンっぽいか…、」
…あ、さらに思い出したわ。
そう言えばのダンジョンコア。ルーカスさん、多分総括チームの中の人から伝言きてたわ…。
ダンジョンはダンジョンコア設置しないとダメ!だったよ!
「ダンジョンコアの設置か。ダンジョンコア…。ダンジョンコア…、ってどんなんだっけ…。」
まだ昨日一昨日の話だがダンジョンコアさんが記憶の彼方すぎて、もう一度"ダンジョンコア"を検索した…。
ダンジョンコア
ダンジョンを維持する核。ダンジョンの心臓部にあたる。
形状: 直径30センチ程度の球体。半透明(アクリル樹脂素材に似た見た目)。見た目に反して重量は200gと軽量。
色: 正常時は青。ダンジョンの崩壊など危機的状況になると赤く発光する。
ダンジョンにダンジョンコアを設置する事によって、ダンジョンが世界に根付き認識されるようになる。尚、設置しない場合は存在意義を失い緩やかに消滅する。
ダンジョンコアは外的損傷に弱いので設置後は速やかにセキュリティを強化する事が重要。
※ダンジョンについてはリンク先を参照。
あー、そうだった。ダンジョンコア、そんなんだったわー。これ設置しないと俺のダンマス存在意義もないですネ…。
「ふーむ、外的損傷に弱いからセキュリティ強化、ね。今の拠点はまだダンジョンのダの字もないから設置場所悩むなあ…。」
今1番奥、最下層にあるのはマグマ下水処理場か…。
って、いやいや、そこはダメだよな!さすがに大事なダンジョンコアを下水近くに置けない 笑。
となると、…発電エリアかな?
一応、あそこは超貴重なチート発電もあるから重要施設っちゃ、重要施設なんだよな。でも重要設備が一箇所にまとまって鉄格子囲いはあからさま過ぎかなぁ。管理は面倒だけど分散の方がリスク回避になるか。
んー、別の場所か…。あとは居住区、俺の部屋、リビング、風呂、
あ…!そうか!
「そうだ、水だ!水を使おう!」
ふっふっふ!我ながらイカす思い付ききたね!
過去に一度やった面白罠建築、
その名も逆水槽!
仕掛けを簡単に言うと、部屋をガラス水槽で回の字囲みを何個か作る。所謂水槽のマトリョーシカだ。
水槽の1番外側を水と水ブロックをランダムで埋め、次は水無しの狭い空間、次は水、次は水無しと重ねていく。で、1番奥はお宝水槽だ。
こうするとお宝狙いで1番奥の水槽まで行くには、ガラスをいちいち壊して進まないと行けない。だが、壊す度水が際限なく溢れ狭い空間で溺れる羽目に…。対策は無限水湧きする水ブロックを破壊、即排水する事。但し水ブロックはランダム配置なので一気に壊すしかないが、爆薬などを使うとお宝水槽も吹き飛んででしまうのだ!
俺自身がこの罠に掛かる動画を配信したら高評価がついた罠なんだな、コレ!
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